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ROUAGE、もう一回観たいか?

今日は僕自身、知ってはいるものの熱狂的に追っていなかったが、偉大なるバンドをテーマにしようと思います。

熱狂的だった方には申し訳ございませんが、再履修的な目で見ていただけると幸いです。

と、そのバンドは…

ROUAGEです。

ROUAGEは1993年に結成されたバンドです。

KAZUSHI、RIKA、RAIZI、SHONOのオリジナルメンバーに、

当時、名古屋で黒夢と人気を二分していたSilver RoseのKAIKIが加入する事によって本格始動します。

KAIKIさんが居たことによって、バンド自体にも箔が付いたのに加えて、結成間もないバンドとは考えられないほどの広告を打ち、約一年でシングルを5枚、アルバムを一枚リリースするという通常では考えられないほどのリリース。

アルバム『ROUAGE』はクオリティとしては聴くに堪えない所はあるものの、そのアプローチの方法が示されている名盤でもあります。

ちなみに、『Cry For The Moon』と『Pa・ra・no・i・a』はこの時に初出しの曲です。

それに加えて47都道府県を廻るツアーを組みながらという怒涛の活動をします。

恐らくKAIKIのSilver Rose時代のノウハウがフルに発揮されたのであろうと想像できます。

しかし、メジャーデビュー前にそのKAIKIが脱退。

これ以降、KAIKIはWITH SEXYに加入。
その解散後はインディーズレーベルSoleilを設立。

その後、Soleilの大阪支部として『Matina』を設立。
その代表に当時20歳であったMIRAGEのKISAKIを抜擢。

と、その後のヴィジュアル系に大きな影響を与える人物でもありました。

恐らく、この人はプレイヤーよりもプロデュースの方が合ってたのではないかと思います。

そんなKAIKIが抜けた後、ROUAGEはメジャーデビュー。

デビューシングル『Queen』で鮮烈なデビューを果たす。

当時黒服の代表格であったLUNA SEAや黒夢が次々と黒服を纏わなくなった中で、新たな黒服のバンドとして一気に人気を博します。

非常に印象的なギターリフ、カッティングの鋭いサイドギター、シンプルながら力強いドラム、奥底から鳴り響くようなヴォーカル。

ROUAGEというバンドの印象を強烈に印象付けた曲でもあります。

そんな勢いでデビューアルバム、『BIBLE』を発売。

これもまた名盤です。

ROUAGEの特性として、先行シングルが異常にポップなのにアルバムになると急にそのマニアックさが際立つ音作りになります。

『Jesus phobia』や『人間・失格』、『BIBLE』という名曲がこれには収録されております。

続くシングル『insomnia』では初のタイアップが付き、オリコン29位を記録。

そして、この次にROUAGEといえば!という名曲が発売されます。

そう!『白い闇』です。

V系史上に残る名曲で、ROUAGEとしても最大のヒットシングルとなります。

ぶっちゃけた話をしますと、この辺りから僕はROUAGEの楽曲に関してはシングル曲しか追えていません…

ここから『CHILDEN』は聴くものの、そこからはシングル曲のみでした。

すいません。

ROUAGEというバンドのシングル曲は『Queen』におけるスタイルを貫き通して来たと思われます。

しかし、『胸に降る雨、胸に咲く花。』からの4曲はそのアプローチが全く違った事は印象的でありました。

その印象は、ベストアルバムのリリースで活動に一区切りを付け新たな音を模索しているかの様でした。

明らかにそこからの音は今までのROUAGEのアプローチとは違うものでした。

一番変わったのはRIKAさんのギターフレーズ。

印象的な力強いギターフレーズが鳴りを潜めていて、かき鳴らす様なフレーズが多用される様になる。

特に『瞳をあけてみるゆめ』のアプローチは非常に新鮮でした。

『月のながめかた』では新たなROUAGEのバラード像を提示したのは好きでした。

幻想的な歌詞は少なくなったものの、ストレートになった歌詞にも好印象でした。

そんな中でGt.RIKAの脱退が発表され、ROUAGEは解散という道を辿ります。

確かに、その後の活動の音を聴いてみるとやりたい事が変わっていったのがよく分かりました。

音もそうだし、詩もそれまでのROUAGEというバンドからは少し離れた場所にあるものでしたし。
そうでないと別のプロジェクトとして歩き出した意味も無かったのでしょう。

しかし、そこの整合性を持たせるために苦労していたことが個人的にはバンドとして最高傑作を産んでいた事に繋がっていたと思っています。

ROUAGEは先述した様に、初期のスタイルがしばしばヴィジュアル系の黒服のスタイルとして引き合いに出されます。

あの冷たいギターと幻想的な歌詞が今日まで非常に大きな印象として残り続けている事は事実でしょう。

それほどまでに印象的でありましたし、屈指の個性を発揮していたバンドでありました。

ただ、だからこそもっと違う可能性を見たかったというのが僕自身あります。

多分、こういう見方をしている人っていうのは稀なんだとも思いますが。

どれだけ再結成を望まれたとしても頑なにやらない理由が何となく分かります。

多分つまんないと思う。観てる側もやる側も。

今、再結成で東名阪Zeppやるよー!ってなったとて観に行ってもガッカリするんだろうなと。

それはメンバーの年齢だとか、見た目の変化とかではなく、単に改めてやっても面白くないと思うんです。

上手く言えないけど。

再結成したとてその先が見えない。

寧ろ、ROUAGEは影響を受けた人がカヴァーしているのを観るのが一番いいかとさえ思います。

ROUAGEは既に多くの人の心の中に受け継がれ、それで完結している。

決して起こしてはならない。そんな存在です。僕にとっては。

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