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武藤敬司、ノアに所属って本当ですか?

武藤敬司さんが、プロレスリング・ノアのGHCチャンピオンになり、ノアに所属する事が報じられました。

58歳にしてメジャー団体のチャンピオンというのは前代未聞。

そして、日本の三大団体である新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリング・ノアにてチャンピオンになった唯一の人物であります。

この人の事をプロレス好きな方で知らない人は居ないでしょう。

テレビにも多数出演されており、恐らく日本で一番有名な現役プロレスラーではないでしょうか?

長く現役選手を続けられておられる方はいらっしゃいますが、それでもヘビー級のチャンピオンという事は、プロレス業界でトップクラスの実力をお持ちであるということです。

しかも、防衛回数7回を誇る塩崎豪を退けてのチャンピオン戴冠は物凄い偉業であります。

このニュースが飛び込んできた時に、僕は信じられませんでした。

そもそも、武道館という舞台でのメインイベントでのベルト挑戦という段階で異例です。

どれだけ実績や実力が伴う選手であったとしても、同団体久々のビッグイベントのメインイベントに他団体所属選手であるならまだしも、フリーランスの選手を抜擢する事はないと言ってもいい。

ビジネス的に他団体を相手にするならば、勝てば実力を示す事が出来るし開かれた印象を与える事が出来る。

負けても、相手の団体を巻き込んで興行を打つ事が出来る。

そうなれば、二つの団体の客を相手にできるので入客を期待できる。

という判断を個人にしたというのは考えられない事であります。

それだけ武藤敬司という人間がプロレスラーとして偉大だという証明です。

しかし、勝ってもらっては困るものでもありました。

ファンは選手個人にもつきますが、多くはその団体に付きます。

「その団体に所属している選手が好き」

というファン心理は非常に大きいものがありますので、
チャンピオンが団体の所属選手でなければ、客としては面白い状況ではありません。

それ故に最高のチャンピオンをぶつけたのだけれど結果は敗北。

エンターテインメントとしては今後を考えると、非常に厳しいものがあります。

それをノアとして取り込む事により、収めたのは非常に理に適った決断でありました。

それだけ武藤敬司という人間はプロレスラーとして超一流なんです。

簡単に言うと、新日本プロレスに鳴り物入りで入団後選手としては異例のVIP待遇でスター選手になっていきます。

その頃のプロレスラーとしては珍しい甘いマスクにそれまでプロレスに無関心だった女性層を多く取り込む事に成功します。

そんなベビーフェイスが正義から悪に回ったり、時に自分の別人格としてグレートムタというヒールを演じてリングを荒らし回ったりする訳です。

そして、このグレートムタというキャラクターを作り出した事はプロレスにおける革命でありました。

当時、ヒールレスラーというのは大体マスクマンが多かった中、フェイスペインティングという手法でそのキャラを確立しました。

当初はただの白塗りだったものの、それが黒塗りになったり、文字が入ったり、歌舞伎のような隈取が入ったりとどんどんと進化していきます。

近年では特殊メイクの技法を取り入れるなど、クールな格好良さを提供し続けておられます。

このヒール像が確立するまで、ヒールというのは下品で傍若無人なイメージだったのですが、

得体の知れない恐ろしさを持ったクールな悪役

という新しいヒール像を提唱した事が物凄く受け入れられました。

ファイトスタイルも武藤敬司を踏襲しつつも、ラフファイトや凶器攻撃も厭わないスタイルもクールでありました。

プロレスの実力も去ることながら、その美的センスが光る人。

そんな魅力が今もなお輝きを増しているのは凄いことだと思います。

今でも、武藤敬司が出ると言われるとやっぱり観たくなってしまいます。

もう決まってるんですよ。やる事って。

それこそ何百回という試合展開を観ているんだから次の展開が正直言って読める。

しかし、それを様式美にまで高められているからこそ観られるんですよね。

毎回神セットリストのライブを観ているような感覚になれる。

毎回同じ様な展開になる事は見えてるのに観られる。

どんなに神セットリストであっても同じだとライブだと飽きるのに、何回でも観られるんですよ。

これって様式美だからなんですよね。

色々と言われるプロレスというものですが、その美しさを常に表現される人だからこそ観ていられる。

武藤敬司という選手はもう確実に引退を視野に入れていると思います。

身体はボロボロだし、本来ならリングに立てる様な身体ではないそうです。

そんな中でも、数多くの前途あるレスラーに自分の遺伝子を残そうとする姿は凄く感動しました。

このまま行くと引退試合はノアが引き受ける事になるのかな?

団体が絡むと超絶揉めそうですけど…

恐らく、かつて無い舞台と試合が組まれる事は想像できる。

そして、その相手が誰になるのかも予想できないな。

っていうか、本当に引退する日が来るんか?この人。

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