小さな幸せ
爽やかな秋の風を心地良く感じながら、ある場所へと向かっていた昨日のわたし。
車を駐車場に停めて、目的の場所まで歩く、5分という短い時間。
昨日は、そのたった5分に、この上なく穏やかな幸せを感じた。
何処からか風に揺られながら運ばれてくる、金木犀の香り。
空を見上げれば、快晴の空に、ほんの少しだけ色づき始めた、でもまだまだ紅葉と言うには程遠い、イチョウの木の葉が目に留まる。
その葉の合間に、まだ青い銀杏がぎっしり詰まっていて、思わず、わ!って声を上げそうになった。
黄金色に輝くイチョウ並木を歩くとき、道のあちこちに転がるたくさんの銀杏は、これまでの人生で幾度となく目にしたけれど
まだ青い葉っぱにくっついている銀杏になど、これまでは気づきもしなかったんだなーと、ふと思うわたし。
太陽が少し西に傾いた、爽やかな秋の午後の陽射しは、とても心地いい。
陽射しを色に例えるなら、ほんの少しだけオレンジ掛かった、優しい黄色。
あれ?金木犀の花もそんな色じゃなかったっけ?
秋の午後の色と、金木犀の色がちゃんとリンクしている !
…などと、目的地までの短い時間、秋を深く感じるわたしは、心の底から幸せだと思えた。
わたしにとっての幸せって、ホントに小さな、小さなことなんだなって、改めて思う。
小さな幸せは、わたしに、この上なく大きな幸せをもたらしてくれる。
とても長い時間をかけて、小さな幸せを感じることが出来るようになった自分を、少し誇らしく感じた秋の午後だった。
そして、あ、わたし、ほとんど回復したんだなって感じた。
数日前、わたしは知らない誰かが放った言葉に深く傷ついた。
まるで火の粉を突然、浴びたように感じたから、火の粉事件(笑)
事件の詳細はまたの機会に書くとして、心はその日を境に一気に重くなった。
いっこうに回復する兆しが見えない毎日。
それでも傷を抱えたまま、ほんのわずかな、小さな幸せを感じる努力をしながら毎日を過ごしていた。
あ、少しラクになったかも。
いや、今日はまた、しんどいな。
などと、心は一進一退を繰り返す日々。
しかし、そんな重苦しい日々も、昨日の短い時間に感じた、小さな幸せのおかげで終わりを迎えた。
小さな幸せの積み重ねが、不意に負った心の傷を、いつの間にか癒してくれていた。
わたしの幸せは、「小さな幸せに気付く心」で作られているんだなって思う。
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