梨の礫 2022-10 渡米
渡米して間もなく2年。
もうニューヨークは朝晩は涼しいどころか、肌寒いくらいだ。
こうやってあっという間に日々が過ぎる。
このタイミングで忘れないように、月単位で振り返っておこう。
渡米
慌ただしい準備期間を経て、ついに出国。
家族は1ヶ月遅れて、合流するためまずは単身で。
前の職場の同僚が、仕事の合間に、わざわざ見送りに来てくれてうれしかった。
立ち上げ
インフラの開通、銀行口座の開設、SSNの取得、NY免許証の取得、車の購入、子供の学校の手配と慌ただしかった。
一つ一つの手続きが慣れない英語で、相手も日本のようにスムーズに進むことが珍しいから、その都度戸惑う。
RPGゲームのようだった。
職場の先輩が色々とサポートしてくれて、助かった。
ちなみに、海外赴任が決まってから3ヶ月間はオンライン英会話のビズメイツに入会した。朝か晩に25分。最初はめちゃくちゃ緊張した。
その短期間では、大して成長しなかったけど、これが無かったら、もっと悲惨なことになっていたと思う。
車はこっちのガリバーで購入した。米系の現地ディーラーで買った方が絶対安かったが、他にやる事が沢山あったのでやむなし。
食べ物など
覚悟はしていたけど物価には驚く。
ニューヨークで仕事終わりにちょっと一杯といっても、タックスやチップ込みで安くても50ドル、メインを頼むと大抵100ドル弱はしてしまう。
ランチもサンドイッチやフードトラック(屋台)で10ドルちょっと。
卵や牛乳、サラダも高いから、スーパーで1週間分の食料や消耗品を買うと、軽く100〜200は越えてしまう。日本の牛丼やOKストアが恋しい。
そんな訳で、仕事がまだ慣れていないのもあり、平日は殆どお昼を抜いて、間食にバナナばかり(バナナは安い)食べていたら、1 月でどんどん痩せていった。
音楽・映画
この時期、ずっと聴いていたPhishの曲。
農家というよりかは都会に来たはずだけど、これからますます寒くなる時期に染みた。
雑感
ニューヨークに来るのは3回目だ。けれど、何度来ても新鮮。
着いてからは、まず特に嗅覚が刺激された。
アメリカならではの甘い食べ物の匂いや、フードトラックの空腹を刺激する美味しい香り、不衛生な街の異臭が、秋を迎えた澄んだ空気でなおさら際立つ。
その次に音。
英語だけじゃなく、スペイン語など、色んな言語が聞こえてくる。
タクシーやUberの騒がしいホーン。観光客向けの音楽(JayZやシナトラ)。
行き交う人々も忙しない。みんな片手にコーヒーかスムージーなどを。
体の大きい人は殆ど飲みきっている。
ゆっくりとしているのは浮浪者。当たり前のように物乞いがいる。これが現実。
その新鮮さも徐々に日常になる。
今回は観光で来たわけではないから、実際に住むのはやっぱり違う。
どんな格好をしようが、電車で他人を気にせず電話したり、音を出して動画を観ていようが、誰も気にも留めない。
スーパーのレジ打ちも客が来なければ、おしゃべりしていたり、イヤホンで音楽を聴いたりしていて自由。与えられた仕事を最低限こなしている限りは迷惑をかけていないから。
けれど、誰かが困っていたり、傷付けられようとしている時には、知らない人でも声を掛けるし、手を差し伸べる。ごく自然と、当たり前に。
特に子供にはとても優しく、皆んなが笑顔を振りまく。
自分にはとても居心地がよく感じる。
日本との時差(夏13時間、冬14時間)は地味に大変だ。
仕事もそうだけど、日本にいる友人や家族とのコミュニケーションを取るのは簡単ではない。Wi-Fiで何でもすぐ繋がってしまう時代だけど、全てが可視化できているわけではないから、相手を思いやって、寛容にコミュニケーションをとれたらと思う。
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