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【Live Review】Vampire Weekend@ MSG〜NYの風景〜
10月の初めにVampire Weekendを観てきた。
アルバム「Only God Was Above Us」のツアーのニューヨーク公演。
Album "Only God Was Above Us"
春先にリリースされてから、ずっと聴いていたから、この日の公演を楽しみにしていた。
新緑の時期にこのアルバムを流しながら山間をドライブするのはとても清々しかったな。
今やThe Strokesの次の世代として、ニューヨークを代表するバンド。
パンクロックやUSインディーの系譜を汲んでいながらも、都会的で洗練されている点、過去からのサンプリング、多様な音楽や異文化をミックスする軽やかさ、とりわけどこまで行ってもポップであるところが、このバンドの特徴的なところだと思う。
実際に、ニューヨークの街を歩けば、ハンバーガー屋でもアパレルショップでも、ふとした時にVampire Weekendの曲が流れている。
今作のアルバムのジャケット自体が、ストリートフォトグラファーによって30年前に撮影された写真を引用しているとのこと。
そして、その写真のオマージュから始まるMVには、ニューヨークの風景がノスタルジックに映し出される。
ニューヨークでは、このアルバムのデザインを用いたメトロカードが限定販売された。
彼らにとって、ニューヨークのMSGでのライブは数年ぶりのホームタウンへの凱旋だ。
コロンビア大学で結成
Vampire Weekendは、アメリカの名門私立大学の1つであるニューヨークのコロンビア大学で結成されたバンドだ。
中心人物のEzra Koenigと旧メンバーのRostam Batmanglijはかつて、同じくニューヨークのブルックリンのバンド、Dirty Projectorsのメンバーとしても演奏していた。
Vampire Weekendの初期の楽曲でも、その独特なリズムはアフロポップからの影響がよく分かる。
こうした曲はライブだと一層その魅力をよく感じるし、楽曲に合わせて体を動かすベースのChris Baioを見るのは楽しかった。
当日の演奏について
個人的に聴けて良かった曲をいくつか。
この曲は在学中から演奏しているという。
これまでの時間とバンドの歩みを感じられる曲。
ストロークスやVelvetsのような気怠いポップ。
壮大なオーケストラからのヒップホップ的なビート。
アフロポップなリズムとボーカルが楽しい。
Vampire Weekendはアンコールでの他のアーティストのカバー(驚くほど沢山演奏する)でも有名だけど、僕が観に行った日は本編の中で、Billy Joelの"Scenes From an Italian Restaurant"を演奏した。
翌日は妻がマチネ(昼公演)に行ったのだが、その日はThe KillersのMr. Brightsideで大盛り上がりだったようだ。
90s HipHopの影響
そして、何といってもやっぱりこの曲が一番好きだ。
このメランコリックな浮遊感。
この曲は、90s Hip HopのSouls of Mischiefの曲をサンプリングしている。
もともとがサンプリングで生まれたヒップホップの楽曲を、ロックミュージックとして、 更にサンプリングして、元の曲の良さを残しつつ、こんな楽曲に昇華出来るのはオリジナルへの愛しかない。
歌詞にはUS インディーの先人、Modest Mouseの名前も出てくる。
固有名詞が沢山でてくることで、独特の世界観が生まれるのも面白いし、NYから生まれたロックやヒップホップのようだと思う。
一聴すると(一見すると)、何だか弱々しい印象を受けるけど、一貫して、パンクロックやヒップホップからの影響を感じることが出来る。
僕はこれまでもこれからも世の中を変えるのきっとオタク(Nerd)だと信じているから、極めて現代的で、とてもカッコいいアプローチだと思う。