【Live Review】 Owen@The Sultan Room,Brooklyn
ニューヨークはようやく本格的に暖かくなってきて、少しずつ春から夏に向かおうとしている。人々の装いも軽くなった。
日本はGWの中、こちらは平常運転。
仕事終わりに、OwenことMike Kinsellaを観て来た。
Mike Kinsellaについては、今更僕が語る必要も無いけれど、90年以降複数の伝説的なバンドと、2000年代から始まるこのソロプロジェクトでUSインディーを牽引し続けている人です。
この日は、4月下旬に発売された、Owenとしては4年ぶりの新作「The Falls of Sioux」のリリースツアー。
場所は、BrooklynのThe Sultan Room。
14StのUnion SquareからLラインに乗って、Jefferson Stで降車。
何度か行ったことのある、Brooklyn Madeもこの近く。
ナイトクラブやバーが固まっていて、この辺りにはMuralやグラフィティ・アートも沢山ある。
夕暮れ時は賑やかだけど、夜が深まると、ちょっとおっかない。
ネズミも見かけるし、明らかに薬をやってそうな人もいる。そんな場所。
初めて間近で見るMike Kinsellaは、とても穏やかで、聡明な印象を受けた。
途中のMCではボソボソとジョークを交えつつも、
演奏を始めた途端に、一瞬で空気が変わる。観客は引き込まれる。
ギターの音色と声だけ。
だけど、全然それだけではない、美しさと深みがあった。
飾り気の無いMikeが創り出す、内省的で力強い音楽。
まだ大学生で、時間がいくらでもあった頃に夢中で聴いていた音楽は、今でも最高だった。
新しいアルバムの中では、このVirtue Misspentが素晴らしい。
Polyvinylのインタビューでは、Mike自身が、このビデオが、人生の過程で沢山過ちを犯した自分自身へのオマージュだと語っている。
このタイミングで、新しい挑戦を決意した僕には、かなり響いた。
さてさて、また走り出そうかと思う。
(余談だけど、この曲のアウトロには女性のポエトリー・リーディングがある。日本での最後の夜について語っているようで、特に「ビールください」はなかなか秀逸、というか全く気付かなかった)