春がきて【2021/03/27】
船にのって陸を数日あけていたら、職場の近くの桜が咲いていた。
39度の高熱に冒され、ようやく重たいからだを引きずって外へ出ると小学校の桜は満開になっていた。
大正時代から続いているという、営業しているのか怪しい蕎麦屋には新たな貼り紙。店主の他界と、長年の贔屓を感謝するものだった。結局営業しているのかは怪しいままだ。
寺の猫は不在で、いつもの定位置にはセメントか何かの入った袋が置かれていた。カメラを持ったおじいさん数人は各々に別々の桜に向けて無心にシャッターを切っていた。
病が癒えたとはいえ、まだ体は重い。
横断歩道をすれ違う歩きスマホの女性がとても素早く感じられた。