この世界に|つぶやき
なにひとつ
争いが
起こったことのない世界に
生まれてきたかった
誰ひとり
死んだことがなく
離別の悲しみを
経験したことのない
世界がよかったの
そうしたら私は
心塞がれることもなく
希望の虹だけを見て
快活に生きていけただろう
悲しい出来事が
起きたとしても
立ち上がって前を向き
力強く歩いて行けたはず
何千歳も歳をとった
老婆のような気がするのは
人間の歴史が長すぎるから
だだっ子みたいだから
過去を塗り替えたがるのは
やめておくけれど
世界中
ひとり残らず
幸せでなければ
私たちはきっと
本当には
幸せに
なれないね
・・・・・・・・
ひとりで抱えきれるはずのないものを抱えようとしたら、その人は発狂するか詩人になるか、どちらかしかないのかもしれない...と、たまに思う。
(思考をセーブできる私は、幸福なる凡人です。)
このつぶやきを書き始めたのは先月。ヒロシマのことを書いたあと、時折ふと思い出す(後日またあらためて言及予定の)ル・グウィン『オメラスから歩み去る人々』も連想されてきて。
でも、どういう空気感の時に掲載したら良いのかわからなくて、眠りに就かせていたのです。
(詩は叫びだ、というひともいるから、急に叫びたくなった...という理由でもいいのかもしれないけれど)
今日、麻衣です!さんの記事を読んでいて、そこに書かれていた物語詩(というよりスケールとして叙事詩)が、同じ源からでてきているように思ったので、流れに棹をさして掲載する次第です。
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