時の雫|詩
きみは今日も
琥珀色の涙を流してる
きみが過ごしてきた
時の香りさえ
感じられる気がするのに
どうしていつも横顔なの
その結晶に封じ込めたものは 何?
死にたいわけじゃない
でも
生きていたいということでもない
ただ
白昼夢に 移ろいながら
いつも《永遠》にふれていたい
それだけ・・・って
きみは云う
だけど
《永遠》なんて
触れられない痛みに
流した涙のなかにしか
形を結ばないものだよね
って
ぼくは答えてみるけれど
ああそうだ
どこにも着地せずに
あの空のような
混じりけのない青の中を
どこまでも
落ちていく
ひとすじの銀色の雨になりたい
それが叶うなら
たとえきみと一緒じゃなくてもいいと
そんなことを
ちらりと思いながら
もうずいぶん冷えてきた大気と
冷たい星影に震えて
雪を待つ街角で
やっぱり君の手をとって
コートのポケットであたためてみる
夜の果てしなさが
教えてくれる
きみと響き合う
ぼくの鼓動の確かさを
一瞬の
時の雫に
結び変えながら
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