「団地のふたり」~キラキラしていないその後の人生~
NHKで9月1日からスタートした「団地のふたり」というドラマ…いいですよ。
妙齢の私には共感できることが多く、刺さりまくっています。
主演は往年のアイドルの小泉今日子さんと個性派女優の小林聡美さん。
私は昔から小林聡美さんの大ファンなので、彼女の出演している作品はほとんど見ています。
「かもめ食堂」や「パンとスープと猫日和」など、何気ない日常を淡々と描く中にほのぼのとした温かさをじんわりと感じられる…そんな彼女の演技が大好きです。
…でもって、この作品もそんなテイストで、淡々とした日常がつづられています。
伏線回収もなければ、刺激的な展開もありません。
そこがいいんですよね…。
凡人の人生も、だいたいピークは20~30代ぐらいに訪れて、その後の人生は若い頃にあった出来事の「その後」…童話で言うところのハッピーエンド(時にはバッドエンド)の「その後」なのです。
私も今、「その後」を生きています。
この二人はピークの後に「離婚」「出戻り」があり、大学講師のキョンキョンは昇進をあきらめ、イラストレーターの聡美さんは「イラストレーターとしての需要の低下」など、厳しい現実を経験して、生まれ育った団地で淡々と生活しています。
でも、なぜか彼女たちは幸せそう♪
親友がいて、丁寧な生活をして、ありのままの自分でいられる心地よい居場所がある。
それがどんなに尊いことかが分かれば、私の日常も悪くないと…と背中を押された気がしました。
こういうドラマ、もっともっと作ってくれないかな…。
日本人のほとんどは、老後に片足を入れているのですから…。