深夜、バスに揺られて

高校生の頃、JRバスが好きだった。

そんなことをしみじみと思い出す、バイト帰りのJRバスの車内。

高校生になるまでは、JRバスに乗る機会は少なからずあったけれど、バスを毎日利用するわけでもなく、たまには中央バスに乗ることもあった。JRバスにこだわりはなかったのだ。

高校に入ってから、バス通学が当たり前になった。初めてバスに乗って通学をするときは、ただそれだけのことなのに無駄に緊張したりした。今ではその緊張感も懐かしい。

毎日同じバスに乗っていると、自然に愛着が湧くものだ。いつも同じ車内アナウンスの女性の少し高い声、カードを通す機械のデザイン性の高さ、低めに備え付けられた荷物置き場、広さにゆとりのある車内、そしてJRバスにはなくてはならない色、ブルー。

JRバスの全てが気に入っていた。大学に入ってからは通学手段は中央バスになったが、最初は嫌だった。同じバスに見えても、実は結構違う。

車内アナウンスの声はもちろん違う(JRバスの声よりも少し低め)し、中央バスは荷物置き場が高い位置にあることが多いし、そこら中に張り巡らされたバーのオレンジ色は少々奇抜だ。

今でも、出来ることならJRバスに乗りたいと思う。乗る予定の終バス(中央バス)に乗れなくて、210円払ってまで乗ったJRバスは、いつもと順路が違ってバスにいる時間が長いから、さらに嬉しい。そして、ほっとする。

中央バスを好きになる日は来るのか…はたして。

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