まっさかさま

夫がバグって52歳で人生がけっぷち女の独白2

うちの夫は私から見れば、思考も行動もまったく見当つかない宇宙人のような人。
ただでさえ宇宙人な夫は、バグるのがこれで2度目。

1度目は牛乳販売店をはじめてたしか2年目だった。
脱サラして何もかも新鮮でやる気に満ち溢れた夫は、まだ牛乳業界の右も左もわからないけど地元の牛乳販売店が集まる会の副会長をいきなり引き受けてきたのだ。
子供の頃からいい子で真面目だった夫は、自由で個性的な経営者に影響されて、30代ではじめてお姉さん方のいるお店で遊ぶことを覚えた。
そして店の経費で飲み歩く楽しい世界を知って、はまって、そしてバグった。

仕事の手抜きがはじまり、やるべきことを後回しにしたり、期限を守らずチームワークが必要な仕事にも支障がでるようになった。
自制心というストッパーが完全にイカれていた夫には、話し合って解決するというまともな手段も通用せず、当時の苦しさは今も思い出したくないくらいだ。
「定期的に破滅的な方向へ自らすすんでしまう性質」をもっていることをあのときに見抜けなかった自分の間抜けさに腹が立って仕方がない。

今回の夫のバグでは、子どもたちとわたしは目の前のレールが突然消えて急降下することになる。


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