ラテン音楽とは何か? エクトルラヴォー
Hector Lavoeはかなり重要なアメリカサルサ歌手。何とも言えない憂いのある声で、”La Voz”、”El Cantante”。サルサの声、サルサの歌手と言われた。
プエルト・リコからアメリカへの移民で、ウィリーコロン(前に書いた)のバンドのボーカルとしてメジャーデビューとなった。
古いラテンから脱却して、ファニアレコードレーベルの大人気者になる。
ウィリーコロンが成功したのも7割以上はこの人のおかげだと言っても過言ではない。ツェッペリンのロバートプラントだと思ってくれればいい。見た目はショボいけど。日本人には親近感があるのでは。
ウィリーコロンのバンドを離れてソロになってアメリカラテン界では絶大な人気者となる。ファニアオールスターズのヤンキースタジアムライブでトリをつとめたパフォーマンスはアメリカラテンの絶頂期だった。
ソロアルバム「La Voz」、「De Ti Depende」、「Comedia」を聴いたことがない人は今すぐに何回も聴かなければならない。
このソロアルバムは今でもサルサの教科書だ。
彼を象徴する曲。El Cantante。
ここからが切ない。もともと素行が悪かったが、70年代終わりになると輪をかけてクスリにはまるようになる。ウィリーコロンとも喧嘩をして見放され、もちろん仕事もできなくなり、人気も落ち始める。
しかもさらにまずかったのがクスリの回し打ちが原因でエイズになってしまう。本人ももう助からないということで飛び降り自殺をするが、自殺失敗。ボロボロの中でやがてエイズで死ぬことになる。「水をくれ」が最後のステージ上での言葉だったとか。
10年前くらいにジェニファーロペスとマークアンソニー(ジェニファーの元旦那で人気ラテン歌手)はラヴォーの伝記映画を作った。
まあ何でもいいけどとにかくこれを聴かないと何もはじまらない。レジェンド中のレジェンドだ。
おしマイケル。