2月25日
私は29歳になった。
2月に入ってから、恋人と別れ、仕事は忙しくなり残業の日々。そして大好きな祖母が弱っているので今のうちに会っておいて欲しいという悲しすぎる知らせを受けた。
2月は私の誕生日があるのに、どうしてこうも辛いことばかりなのか。
なんだか毎日何かが足りなくて、悔しくて、悲しくなった。でもそれを忙しさが救ってくれていた。仕事をしていれば、仕事のことしか考えなくていいので楽だった。
そんな中で迎えた誕生日。大切な家族や数少ない大好きな友人、職場の人からも祝福の言葉をもらった。
辛かった2月だったけれど、生まれたことを祝福してもらえるのは本当に嬉しくて幸せだった。
辛いことが続いた日々の中でも、幸せを感じる瞬間は必ずあるのだと思えた。
そして誕生日の翌日、1番大切にしている友人に会い、誕生日を祝ってもらった。私のつまらない愚痴をずっと真剣に聞いて、共感してくれた。
こんなに素晴らしい人達が周りにいる。私なんかを祝ってくれる。そう思ったら頑張ろう、人の優しさに感謝しようと思えて、辛いことが少しだけ力に変わった。
苦しかった2月。忘れていたけれど、私は本当にたくさんの素敵な人達に支えられて、幸せをもらって生きている。少なくとも28歳までも苦しいことは少なくなかった。その28年間も周りに人がいてくれたから生きてきた。
だから29歳は人の優しさを忘れない。感謝を忘れない。そうやって生きていく。
そしてもう1つ不思議な変化があった。25歳あたりからアラサーという言葉に呪われて、若さを失うことが怖かった。30歳になることに焦燥感を感じて歳をとることが嫌で嫌で仕方がなかった。しかし29歳になった今、不思議と急にそんな呪いから解かれて、30歳になることが楽しみになった。歳をとることに抗う術はない。けれどいくつになっても自分は自分だ。どんな30歳になるかは、自分次第で自由だ。私は私が望む30歳になりたい。
私は自分があまり好きではない。それでも私を大切に思ってくれる人がいるから人生を大切に生きていきたい。人の優しさに感謝して、なりたい自分になるための努力をして生きたい。大切なものを大切にする。
私の誕生日は素敵な日だった。
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