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アイスランドとOlafur Eliassonのデザイン("Abstract"より)
"Abstract"はNetflixのシリーズのひとつ(リンク先はYouTube)。
このシリーズはデザインのものの見方を扱っていて、いろいろなデザイナーが出演している。シーズン2、エピソード1ではオラファー・エリアソン (Olafur Eliasson)が特集されている。アイスランドのコンサートホール「ハルパ(Harpa)」の設計にも携わっているようだ。
Wikipediaによれば(2019年11月15日)、
1989年から1995年まで王立デンマーク芸術アカデミーで学ぶ。現在はベルリン在住。作品は移設可能な装置であることもあるが、大半は設置場所に応じた(サイト・スペシフィックな)インスタレーション作品が多い。自然現象や建築物に大きな興味を持ち、時には機械等も用いて自然現象を思わせる空間を作り、鑑賞者の視覚や認識を揺り動かすことをねらってきた。
とのこと。
Netflixでのエピソードでも、たびたびアイスランドの風景が彼とともに映し出され、幼少期からいくらかの時間を過ごしてきたアイスランドが彼のアイデアの源であることが伝えられる。例えば彼はアイスランドの滝のひとつに目を向ける。水が高い場所から流れ落ちる現象に着目した時、それはひとつのスケールとして役に立つという。水の流れを追うことで、私たちは水との距離や水が流れ出る幅や高さを憶測する。そのうえで彼はその滝を、ブルックリン橋で再現する。すると、人々は滝とそこから流れる水をスケールに橋や風景を知覚するという。
レイキャヴィークのハルパもまた溶岩が急速に冷却され柱状になったものが発想の源になっているそう。個人的な印象だけど、そうした「自然」に学ぶ姿勢から杉浦非水が頭に浮かんだ。分野も時代も異なっているけれど…。
とにかく、そうした観点でアイスランドの風景を眺めるのは興味深いと思った。アイスランドの音楽が何らかの仕方で独特であると、ときおりブログなどで書かれているのを見かけることがあるけれど、アイスランドの「自然」はそうした人々の尽きることなき発想の源泉なのかもしれない。