キャリアポルノ
2019年の記事だがVOGUEオンラインに面白い記事があった。(日本語リンク https://www.vogue.co.jp/lifestyle/article/2019-09-26-social-media-burnout-cnihub) 私たちの世代の多くの人は常にソーシャルメディアと接して生活しているが、SNS上に蔓延るキャリアポルノについて、私は特に意識したことがなかった。私のSNSのアカウントには四六時中キャリアポルノが流れているというのに!
キャリアポルノは読んで満足するだけの自己啓発本のことを指すらしい。実際にInstagramのおしゃれ写真にもキャリアポルノや非現実的なキャリア志向の投稿は溢れている。若くして成功している経営者、「仕事のモチベーション」としてのブランドバッグやジュエリーの購入報告、贅沢な海外旅行などなど…そもそもSNS上の投稿には見栄や虚構が大いに含まれているとはいえ、キャリアポルノは特に焦燥感を掻き立てるだろう。「こんな風に仕事をして稼いでいる人がいるのに私は何をやっているんだろう」といった具合に。
実際、東京のナイトシーンでは若い経営者に頻繁に遭遇する。友達の働くバーに行けば、大抵私と同世代の社長や、もう少し年上の社長たちに出会う。それだけでなく、東京は「何をしているかわからないけれどお金を持っていそうな人」で溢れている。SNS上にはキラキラのルーフトップバーでお酒を嗜む若き美男美女ばかりだ。
ロケーションを欧米圏に変えてみても、SNSはキャリアポルノで溢れている。#girlboss #motivation 沢山働いて稼ぐことを促すハッシュタグはいくらでもある。
でも、若くして成功している人々は現実にどれほどいるのだろうか。東京の最低時給はイマイチ上がらないし、年金や保険料の負担も高い家賃ものしかかってくるというのに、多くの人がSNS上のキャリアポルノのレベルの生活を送れるとはとても思えない。お金を稼ぐ労働は大切だが、労働すればするほど、お金を稼ぐことがどれほど大変かわかってくるだろう。多くのキャリアポルノが謳うような成功者のイメージに非現実的な部分が多いことは、否定できないだろう。
ただ、方向性に見合った努力を続けていれば、自分のキャリアを積み上げることができるのもまた事実だろう。例えば、私は6年間続けている語学学習が、仕事のきっかけやキャリアアップに繋がってきた。自分のやりたいことに近づくための努力は、きっと何らかの形で仕事に結びつくのではないかと私は思っている。しかしどんな事でも、簡単に成功は収められないだろう。そこには着実な努力や自分の実力の確認作業が繰り返し必要になってくる。
私は、朝起きてSNSを開く度、無意識に目に入るキャリアポルノに焦りを感じてきた。それがキャリアポルノであると認識もせず、ただ「自分は何をしているのだろう」と焦燥感に苛まれてきた。そういうときは、外に出て、陽を浴びて、散歩をしてみよう!一度頭をリフレッシュして、またのんびり自分のペースで1日を始めればいい。キャリア形成は私も常日頃一番考えるテーマだが、仕事が人生の全てでもなさそうだ。自分の趣味や人間関係も、仕事と同じか、寧ろそれ以上に大切な物だと思う。キャリアポルノに行き詰まったら、素敵なカフェでも探しにお散歩に出るのはどうですか🕊️
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