紫の光を見た
はじめに
2022年9月23日 にOSAKA BIG CATにて、PURPLE KISSのライブ「PURPLE K!SS JAPAN PREMIUM SHOWCASE 2022 〜紫〜」が開催された。私は第1部に参加することができた。ライブに参加する経緯や感想、それぞれのメンバーの印象などを書いていきたい。また前回のムンビョルのライブについての記事と同様に、記憶が曖昧だったり、時系列がバラバラだと思われるがご了承いただきたい。また、PURPLE KISSのことについては、まだ知らないことも多く、もし誤っていることなどがあればお知らせいただけると幸いである。
PURPLE KISSについて
内容に入る前にPURPLE KISSについて紹介したい。PURPLE KISSはMAMAMOOの所属するRBWから、2021年デビューした韓国のガールズグループである。パク・ジウン、ナ・ゴウン、ドシ、イレ、ユキ、チェイン、スアンの7人で構成されている。
グループ名のPURPLE KISSは、「様々なカラーが混ざって作られた紫色のように、各メンバーの様々な個性が集まって作られた音楽を意味する『パープル(Purple)』と、様々な物語の中で愛の力を表現する時に使う題材である『キス(Kiss)』の合成語で、紫色のように多様な音楽を通じて多くの人に愛を伝えるという意味が込められている」(“MAMAMOOの妹分”7人組ガールズグループPURPLE KISS、今年下半期にデビュー!日本人メンバーも所属 - Kstyle)という。
全員が優れたボーカルやダンスの実力を持っており、さらには作詞・作曲や振り付けに参加するメンバーもいるなど、デビュー時から注目を集めていた。
私自身は主にMAMAMOOを追っているが、後輩であるPURPLE KISSがすごいらしいという噂は、彼女らのデビュー前から私にも届いていた。1st Mini Album『INTO VIOLET』に収録されている「Ponzona」のミュージックビデオは衝撃的で、ダークな雰囲気や、ボーカルやダンスのレベルの高さに驚いた。以来、アルバムが出るたびに曲を聴いたり、タイトル曲のミュージックビデオを見たりしていた。
(デビューに対するものすごい意気込みを感じたMV)
ライブまで
来日公演をするという話は知っていたのだが、その知らせを聞いた当時の私は多忙を極めており、あれよあれよという間にその申し込み期間が終わっていた。その後MAMAMOOのメンバーであるムンビョルの来日ライブがあった。その時にライブの楽しさ、熱狂、興奮、そしてそれを共に分かち合える喜びなど様々な感情を味わい、機会があればPURPLE KISSのライブにも参加したいと思うようになった。私はライブの味をしめてしまったのだ。
その後運よくチケットの申し込みに関する新たな知らせがあり、チケットを購入した。まだ見ていないコンテンツもあったため、急いで予習をしているうちにあっという間に当日が来た。
ライブ当日
会場の最寄り駅で、MAMAMOO界隈で出会ったオタク仲間と待ち合わせし、韓国アイドル御用達(?)のラーメン店・一蘭に行った。その後、道頓堀のあたりをうろつき、ついでに先月大阪に滞在していたムンビョルの聖地巡礼もできた。
ライブ会場が入っているショッピングモールには一度訪れたことがあり、今回はあまり迷わずたどり着けた。ハロウィンの時期ということで、ショッピングモールはハロウィンの飾り付けがされていた。エレベーターやトイレまでもハロウィン仕様になっていて驚いた。オタク仲間と歩いていたとき、PURPLE KISSはダークなコンセプトや、ゾンビとかが出てくる楽曲が多いことから、年中ハロウィンだよね、という話をしていたので、もはや建物の外やエレベーターまでもがPURPLE KISSのライブ会場か?と思った。
(ショッピングモール、こんな感じだった気がしてきた)
会場入口横の階段に並び、ついに会場に入ることに。私は後ろから3~4列目という後方の席だったのだが、会場自体の規模がそれほど大きくないためか、あまりステージが遠いとは感じなかった。同じ会場に入っていた仲間たちとTwitter上で会話しながら待っていると、会場が暗くなって公演が始まった。
スモークがたかれたステージにスポットライトが当てられ、メンバーたちの姿が見えた瞬間、やはり「本当にいるんだ!!」と思った。画面越しにしか見てこなかった7人が同じ空間にいて、自分の目で見ることができていることが感慨深かった。「Intro:Crown」から「Ponzona」の流れはまるで彼女らの名刺代わりのパフォーマンスのように思えた。スクリーンの映像などがなく、スモークと照明のみの演出だったこともあり、とても幻想的な雰囲気で、PURPLE KISS の楽曲に合っていたと思う。
その後、数曲パフォーマンスしてから自己紹介コーナー、また数曲してから質問・抽選会を挟んで数曲、そしてアンコールという流れだったと思うが当日は興奮のあまり、詳しい流れを覚えていない(すみません……)。以下、特に印象に残ったことを挙げていきたい。
全てのパフォーマンスにおいて本当に自信にあふれていたと思えたが、特に、「Intro:Bye Bye Bully」からの「Nerdy」は特に自信に満ち、そして大盛り上がりだった。
彼女らの経歴から察するに長く練習生だったりなど、下積みが長いだけあって安定感があり、本当に実力者の集まりといった感じだった。ボーカルといえばスアンのイメージが強かったのだが、全員歌がうまくて、口から音源、いやそれ以上だった。ステージの上でより輝きを放つ人たちだなと思った。体の芯が震えるほどの大きな重低音と、美しい歌声を浴びて、ものすごい健康になった気がする。これぞライブの醍醐味。
後半に家入レオの「君がくれた夏」を披露してくれたのだが(歌詞は日本語!)、昔よく聴いていた曲だったので懐かしいなと思った。日本出身のユキが元々好きな曲で、メンバーの声に合うんじゃないかと思って選んだとのことだった。まさに夏の終わりにぴったりな曲で、一生忘れられない夏になったなと思った。
曲の終盤で、PLORY(PURPLE KISSのファンの呼称)たちがスローガンを掲げたときユキが泣いていて、他のメンバーも驚いてお互い顔を見合わせるなど、各々の素直な反応が見られた。
入場時に全員に配られた、紫色のサイリウムが揺れる光景が本当に美しかった。終盤にはメンバーたちも手にして一緒に振っていた。照明が落とされて真っ暗になったときに、メンバーが口々にきれい!(しかも日本語で)と言っていた。
終盤の終盤の挨拶ではメンバーたちが、今日を楽しみにしていました、私たちも楽しかった、幸せだったと言っていたことが印象的だった。私自身も本当に楽しかったが、本人たちも楽しくライブができたとのことで嬉しかった。トーク中もパフォーマンス中も、PLORYと積極的にコミュニケーションを取ろうとしてくれていた姿も心に残っている。
ライブが終わったあと、「この後のお見送りですが……」というアナウンスがあった。てっきりアンニョン会のようなCDの購入特典だと思って聞き流してしまった。しかしこれは会場を出るにあたり全員に課せられた試練だったのだ(違う)。
列になって前の人に続いて会場を出ると、7人がずらっと並んでPLORYたちを見送っていた。アイドルがこんなに近くにいた経験など今までになく、私は動揺してしまった。自分の小さな体をさらに小さくして「ありがとうございました…」と言って手を振りながら足早に去ってしまったのだった(次に会う機会があれば堂々と手を振ったりしたい)。
入口付近でオタク仲間を待っていたところ、泣きながら出てくる人もいて「わかるよ……」と思いながら眺めていた。その後は仲間たちと余韻のあまり長時間立ち話をしたりして帰路についた。語り合える仲間がいる喜びよ…。
それぞれの印象
ジウン
常にニコニコしており、陽の気が放たれているように思えた。特に自己紹介や質問回答などのトークコーナーでは、本当にずっと「😄」(笑顔の絵文字)の顔だった。MCの方が「ジウンちゃんのこと見ちゃうんですよね」と言っていたのがよくわかる。私もずっと眺めていた。その明るさは彼女の周りにだけ花が咲いているのではないかと思えるほどだった。
トークコーナーでは、一生懸命全部日本語で話そうとしてくれていたので驚いたし、実際に話せていた。寮で熱心に日本語を勉強していたそうだ。「いつ日本に来ましたか」という質問に、「おとといの前の日」という日本語話者も使いそうな自然な言い回しをしてPLORYたちを驚かせた。
パフォーマンスでも楽しそうな様子が伝わってきたが、曲によってはスッと切り替わってクールな目つきになったりして驚きだった。
ゴウン
佇まいや歌声に隠しきれないエレガントさを感じた。本当にきれいな声で(もちろん全員きれいな声なのだが)、そしてよく通る。スコーンと頭に響いてきた。特に memeMの高音では思わず目を閉じて天を仰いでしまった。
あいみょんが好きとのことで、あいみょんのマリーゴールドを歌ってくれた。「雲のような優しさでそっとぎゅっと 抱きしめて 抱きしめて 離さない」のところをたぶん歌っていたと思うのだが、その優しい歌声に、まさにゴウンのが雲そのものだなと思った。
自ら「ペンオタ」と呼んでほしいと言い、その名をほしいままにしていた。サービス精神が旺盛で、抽選でプレゼントされるトートバックには大きくサインを書いていた。
(過去のコンテンツでも「マリーゴールド」(5分12秒~)を歌っている)
ドシ
随所に余裕感がにじみ出ており、凛としていた。自己紹介や質問の時も、冷静に質問に答えていてかっこいいなと思った。長くて綺麗な髪の毛までもコントロールしているのではないかという身のこなしだった。表情管理もすごくて、見ていて畏怖を覚えるほどだった。一方で、覚えた日本語が「手伝ってください」らしく、PLORYに早速助けを求めている様子が愛おしかった(PLORYたちが挙手していた光景も)。
また、質問コーナーでは「5人のイレちゃんか5歳のイレちゃん、過ごすならどちらがいいか」という質問があった(やや文言は異なると思うが内容はこんな感じ)。これに対してドシは「5人のイレ」と答えた。その理由が「エネルギーをくれるイレが5人いることで5倍のエネルギーになる」とのことだった。5歳は大変だよと言うかと思いきや、真摯かつポジティブな回答がきて、温かい気持ちになった。
イレ
とにかく弾けていて、元気いっぱいだった。自己紹介で「PURPLE KISSのエネルギーです」「メンバーにエネルギーを与える存在です」(詳しい文言を忘れた)と言ったり、メンバーに言われていた。ダンスのキレがとてもよく、動きも大きいので、パフォーマンスにもエネルギッシュな一面が出ていると感じた。
食べ物の話を楽しそうにする姿を見て、食べるのが大好きなんだろうなとも思った。これからもおいしいものたくさん食べて健やかであれ……(他のメンバーもみんな食べるのが好きな気がする)。
まさにエネルギーの塊で、踊ることが好きという気持ちや、彼女の元気いっぱいな性格がダンスに出ている気がした。そんな姿がメンバーにいい影響を与えているのだろう。
ユキ
唯一の日本出身のメンバーということで、日本語を話すメンバーが困ったときにさらっとカバーしたり、微笑みながらメンバーを見守っていた(韓国出身のメンバーたちは日本語が上手なのでお互いにカバーし合う場面も多く、ユキ一人に負担がかかっているわけではなさそうで安心した)。
ユキはメインラッパーで、ラップのときに前に出てくるのだが、その瞬間に会場がユキのものになるというか、彼女が空間全体を支配している、と思った。これがスーパー小雪タイムか…(?)と思った。(彼女の本名は毛利小雪)。
その鋭い目つきやラップに圧倒される一方で、パフォーマンス以外のときには意外にもおっとりしており、友達か?と思わせるような親しみやすさを感じた。
自己紹介の際に、2018年に渡韓して、ラップがかっこいいからやってみたいと手を上げたと言っていて驚いた。相当努力したことがうかがえるスキルの高さだった。
チェイン
最新アルバムのタイトル曲である「Nerdy」のミュージックビデオを見て、急に気になり始めたメンバーで、それ以来ひそかに注目していた(金髪の人)。
ダンスには力強さがあり、フィジカルが強そうな印象を覚えた。声が特徴的で、個人的に好きな声質であったことや、声量がかなりあることからも印象に残りやすかった。
盛り上げ隊長といった感じで、冒頭の自己紹介では「ウェーブがしたいです!!」と高らかに言い、ステージを駆け巡ってPLORYたちを盛り上げた。そして日本語が本当にうまくて、ほぼ通訳なしでMCの方と会話していたので驚いた。
帰りのお見送りでは、バチっと目が合ってしまった。いや、私がチェインを見る前からすでに私を見ており、合わせにきてくれたと言った方が的確だろう(今や本当に目が合ったのか自信はないが、合ったことにしておく…)。パフォーマンス時も含め、もしかして意識してこちらを見るようにしているのではないかと思い、アイドルとオタクの非対称性を自ら崩しにくるアイドルがいるんだ…と驚いた。自己紹介で言っていた通り(文言を詳しく覚えていないが)、チェーンのように一度捕まると逃げられない魅力があり、私はどうやら彼女に捕まってしまったようだ。
スアン
以前から声がきれいだなと思って聴いていたが、実際に聴くと本当にきれいで、声が透き通っていた。宝石のように輝いていると思った。うっとりしながら彼女の歌声を聴いていた。
最年少メンバーということで可愛がられていることがうかがえつつ、質問の受け答えからは、しっかりしているという印象も受けた。家では長女だそうで、妹に「お水Please」と言って水を持ってこさせたというエピソードを披露していた(意外)。
ウィスパーボイスで歌うところがあり、思わず目を閉じ、胸を押さえながら聴いてしまうことが何度もあった。特に「memeM」の「Look my eyes Deep inside Out of control」の部分が好きで、心の柔らかいところに触れられた感覚を覚えた。本当に稀有な歌声だなと思う。
(1分20秒あたりが該当箇所)
おわりに
今回ライブに参加してみて様々な感想をもち、とりとめもなく書いてみた。彼女らの、歌うことや踊ることが楽しくて仕方ないという瞳が忘れられない。普段の様子も含めて、よく歌い、よく踊り、よく笑い、よく食べ、のびのびと活動を楽しんでいるのが伝わってきた。本当にキラキラと輝いていた。ずっと歌うこと、踊ることが楽しいと思ったままで、ステージに立っていてほしいなと思う(エゴ)。これからものびのびと健やかに活動してくれたら嬉しい。やりたいことを全部やってほしいと思うし、それを応援したい。
名前の由来の通り、様々な個性が集まって一つのグループを成しており、まさに私は紫の光を見た。これから彼女らはどこまでも行くのだろう。今回は初の海外公演で、ここから伝説が始まると勝手に思っている。その始まりの瞬間を目撃できて嬉しい。これから紫の光が照らす世界を見るのが楽しみだ。
※加筆・修正あり
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?