金子飛鳥 LIVE 9月 with 新谷祥子 フクモリ 2013.09.05.
会場のフクモリは馬喰町にあるカフェ兼定食屋。ということで、ライヴには食事がつく。美味しかったです。
ライヴ前の食事は楽しめたし、二人の共演を観るのは今回で3度目なのでリラックスしていたつもりだが、照明もないし演出もないし、それこそお客さんもその場ではむき出しになるというか、何も隠せるものなどないといったいつものライヴとは雰囲気が違うので、始まる寸前は、何だか緊張していた。
ステージ…というかお店の角に楽器(マリンバ)がセッティングしてあるだけ。あとはヴォーカル用の簡単なPAシステム…というかスピーカーがあるだけ。シンプルという言葉以上にシンプル。楽器は生音だった。
飛鳥さんが「普段はここで演るときはマイクを使わない」と言っていたが、マリンバの生音には、やはり生の声はどうしても負けてしまうので、今回はマイクを使うことにしたそうだ。まぁ、ヴァイオリンとマリンバのインストなら問題はないのである。しかし、彼女たちは歌うのである。それもバッチリと歌モノを演るのである。だからもちろん、マイク使用は大正解だったと思う。
以前もここに書いたけど、僕の友人がマリンバの弾き語りというスタイルを理解できなかったように、ファン以外にはなかなか想像ができないのが、新谷祥子の音楽スタイルだろう。何度そのライヴを観ても独自の世界だと思うし、その世界に慣れるまで、人によっては時間がかかると思う。僕も初めはそうだった。しかし慣れてしまうと、ハマッてしまうと抜けられないのがマリンバ弾き語りなのだ。
一方の金子飛鳥。そのヴァイオリンの素晴らしさは言うまでもないだろうけれど、彼女も弾き語りとは表現していないが、歌うのである。しかも、そのヴォーカルは本格的に素晴らしいから困る(←褒め言葉だ)。こんな二人の音楽を、この日もバッチリと堪能させてもらった。セットリストは、過去のレパートリー+αといったメニューだった。
※「ラテン・ドレス」という新谷さんの新曲が披露された!
ところで、聴きなれていた曲が多かったことであらためて気づかされたことがある。それは、3回目にしてやっと二人の音を冷静に掴めたなぁ…ということだった。これまでも自分なりに接していたつもりだったけれど、やはり音を追うのが精一杯で、圧倒されていたのだと思う。それがバラードであっても、誰もが知る有名曲であっても、必ずそこに前衛的な色が出るし、だからこそ気を抜いて聴くことができない。きっと無意識に強く集中してしまうのだろう。
アンコールで演奏されたOZの「空へ」は、僕は大好きな曲で、春日博文のギターを含め、あの曲にはあのアレンジしかないと思っていた。しかし、金子飛鳥と新谷祥子による「空へ」は、マリンバとヴァイオリンによるハードロック・ブルースなのである。こんな風にしか書けないのだが、そんな音なのである。カッコイイよ。
約1時間半のライヴだったが、聴きごたえはじゅうぶん。素敵な時間を過ごすことができました。
P.S.
ライヴ以外でも二人の共演を聴いてみたいな。MCで触れられていたように、まだ先のようだけれど、それでも準備が進んでいるという新谷祥子の新作では、きっと金子飛鳥のヴァイオリンが聴けることだろう。今から楽しみ!<2013-09-06 記>
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