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浜田真理子 with MARINO / 原田郁子(クラムボン) SHIBUYA CLUB QUATTRO 33rd ANNIVERSARY 2021.06.22.
昨年12月以来の東京公演。ワンマンではないが、生のライヴは嬉しい。
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会場は渋谷クアトロ。開場時にはコロナ禍での独特な雰囲気はあったが、席に着き、少し落ち着いて周りを見わたすと、この場への帰ってきた感がすぐに生れたように思う。思えば、最初に真理子さんのソロ・ライヴを体験したのがここだった。そんなことを含めて開演前には、僕と浜田真理子の原点に戻る感覚があったなぁ。
配信のアーカイヴもじっくりと見返した。
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まずは原田郁子のソロ・ステージ。ピアノがメインではあったが、途中でオープン・チューニングのギターで歌われた曲がよかった。ピアノは鍵盤を弾くだけでなく、ボディを叩いて歌うなど、視覚的にも楽しませてくれた1時間だった。
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「水の都に雨が降る」のイントロが鳴った瞬間、自分の中のネガティヴな感情がすべて吹き飛んだ。続く「流れ星」が歌われていたときには、もう、2019年以前の自分に戻っていたと思う。あとはラストまで、ハマダマリコを存分に堪能した。
カヴァーとオリジナルが半々の定番メニュー。そんな中、コロナ禍での自身を反映した新曲「風待ち」が印象に残る。船が順風を待っていることに自分の今を重ね合わせたのだろう。個人的でありながらも、誰もが共感できたのではないか。早くみんなに風が吹いてくれることを、この曲と共に僕も願いたい。
この日は沖縄慰霊の日の前日。MARINOが加わって最初に演奏されたのは、「とうがにあやぐ」という宮古民謡だった。このような、事柄に音楽が加わることで生れる、聴くことだけではない独特な感覚も、生のライヴならでは…だ。
ラストの「夢の中で泣いた」は心にしみるセッションで涙が出た。ライヴという場で音楽を聴き、触れ、感動し、楽しむこと。こんな当たり前のこと。そして今では " 当たり前だった " になってしまったこと。ピアノ、サキソフォン、ピアニカ。それぞれの楽器のやさしさ、やわらかさが、そんな " 当たり前のこと " の素晴らしさを伝えてくれた。
僕たちが奪われているのは、こんなに素敵なものなのだ。