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HOLY MOTHER/ERIC CLAPTON from『AUGUST』 -1986-

2003年11月3日、東京はSHIBUYA-AXでの仲井戸麗市のライヴ。そこで歌われた曲のひとつに、「I think R・MANUEL(リチャード・マニュエルに捧ぐ)」があった。リチャード・マニュエルは、70年代アメリカン・ロックの最高峰であるTHE BANDというグループのメンバー。チャボはツアー中にTHE BANDを良く聴いていたらしく、そんなこともあってこのオリジナルを作ったそうだ。

86年、リチャード・マニュエルはフロリダのモーテルで首を吊って亡くなっている。

チャボが歌うその曲は感動的に胸に響き、僕はつい涙してしまった。ライヴを通しても印象に残る曲だった。そして、この話はまだ続くのである。

SHIBUYA-AXから1ヶ月後の日本武道館。エリック・クラプトンの何回目だろうかの来日公演。THE BANDはボブ・ディランやエリック・クラプトンとも親交があり、共演も多い。そのためだろう、86年に発表したクラプトンのアルバム「オーガスト」の中に、リチャード・マニュエルに捧げたバラードが入っている。

「HOLY MOTHER」。大好きな曲なのだが、なかなかライヴではお目にかかれない。その時点では、僕は何かのブートレグでライヴ・ヴァージョンを聴いたことがあるだけであった。

しかし、2003年の武道館。ライヴの中盤だっただろうか、突然この曲が演奏されたのである。これは心の底から本当にびっくりした。演奏されたこと自体に驚き感動したのだが、つい1ヶ月前にチャボが歌って、まさかクラプトンまでが…なんて…。  

まさかリチャード・マニュエルの霊がふたりに歌わせたというわけでは無いだろう。単なる偶然だったのだ。しかし、何かの力が働いていたと僕は思うのだ。それが何なのかはわからないし、そう思いたいだけなのかもしれない。でも、それで良いと思っている。音楽、ロックは素敵だなぁと感じた印象的な出来事のひとつだ。<2005-03-27 記>


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