風よはこべ 新谷祥子マリンバ弾き語り 2nd Album発売記念ライヴ 名古屋Blue Note 2011.11.20.
ここ名古屋のブルーノートで二人の共演を観るのは2回目だ。前回は2009年7月。日付を見ればわかるように、まぁ、そんな時期だった。
今ではこのライヴはほとんど語られることはないけれど、実はチャボによる当時のFor清志郎というライヴの中でも、この日は僕個人的には、絶対に外すことができないものであった。もちろんそれがテーマに挙げられていたわけでは無いが、チャボが2009年5月以降に「激しい雨」の一部を歌うようになった、おそらく最初の日だったと思う。そして二人で演奏された「君が僕を知ってる」と「I Can't Get Over You」。悲しいけれど、この2曲の美しさったらなかった。素晴らしかったのは、仲井戸麗市と新谷祥子の「君ぼく」であり「I Can't ~」だったことだ。
そんな場所での共演再び…だし、新谷さんの2ndアルバム発売記念での共演ということで、南青山MANDALAとは、また違った意味で楽しみにしていた。
前日の酷い天気から一転、風は強いが見事に青空となった。ちなみに僕は晴れおとこなのである。もちろん100%の確率ではないが、肝心なときには強いぜ。
1日2ステージという構成なので、1ステージは90分。MANDALAの短縮版というメニューだった。新谷さんのソロがアンコールを含めて4曲だったかな。あとはすべてチャボとの共演。しかも、時間は短くなったがチャボの「BLUE MOON」と「ガルシアの風」は演奏された。新谷さんらしいな…と思った。
座った席が中央からステージを正面に観られる場所だったので、偏ることなく二人を観ることができたし、音のバランスも良かった。音はもちろんだが、こうしてみると、あらためて視覚的にもカッコイイ二人だ。それをいつも感じるが、6年間、まったく印象が変わらないのも凄い。
MCは最小限だったので、その点の楽しみは十分ではなかったけれど、そのぶん演奏に集中できたし、もちろんそれに二人は応えてくれた。
この日に印象に残ったのは、まずは「アトムの飛んだ空」。バッキングもソロも、チャボのギターが実にカッコイイ。そして「ピクニックボーイ」。これはもう新谷さんとチャボの共演曲と言ってもいいだろう。初めてこの曲を聴いたのは、そういえばここ、名古屋Blue Noteだった。
期待していた「紅カラス」が1stでは演奏されなかったのは残念。2ndでは演奏されたらしい。もちろんそれでもじゅうぶんに満足できたライヴだった。
初めて彼女のライヴを観たお客さんは、東京も含めてどのくらいだったのだろうか。本編最後の「風よはこべ」の力強さ。最終曲の「鐘は鳴る」の美しさ。この感動的な2曲だけでも、新谷祥子の素晴らしさが初めての人にもわかってもらえたのではないか。勝手な思いだが、今の僕はそんな確信がある。
できれば1年に1枚のペースでCDを…は贅沢かもしれないが、今後も素敵な作品をつくり、届けてほしいと思う。これから生きていく自分に必要なものの中には、間違いなく新谷祥子の音楽も含まれるのだから。
p.s.
この日のBlue Noteのアーティスト・カクテルは「風よはこべ」。ミント風味のさわやかな飲み心地で、とても美味しかった。<2011-11-21 記>
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?