ARABAKI ROCK FEST.18 MICHINOKU PEACE SESSION ON SUNDAY エレファントカシマシ THE FIGHTING MAN -30 years of Fight- 2018.04.29.
エレファントカシマシの野外ライヴ。そしてエレカシがゲストと共演するという特別なライヴ。この異なるライヴを同じ日に続けて観たのと同じくらい中身が詰まった、そして何と充実した時間だっただろう。
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ARABAKI ROCK FEST.18 MICHINOKU PEACE SESSION ON SUNDAY
エレファントカシマシ THE FIGHTING MAN -30 years of Fight-
〈エレファントカシマシ〉
Vo.&Gt. 宮本浩次
Gt. 石森敏行
Ba. 高緑成治
Dr. 冨永義之
〈サポート〉
Gt. ヒラマミキオ
Key. 奥野真哉
〈ゲスト〉
菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)NEW
田島 貴男(ORIGINAL LOVE)
TOSHI-LOW(BRAHMAN)
仲井戸麗市
村越HARRY弘明
山田将司(THE BACK HORN)
yui(FLOWER FLOWER)
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「我々は余興ですから」という宮本発言。予定されている後半のセッション・パートと比べてのMCではあったが、余興というにはあまりにもの全力投球な演奏と歌でアタマからぶっ飛ばしていた。エレカシのパートを「俺たちの明日」で終えた後は、いよいよセッション。出演したゲストはすべて見ごたえ、聴きごたえのある演奏だったが、僕としてはやはりHARRYとチャボである。
何てったって1988年のPITでRC、スライダーズとエレカシは共演しており、その場で宮本がファンに暴言を吐いたという話が伝わっている。当時の記事によれば、うるせえ! このボケが! 帰れ! RCで踊ってろ! と、こうしたMCを宮本は連発したようだ。今ならば裏返しの気持ちをへたくそに表現したんだろうなぁと感じるが、それでもこれはひどい。さすがに何かしらのコメントが宮本からあると思ったが、結果はまったく触れられることはなかった。まぁ、こうしたことを含めて、かつ経過した30年という時間により、僕は何を感じることができるのか、複雑な期待と予想できない楽しみがあった。
ふたを開けてみれば、明らかに他のゲストとはまるで違うスタンスの、HARRYとチャボとの共演が僕にはハイライトだった。
誰がHARRYとエレカシが「のら犬にさえなれない」を演ると、そしてチャボと宮本が「悲しみの果て」を歌うと思うだろうか。望まれていないことはイコール望んでいないことでもあるが、結果として望まれることになる場合もあると思う。こうした共演を普段は決して望んでいたわけではないとはいえ、ARABAKIでは、これを僕は期待していたのだろう。
演奏自体は特別なセッションゆえ、その出来不出来を含め、ファンの数だけの受け止め方があったと思う。そうは言っても僕にとってのグッときたポイントと名シーンを記しておく。
◆エレファントカシマシ×村越弘明
「のら犬にさえなれない」
HARRYが何を歌うのか…ではなく、エレカシがこれをHARRYと演った。直球ど真ん中の選曲。宮本は " かっこいい!" を連発していたが、僕もあらためて連発したい。かっこいい!
実は確信を持って言えないのだけれど、僕にはそう見えたからこれも書く。白眉はエンディングのギター・ソロ。何と、宮本とHARRYが分け合っていたのである。エレカシは最後のコインをここで使ったのかもしれない。
「ファイティングマン」
HARRYが " 日本のロック・アンセムを歌うぜ " と言って始まった。ワン・マイクでこの曲を歌うHARRYと宮本というシーンは語り草になりそうだ。
◆エレファントカシマシ×仲井戸麗市
「君が僕を知ってる」
このセッションのポイントは次の3つだ。
①RCサクセションのオリジナル・キーで演奏された
②イントロが倍の長さになっていた
③宮本は通して清志郎と同じメロディ・ラインで歌った
単にイントロが倍の長さで演奏されただけで、この曲から伝わる切なさも増していた。オリジナルのキーということは、チャボの間奏もDでプレイされるわけだから、あのギターを聴けることとしても重要だ。
そして宮本が歌うメロディ・ライン。特に後半の♪ わかっていてくれる のリフレイン。そしてここはチャボとのかけ合いが聴きものにもなっている部分でもある。そのかけ合いでチャボが歌ったメロディが最大のグッときたポイントだった。わかっていてくれるの「れる」の部分を、チャボはオリジナル通りに歌ったのだ。文章で伝えるのは難しいが、「れる↑」ではなく「れる↓」である。僕にとってはこの曲がまったく違う曲になるほどのポイントなので嬉しかった。RC末期以降、この語尾部分が上がるパターンで歌うことがほとんどのチャボだが、ARABAKIではオリジナル通りだった。
感激した。同時に、何故そうだったのかを考えた。僕が出せた答えは " 宮本の歌があったから " である。チャボに聴こえてきた宮本の歌が清志郎と同じメロディ・ラインだったので、カラダとココロがおぼえていたフレーズが自然と出たのではないか…である。正解はない。でも、僕の答えはこれだ。
「君ぼく」を終えた後、そして、そしてそして、何と…と、宮本が次の曲に繋げようとしたときだった。チャボがそれをさえぎってこう言った。
宮本、ひとこと言っていい?
そしてあれが始まった。
オン・ベース 成ちゃん!
オン・ドラムス トミ!
ギター・フレンド 石くん!
助っ人 ミッキー!
助っ人 奥野!
フロム東京、赤羽 エレファントカシマシ! 宮本浩次!
「我々は余興」という宮本発言が前半にあったが、チャボはゲストである自分がその場では中心にも関わらず、この夜の主役は誰なのかを、ここしかないタイミングで伝えたのである。もちろんゲストの二人も忘れないところがチャボらしい。単なるメンバー紹介だが、あの場ではそれを超えて感動的だった。ぼくが宮本なら、あの後は胸がいっぱいになって歌うどころではなくなるだろう。このシーンには双方で何かとても素敵なものの交換と引き継ぎ、そして感謝があったように思う。
そしてこの後に演奏されたのが「悲しみの果て」。選曲の妙。ギター・フレンド石くんとの絡みも良かった。終演後 " チャボの「悲しみの果て」、かっこいい!" と宮本。あんたの曲でしょうがと突っ込みたかったが気持ちも理解できる。
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最後に全てのゲストを呼び込んだ宮本の言葉。
どうしたらいいんでしょう。
チャボさんとHARRYさんが一緒のステージに立ってて。
アラバキ! 凄い現場に君たちはいるんだぜ!
笑顔でねぎらい合うチャボとHARRY。2018年のARABAKIでしか見ることができない感動的なシーンだった。<2018-05-04 記>
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最後にARABAKIのオフィシャルInstagramから引用。
arabaki_officialARABAKI責任者の菅です。
一夜明けてのリハーサルのご報告です。
2日目、4月29日みちのくステージでの大トリ
エレファントカシマシのスペシャルセッションのためのリハーサル。
ストリート・スライダーズ、ボーカル、村越HARRY弘明さんとリハーサルで
尊敬する日本のロックボーカリストハリーさんへの宮本さんの最大のリスペクト、
バックホーン、山田将司くんへの後輩ミュージシャンへの大波のような感謝と尊敬
そして、偉大な日本のロックギタリスト仲井戸CHABO麗市氏へ
エレファントカシマシの皆さんからの憧れと音楽家としての感無量な溢れる気持ちを
同じ空間で感じることが出来て本当に嬉しく思いました。
リハ中、RCの名曲をエレカシとチャボさんと一緒に演奏したとき
宮本さんが感動のあまり歌えなくなり
チャボさんが宮本さんを歌とギターで温かく支えるその場面を観たときに、
ARABAKIを18年やってきてよかったということと
何よりRCサクセションとエレファントカシマシの音楽が日本に存在してくれて、
ほんとうに良かったと思えました。
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