THE ROOSTERZ FOUR PIECES LIVE AGAIN 福岡サンパレス 2011.05.21.
ライヴ前日にtwitterでゲネプロの画像がアップされた。
これにより、下山が立つポジションがいつもの下手ではなく上手とわかった。僕のチケットの座席を事前確認したら下手…。下山の真正面だと思い喜んでいたのだが…。
それにしても、これは誰の提案だったのだろう。後述するが、結果としてこの立ち位置は、素晴らしい効果となっていた。もちろん僕は自分の席の位置に大満足となったのだ。
開場後、ホールに入りステージを確認する。やはり上手に下山の機材がセットされている。とりあえず自分の席へ向かい、ふとステージを見ると、穴井のベース・アンプの横にマーシャルがドーンと置かれていた。
おおっ!これは下山のアンプだよな
…と思ってわくわくしていたのだが、開演直前、楽器のサウンド・チェックで、それは確信に変わった。
要するに、下山はアンプをステレオ…2台使用するのである。僕はこれで " 今夜のライヴは本当にROOSTERZなんだ " と改めて確認。既にアタマとココロは興奮状態となる。
いよいよだ!
客電が消え、ステージが照明効果によりブルーに彩られる。オープニングのSEが流れる…と、これは…もしや…。あの解散ライヴと同じオープニングSEじゃないのかぁ?…と、期待と更なる興奮状態で混乱していたら、メンバー登場。
各自が立ち位置につく。もう、それで満足。その姿を観ただけで満足。やたらとカッコイイ。
目の前にいるのはRRGで見慣れた花田裕之と下山淳ではなく、穴井仁吉と三原重夫という最強のリズム隊を従えた、最終形 THE ROOSTERZの、花田裕之と下山淳であった…いや、目の前にいるのは、THE ROOSTERZだった。
軽いウォーミング・アップなのか、三原が軽くドラムを鳴らす。息を呑む。
来るぞ
何の曲だ?
きっと、あの曲だろ?
どんな音が鳴るんだ?
今まで何度聴いたかわからない 『FOUR PIECES LIVE』。おかげで自分の中には音が完璧に沁みついてしまっている。そんな僕が思ったのだから、おそらく間違いない。
下山淳が弾いたイントロのギターを、1小節も聴くまでもなくわかった。始まったのは、本当にTHE ROOSTERZのライヴだった。
「GUN CONTROL」
「TRANSMISSION」
「NAKED HEAVY MOON」
「再現出来ないジグソウ・パズル」
「NEON BOY」
「STRANGER IN TOWN」
序盤にプレイされた曲がこれだ。ダメでしょ、これは。
かつて粉川しのは、ストーンズの映画 『SHINE A LIGHT』 の「JJF」を観て、" 死ぬ カッコ良すぎて息がとまる " と書いていたが、この日のROOSTERZを観た僕が、まさにそれだった。特にオープニングの「GUN CONTROL」から「NEON BOY」までの流れは、こんな演奏が最後まで続いたら、いったい僕はどこへ飛ばされてしまうのだ…と。そこには僕が思うロックのカッコ良さのすべてがあった。何も…本当に何も言うことが無かった。ただし、ROOSTERZのファンで本当に良かった…とだけは、自信を持って思えた。
一息ついての、花田による最初のMC。
ルースターズ ゼットです!
思い出すだけで泣けてくる。いくら僕が " 花田、Zは最高なんだよ " と思っていても、80年代は、まず聞くことができなかった言葉を花田から聞けたのだ。もちろん花田は " Zは最高だ " なんて言ってないよ。でも、わかるもん。これが嬉しくないわけが無いでしょう。
(俺たちは)ライヴ・ハウスが似合うんだけど、
こんなところでやれて嬉しい
途中ではこんなことも話していたが、いやいや十分すぎる程にホール・クラスだったよ。去年の七夕にLOFTで聴いた音とはまったく違っていた。演奏も音も、そして各メンバーの姿も、すべてがスケール・アップしていた。
まずは何と言ってもリズム隊が強力。更に、そんなバッチリとボトムを支える音の上にのる花田と下山のギターは、80年代とは明らかにアプローチを変えており、役割がしっかりとわかれているのだ。よってハッキリと4人によるバンド・サウンドとなっているのが素晴らしい。
花田のヴォーカルもド迫力。ROOSTERZの曲を流して歌うなんてできない(もちろんやろうとも思っていないだろうが)とは言え、圧倒的なヴォーカルを聴かせてくれた。
そして下山淳。今までどこに隠していたんだよ…と言いたいくらい、僕が夢中になったあのギターだった。音だけでなくフレーズもそう。僕が必死でコピーしたあのフレーズが所々で復活していた。
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ライヴも後半に差し掛かり、「LADY COOL」が歌われたときのこと。花田が歌い出して照明が点いたとき、何と下山はまだギターを持ち替えている途中であった(笑)。当然、演奏を止めるわけにはいかないだろうから、そのまま進む。下山以外のメンバーは特にあせることも無く、困った様子も見せない。下山も " しょうがねぇなぁ " 的な感じに見えたが、あわてる様子も無い。
やっとスタンバって、曲の途中から下山のギターが加わる。もちろん、その瞬間に音が厚くなるのだが、僕は何だかそこから…下山のギターが入った瞬間から、ROOSTERZの音に変わったというような気がして、感動した。
もちろんミスだったのだと思うけれど、演出だったんじゃないかと思えるほどだった。こういったシーンさえも、この日はカッコ良かったのだ。
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わざわざ福岡まで…ということはあるし、あった。でも、一夜限りの条件とは言え、それがROOSTERZだから僕は観に行ったのだ。気合いを入れて行ったのではなく、無理をして行ったのではなく、THE ROOSTERZだから行ったのだ。そして、もちろん行ったことは間違いではなく、行って良かった…なんて簡単な言葉では表せない感動と喜びをバンドは与えてくれた。
花田、下山、三原、穴井には感謝の気持ちしかない。ありがとう。何回言っても足りないけれど、たくさん、ありがとう。THE ROOSTERZのファンでいて、本当に幸福です。
P.S.
最後に、今回の下山の立ち位置について。花田がステージ中央で、下山が上手に立つということ。それはどういうことかと言うと、ライヴ中に2人が向かい合う瞬間が多いということだ。RRGでは、花田は下山に背を向けて歌い演奏するが、それが逆になるのである。もちろん目を合わせて…ということはほとんど無いんだけれど、それでも2人が向かい合う姿は感動的であった。僕の席からは、そんなシーンをライヴを通して観ることができたわけである。<2011-05-22 記>