![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162650939/rectangle_large_type_2_981627bd0db5d8273d3528b76316035d.jpeg?width=1200)
浜田真理子 with Marino LIVE 隣町珈琲 2023.04.08.
会場を意識した真理子さんらしいオープニング。ライヴは「小さな喫茶店」で始まった。
![](https://assets.st-note.com/img/1732146895-m3NgxA0ehD6YbXwjfKERc2kz.jpg)
団塊の世代連発…と、あがた森魚、友川かずき、岡林信康を歌い、近年必ず歌われる反戦歌は「しゃれこうべと大砲」を取りあげ、「横浜ホンキー・トンキー・ブルース」とハマダマリコ的ブルースを聴かせる。
この日は、これらカヴァー曲の中に、数曲のオリジナルがポツリと挟まれる印象を受けたが、振り返ってみれば実際に歌われたのは半々だった。昔からカヴァーもハマダマリコの曲として届けられるし、僕の中で時間が経過するごとにこれは強くなってきているから、こうした受けとり方になったのだろう。言うまでもないことだけれど、ネガティヴな感想ではないのはもちろんだ。
オリジナルは新曲の「たましいのレストラン」と「アデュー(adieu)」。そして1stから3rdアルバムの「のこされし者のうた」「純愛」「恋ごころ」が歌われた。この振り幅が効果的で、特に四半世紀が経過していても瑞々しさを失わない「のこされし者のうた」を、あの空間、しかも目の前で体験する、言葉ではいい表せない幸福。隣町珈琲店主である平川克美さんが言っていたように、東京で真理子さんのライヴをこの距離で聴けるのはここだけ…を実感した。
![](https://assets.st-note.com/img/1732146947-2YPKy3LfukxU7nzavWeDQRgA.jpg)
隣町珈琲のライヴは約1年ぶりとはいえ2回目なので、前回のような特別さを感じることはないと思っていた。確かに構成は僕が知る限り最近の定番だったし、真っ新な新曲やレアな曲も披露されていない。それでも、やはり、曲を、歌を、ピアノを耳にすれば、まるで初めて聴いたような気になる。
彼女のエッセイにはこんな一文がある。
わたしは残念ながら全く同じ演奏を二度とすることができない
残念ながら…と書かれているように、彼女自身はマイナスな意識を持っていることはわかる。しかし、浜田真理子のライヴに限れば、僕には同じ演奏ができないことは残念どころか魅力である。だってこれまで何度も聴いている曲が毎回生まれ変わるのだから。この日もそんな彼女の魅力が存分に発揮された、素晴らしいとしか言いようのないライヴだった。
![](https://assets.st-note.com/img/1732146990-3y1odRp5D68LJX9wZuWOVtTa.jpg)
本編が終わった後の、平川克美さんのトーク。真理子さんとの出会いや体験されたライヴのことを、基本的に時系列で話されていたのだが、僕も自分のそれやそれらを重ね聞いていた。
今となっては運命としか思えない2007年の出会い。ソロ・ライヴで彼女の中に見たロック。初サイン会は神奈川県立音楽堂、列の最後尾。『夜も昼も』の原画を八王子の林静一展で。PARCO劇場2Days。高円寺JIROKICHIで聴いた「スローバラード」。新宿PIT INNで聴いた「夕凪のとき」。南青山MANDALAでのハンドマイク。紀尾井ホールと三越劇場。鎌倉の空と「みんな夢の中」。Billboard Live東京の『Town Girl Blue』レコ発。野外の六本木で喧騒を静めた「カノン」。マイ・ラスト・ソング。そして、何といっても彼女と出会わなければ、訪れていたかわからない島根県松江市。
今年は浜田真理子デビュー25周年。その中の、僕のハマダマリコもあらためて振り返る機会になった。もう16年なんだ。<2023-04-15 記>