ARABAKI ROCK FEST.14(その1) 2014.04.26.
★堂島孝平のゴー!ゴー!ナイアガラ・ライヴ
津軽の午後に大瀧詠一トリビュート・ステージ(TSUGARU)13:35~
・HOUSE BAND
Vo&Gt堂島孝平
Dr小松シゲル(NONA REEVES)
Ba鹿島達也
Gt奥田健介(NONA REEVES)
Key渡辺シュンスケ (cafelon ,Schroeder-Headz)
Per朝倉真司(ヨシンバ / asoviva! /.. etc.)
Tb湯浅佳代子
Sax加藤順子
・GUEST ※五十音順
大森靖子
曽我部恵一
宮田和弥(JUN SKY WALKER(S))
山口隆(サンボマスター)
YO-KING(真心ブラザーズ)
5人のゲスト・ヴォーカリストを迎えての大瀧詠一トリビュート・ライヴ。個人的に楽しみにしていたのは、ハウス・バンドのドラマーが小松シゲルだったことと大森靖子を観られるということでした。
まず、前者についてはまったく言うことなしです。佐野元春のコヨーテ・バンドで初めてそのドラムを聴いて素晴らしいと思いましたが、この気持ちはライヴを観るたびに更新されていきます。スネア一発の気持ちよさは野外で聴いてもバッチリでした。こんなドラムとバンドを演れたら本当に最高だろうなぁ。
そして後者。その噂だけは耳にしていましたが、実際に観ることだけでなく聴くこと自体も初体験。はたして大森靖子は…「風立ちぬ」を歌ったのですが、大瀧詠一というか松田聖子というか、まぁそんな括りを飛び越えていたヴァージョンでした。僕なんかは80年代の戸川純を思い浮かべたりしましたが、その音楽スタイルは好き嫌いがハッキリとわかれそうです。ただし、すべてを持っていく存在感は間違いなくあり、ラストに全員で歌われた「夢で逢えたら」でのパフォーマンスは、よくも悪くもこのライヴをぶち壊す寸前で、痛快ですらありました。
★THE GROOVERS ゲスト土屋公平(ARAHABAKI)14:45~
3ピースのギター・バンドは不滅のカッコ良さがあります。ひとつの音の塊が…という安易な表現をあえて使いたくなるサウンドで、今さらながら、その " GROOVER " というバンド名の素晴らしさも認識できました。
中盤で土屋公平とのセッションがあり、そこで歌われた1曲が「天国列車」です。スライダーズの蘭丸Vo曲でいちばんのお気に入りだったので、これは最高のプレゼント。そのイントロのリフからひたすらカッコイイ!って聴いていましたが、必死で聴いていた当時のことがフラッシュバックし、途中から込みあげるものが…。涙がこぼれそうになりましたが、上を向いて何とかしのぎます。名曲はこうして歌い継がれ、演奏し続けられ、残されていくのでしょう。素晴らしいセッションでした。
★北のまほろばを行く 百年桜セッション(TSUGARU)17:30~
Vo&Gt山口洋(HEATWAVE)
Key細海魚(HEATWAVE)
・GUEST ※五十音順
遠藤ミチロウ
高野寛
タテタカコ
仲井戸麗市
畠山美由紀
HEATWAVEの山口洋、細海魚がホストとなり、そこに5人のゲストが加わるセッション。昨年の渋谷で行われたMLIMMと似た構成であっても、メンバーが違っていたので新鮮でした。お目当てはチャボとミチロウでしたが、他の出演者も良かったです。
タテタカコと畠山美由紀を観るのは初めてですし、女性ヴォーカルは僕自身も好みがハッキリと分かれることが少なくないので、期待というよりも構えていましたが、とてもいい歌を聴かせてくれました。高野寛もこういう場でないと触れることはない音楽なので、その意味でも貴重だし、これまたいい歌を聴かせてくれました。
そして63歳の同級生ふたり、仲井戸麗市と遠藤ミチロウ。ミチロウは「天国の扉」、チャボは「My Way」をそれぞれソロでかまし、セッションで「新相馬盆唄」という過去に観たものではありましたが、夕暮れのTSUGARUステージの独特な雰囲気のおかげで、初めて鳴らされた音のような感覚で聴くことができました。冷静に考えれば、チャボとミチロウが同じステージで演奏していること、そしてそれを当たり前のように観ていることは、やはり凄いと思います。ラストに全員で歌われた「満月の夕」は、荒吐の夜空へ感動的に吸い込まれていきました。
★エレファントカシマシ(MICHINOKU)20:00~
もはや貫録かつ安心してトリを任せられるバンド…という期待を裏切らないステージでした。まったく初めて観る人のアタマにも確実に残るであろうメロディとそれを伝える演奏。そして、誰が聴いても同じフレーズがアタマに残るであろう歌詞と、それをハッキリと伝えることができる宮本のヴォーカリストとしての素晴らしさ。新曲であっても、何が歌われているのかがわかるというのは、ましてあの野外の巨大な空間であることを考えると凄い。こんなヴォーカリストは、僕が体験した限りでは、宮本以外には忌野清志郎しかいません。MCや進行のぎこちなさはこのバンドの魅力でもあると思うので、欠点にはならないでしょう。MICHINOKUステージの最後を飾るに相応しいライヴだったと思います。
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1日目から素晴らしいライヴを観ることができましたが、ただ一つ、GODIEGOを観られなかったことが心残りでした。<2014-04-29 記>
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