田中一郎 TOUR 2008 SPRING 『SOLO 20th』 高円寺Show Boat 2008.03.29.
ステージにメンバーが現れる。一郎がギターを手にし、さぁ始まるぞ…と思ったらマイクに向かって一言。
…。
前日にいきなり声が出なくなったそうだ。症状は声帯の炎症のようだが、歌えないじゃないか! ならば今日のライヴはどうするのか?
一郎が
“ 行けるところまで行きます ”
“ 払い戻しはOK。3曲目までね(笑) ”
と言って始まったライヴは、あいだに10分間のインターバルを入れての二部構成。ゲストに白浜久、斉藤光浩の元ARB歴代ギタリストに黒葛原りつという女性シンガーも出演。出ない声でも一郎はすべてを歌いきり(アンコールはさすがにインストだったけれど)、何と二時間で18曲も演奏してくれました。もちろん無理して演ってくれたのだが、おかげであの場にいた人達しか共有できない、とても貴重で素敵な時間を過ごすことができたと思う。
こういったライヴだったため、レポらしきものは書きにくいので、個人的なポイントだけ記しておきたいと思います。
僕なんかは「Black Is No.1」や「Naked Body」なんかのARBナンバーに、やっぱりどうしてもグッときてしまう。中でも「Naked Body」の間奏のギター・ソロはARBのままだったので感動してしまった。
前述したゲスト。斉藤光浩はコーラスで参加したのみだったが、白浜久は1/4くらいは出ていたと思う。その白浜久は中盤のアコースティック・セッションから登場し、まずは石橋凌の話などをMCで楽しませてくれた。そして二人で演奏したのが「Heavy Days」! ヴォーカルは白浜久がとったのだが、凌の歌でなくても違和感が無かった。これは不思議な感覚だったけれど、良かったです。
続いては白浜在籍時のARBナンバーの名曲、「灰色の水曜日」が飛び出す。この曲は元々から白浜色が強いため、彼のヴォーカルによりストレートに曲の良さが届いた。改めて名曲だと思った次第だ。この二曲を一郎&久のセッションで聴けたことが、個人的にこの夜でいちばん感激したことでした。
実は、ライヴの冒頭で一郎からこの日の振替ライヴを行うことが告げられていた。こんな気遣いも感激だ。だって二時間という、ほとんどフル・セットのライヴをぶちかましてくれたのに、もう一度、観ることができるんだから。
その振替ライヴだが、
前回のやり直しではなく、新たな爆裂をお届けいたします
とのことである。きっと最高にロックン・ロールなライヴになるだろう。今から楽しみだ。<2008-04-04 記>
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