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浜田真理子 with Marino LIVE 隣町珈琲 2022.02.26.
2020年以降、配信は何度もあったけれど、ナマの浜田真理子ライヴは共演や企画を含めて、たった5回しか体験できなかった。そんなところに、カフェでのライヴが発表された。久しぶりに小さな会場で聴けるということもあるし、何といっても有観客のナマ・ライヴだ。期待しかなかった。はたして…期待以上のものを彼女は演ってくれた。
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1曲目は「港が見える丘」。定番のカヴァーだけれど、僕自身、最近は聴くことがなかったので意表を突かれたが、その後に歌われた曲も、やはり定番ながらも久しぶりに聴くものばかりで、結果としては全編が昭和歌謡で占められた第1部は、実に聴き応えのあるプログラムになっていた。特にMarinoが加わっての「赤色エレジー」は、2008年、真冬の八王子『林静一展』での弾き語り、2017年、アルバム『Town Girl Blue』レコ発でのバンド・ヴァージョン、この2回と共に僕の中に残る美しさだった。
第2部は「教訓Ⅰ」から。この日にこの曲が歌われたということ以外、説明はいらなかった。
ライヴを通してカヴァー中心なのは最近の真理子さんの傾向だが、二部で歌われたオリジナル、「のこされし者のうた」と「ミシン」は浮いていた。もちろん最上級の褒め言葉だ。
「のこされし者のうた」。僕が真理子さんのライヴに行くようになった00~10年代。当時は会場で配られるアンケートがあり、そこの " あなたの好きな曲 " 欄には必ず記していた曲だ。僕の個人的なスタンダード・ナンバーになっているこの曲を、あんな至近距離で久しぶりに全身で浴びた。1stアルバムで聴ける24年前に吹き込まれた歌も凄いけれど、24年後に目の前で歌われるこの曲も凄い。歌われる場所、聴く場所はまったく関係ないとあらためて思う。凄い。
「ミシン」をナマで聴いたのも2020年以来だ。これまで様々なヴァージョンで演奏されてきたが、弾き語りがいちばんしっくりくる。phonolite stringsとのオリジナルとは違う怪しさを、この日はMarinoのSAXが醸し出していた。
カフェで行われたライヴだが、それを忘れる瞬間が何度もあった。アンコールを終えた後、店主の平川克美さんと真理子さんのトークがあったが、そこで " あぁ、ここは街のカフェだったんだ " とあらためて思ったくらいだ。
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やっぱりナマのライヴは最高だ…なんて思うこと自体が、まだまだ以前のように戻っていないことを実感させられるが、少しずつであっても、それを積み重ねていくしかないのだろう。それを感じさせてくれる浜田真理子に感謝。<2022-02-27 記>