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JEFF BECK NHKホール 2009.02.09.

事前にUDOのサイトなどで東京国際フォーラムでのセット・リストを確認していたので、ライヴの流れは何となく把握できてはいたけれど、何てったって初の生ベックである。それなりの緊張感で公園通りを上っていく。

会場であるNHKホールは久しぶりだ。いつ以来なのかまったく記憶が無いが、スライダーズを観て以来かもしれない。

会場に入ると、おそらく今回の来日公演すべてを観に行くであろう知り合いがグッズ売り場に並んでいた。国際フォーラムの感想を聞いてみると、そいつは " なかなか " だと言った。過去の来日公演も、ほとんど全日行っているほどのファンなので、そいつが言う " なかなか " はそれなりに深いんじゃないかと。ただ、" これからライヴを演るたびに、どんどん良くなっていくと思うよ " とも言っていた。

  どんなギターを聴かせてくれるのかな
  音はいいだろうか
  評判のベーシストも楽しみだな

そんな思いで自分の席に着く。二階席だが前方の真正面。バッチリである。

ほぼ開演時間定刻に客電が落ちる。ベックを除いた三人がそれぞれ持ち場所の位置に着く。向かってステージ左手の袖からストラトのヘッドが覗く。
さぁ、開演だ!

僕の双眼鏡は、ベックの表情はもちろん、その手元もバッチリ確認できる。ベックのプレイをチェックするぞーと思っていたのだけれど、いったいどうやって弾いているのか、最後まで良くわからなかった。

ベックはストラトのヴォリュームとアームを右手で見事にコントロールしながら、ピックでは無く指で弾くのだ。それは指でピッキングするというニュアンスでは無く、本当の意味で五本の指を使って弾いている…のだ。これらに加えて、おそらくストラトのブリッジ部分も右手で押したり(?)というような、何らかの技を使っているような気もする。とにかく、一本のギターから様々なトーンが飛び出すのを聴いているだけで、僕にはこのライヴを観に来た価値があった。凄い。

ところで、ギターを背負っての立ち姿やアクションは、決して僕の好みと言うギタリストでは無い。それどころか、僕の価値観ではかっこ悪いタイプになるのだジェフ・ベックは。実際に観た生ベックは、残念ながらその僕の価値観を変える立ち姿やアクションでは無かった。でも、そんなことはどうでもいいや。出てくる音に圧倒される。凄い。

ギタリストと呼ぶよりも、もう彼自身がギターみたいなものなのかも知れないなぁ。ジェフ・ベックというギターが、自分で音を出している…みたいな。

演奏曲では、やはり「Cause We've Ended As Lovers」や「Blue Wind」なんかは感激。もちろんレコードで聴きなれたアレンジや構成では無いけれど、目の前で弾いているのはジェフ・ベックなのである。感動するしか無いではないか。

さて、アンコール一曲目は、大好きな曲である「Where Were You」だった。この美しく短い曲でギターを泣かせるベックの姿を観て驚いた。

  キース・リチャーズみたいじゃん

唐突にそう思った…と言うか、アンコールで出てきたときからキースに観えたのだ。髪の毛をいじったためか、ちょうど寝癖がついたようなヘア・スタイルで出てきたと言うこともあったかもしれない。少し俯き加減でギターを弾くその姿は、78年辺りのキースとダブッて見えた。

アンコールの最後で「Peter Gunn」が演奏された。これは国際フォーラムでは演らなかった曲だ。いきなりこんなメジャーな曲を演ったのには驚いたが、楽しそうにラフなセッションをするベックを観られたのは嬉しかった。

でも…待てよ? こういった曲を演奏するというのは、今月末に控えている、例のエリック・クラプトンとの共演の布石…というのは無いかな? それぞれが自分のライヴのメニューに、こういったスタンダードなナンバーを追加し、そんな曲を共演の本番で演奏する…なんてことは考え過ぎですかね。

初の生ジェフ・ベック。2時間足らずというチープ・トリックと同じくらい短いライヴだったけれど、大満足でした。

次はさいたまスーパーアリーナ。E.C.との夢の共演が楽しみ!

P.S.
ベースのTal Wilkenfeld。何てかっこいいベーシストなんでしょ!

P.S.2
もう少しヴォリュームが大きくても良い気がしたけれど、NHKホールは音も良かったです。<2009-02-10 記>

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※Sony Musicのサイトからセット・リストを転載

2009年2月9日 NHKホール セット・リスト (2009.2.11)
日に日にすばらしい演奏を聞かせてくれるジェフ・ベック!本日も超満員でソールドアウト。NHKホールでの公演では最後に「ピーター・ガンのテーマ」を初めて披露!

  1. Beck's Bolero

  2. The Pump

  3. Eternity's Breath

  4. You Never Know

  5. Cause We've Ended As Lovers

  6. Behind The Veil

  7. Blast From The East

  8. Stratus

  9. Angel

  10. Led Boots

  11. Nadia

  12. Space Boogie

  13. Goodbye Pork Pie Hat / Brush With The Blues

  14. Blue Wind

  15. A Day In The Life
    (アンコール)

  16. Where Were You

  17. Big Block

  18. Scottish One

  19. The Peter Gunn

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