沢田研二 LIVE 2008 還暦だぞ !! ROCK'N ROOL MARCH 神奈川県民ホール 2008.09.27.
まずは次のセット・リストを見てください。
カサブランカ・ダンディ(79)
勝手にしやがれ(77)
あなたに今夜はワインをふりかけ((78)
時の過ぎゆくままに(75)
ヤマトより愛をこめて(78)
君をのせて(71)
追 憶(74)
あなたへの愛(72)
気になるお前(73)
これは本編ではありません。何とアンコールのメニューなのです。しかも、実に9曲も演奏されたのです! バンドもジュリーも一度も引っ込まず、立て続けにこれら70年代の代表曲が演奏されます。僕にとっては、まさにど真ん中ストライクの選曲でした。
バック・バンドのギターを下山淳が務めていることもあり、ライヴに行ってみたいと思ってはいましたが、それが実現したのが昨年の8月。今年も行く機会を伺っていましたが、ツアーが始まってもスケジュールが合わず、東京公演は結局行けずに終わりました…。よって、およそ一年ぶりのこの日となってしまいましたが、まさかこんなライヴを観ることができるなんて思ってもいませんでしたよ。
ジュリーもMCしていましたが、還暦を記念してといったことがあるからでしょう、新作の『ROCK'N ROLL MARCH』からは全曲演奏したようですが、そのあいだに往年の代表曲をこれでもかー!と挟みこむメニューでした。
アンコールはご覧のとおりの物凄い展開でしたが、本編でも、油断していると「サムライ」や「憎みきれないろくでなし」に「TOKIO」。「ス・ト・リ・ッ・パ・-」に「危険なふたり」「おまえにチェックイン」なんかが飛び出します。それにしても、これら70~80年代の曲のパワーと普遍性! 本当にとんでもないです。凄いです。
後半は興奮と感動の連続でしたが、それでも、二回目の体験なので、前回よりも冷静にステージ上を観ることができました。
まずは下山淳。もちろんROOSTERZやROCK'N'ROLL GYPSIESのようなギターを聴くことはできませんが、「憎みきれないろくでない」のバッキング・プレイでの姿はカッコ良かったです。「TOKIO」のエンディングでは、一瞬ですがROOSTERZを彷彿させるようなプレイも確認できました。「時の過ぎゆくままに」のアコギはバッチリ! いい音していました。
ジュリーはと言えば、去年のライヴで観たとおりです。ヴォーカルも動きも60歳とは思えません。そりゃ全盛期と比べれば、その体型も含めて…ですが、それでも全然オッケーでしょう。
ステージでのMCは自虐的な話も多く、特にアンコールでの演奏前のMCは実に30分以上という長時間で笑いもとっていましたが、GS、タイガースから今日までの歌手生活の長い歴史も感じさせるものでもありました。
僕自身のジュリーと言えば、70年代半ば~80年代前半です。特にファンでなくても、この時期のシングルなら、知らない曲はひとつも無いはずです。そんなヒット曲がバンバン目の前で歌われるのです。これで盛り上がらないはずはありません。
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本編の所々で演奏された代表曲を聴いている途中から、それが何だかわかりませんが、身体の奥から何かが盛り上がってくるような感じがしていました。正確には「サムライ」を聴いたときから、もぞもぞとしたものが込み上げてきたのですが、それはアンコールで爆発することになります。
「勝手にしやがれ」が演奏されたときです。何に反応したのかわかりませんが、涙がばーっと出てきちゃいまして。これは以前、ポール・マッカートニーを観た時とまるで同じです。泣けて泣けて仕方がありませんでした。何だったんだろう?
音楽と言うものは素晴らしく、それを聴いていた当時の空気や景色を一瞬にして蘇らせます。個人的な思い入れがある曲ならば尚更です。でも、僕は「勝手にしやがれ」にそういったものはありません。大好きな曲ではありますが、個人的な思い出が絡んでいることはありません。うーん…。もしかしたら77年という時代が関係しているのかもしれないなぁ…なんてことを思いますが…。
今後も何かの曲を聴いて同じような状態になることはあるかもしれません。今の時点で答えは出せそうもありませんが、いつかは、それが何なのかを知りたいと思います。秋らしい横浜の一日。今日は素敵な時間を過ごすことができました。<2008-09-27 記>
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