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ARABAKI ROCK FEST.18 2018.04.28.~04.29.

仙台から会場行きのシャトルバスが出発すると、いきなり車内に音楽が流れた。なるほど、出演者の曲を流すのだなとすぐに理解できた。この試みは大賛成だ。気分が盛りあがるからだ。しかし、例えば誰の何の曲かというアナウンスは欲しい。それが出演者自身のコメントであれば、なおよい。次回以降は期待したい。

今年は2日間とも好天に恵まれた。こうなると、その環境を含めてARABAKIは無敵である。場所によりステージ間の移動に苦労するルートに悩まされていたけれど、少しは改善されていたように感じた。移動にストレスを感じることはほぼ無かった。

RESPECT FOR 清志郎であがた森魚というのを意外に思う人もいるかもしれない。あがたさんは80年代前半に、ヴァージンVSのA児としてRCと同じ事務所に所属。色々な場所で共演したなぁとMCしていたが、そのうち僕は日比谷野音で観ている。そのシーンを思い出しながら、RCもVSもカヴァーした「サン・トワ・マミー」を聴いた。

沁みたのは早川義夫の「サルビアの花」。名曲は歌われる場所を選ばないということを再認識。

昼間の野外ステージに響くSIONの声と藤井一彦のギター。青空と緑の木々にとけていく「俺の声」と「マイナスを脱ぎ捨てる」。感動的すぎる。

昨年も強烈に感じさせられたことだが、メジャーなヒット曲のパワーというか、誰もが共有できる曲のそれをまたしても見せつけられた。ギターも曲も青空に映える布袋寅泰。「スリル」「POISON」から続いた「BE MY BABY」には高揚した。フェスならではの魅力。

映画の名曲をロックでカヴァーする好企画。数々の定番曲の中で「セルナンバー8」をぶちかます陣内孝則。『爆裂都市』は名画であるという宣言は痛快。

ロックは、そしてギタリストはかっこよくなければいけない。古市コータロー、藤井一彦、布袋寅泰、花田裕之の四人がそう教えてくれた。

何も知らずに観ていたステージに好きな人が現れたら…。飛び入りの魅力を体験しなくなって久しいが、ここではそれすらも出会う確率が高い。仲井戸麗市を拉致してくれたTOSHI-LOWに感謝。

出演者の中で間違いなく平均年齢は最高な三人は、いちばんシンプルで聴きやすく、誰にでも伝わる音を放っていた。その音自体がメッセージだ。仲井戸麗市+梅津和時+早川岳晴、Soul Mates。

ひとたび目の前で鳴らされれば、一瞬のうちに僕の身体とココロまでも躍らせてくれる。スライダーズ・ロックン・ロールの不滅。

答えはあの山のあいだに出ている。まだ青いアラバキの夕空に浮かぶ丸いお月様の下で聴く「満月の夕」。

いつだって音楽は巡り、廻っていく。リスペクトしている側がリスペクトされる側になる。それを実際に目の当たりにするという感動的な場所。

喜怒哀楽で表される以外にも人には感情はあると思う。ステージ上でそれを出せた宮本浩次とエレファントカシマシは幸せだろう。

ARABAKIに行くようになって感じているのは、ここでは演奏や選曲以外の音楽体験…それは心の音楽体験と言ってもいい…ができること。持っていく想いに対して必ず何らかの答えがでる。自分の何が変わりどこが変わっていないのかもわかる。何よりも音楽が僕にとっての何なのかを確かめられる。

ARABAKI、ありがとう。また来年。<2018-04-30 記>

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4/28(土)
・神野美伽 with 古市コータロー + クハラカズユキ feat .山本健太(Piano) 青木ケイタ(Sax)
・あがた森魚
・SION & The Cat Scratch Combo
・布袋寅泰
・BIG BEAT CARNIVAL ~Soundtrack Cinema Show~

4/29(日)
・TOSHI-LOW
・iki orchestra
・Soul Mates(仲井戸麗市+梅津和時+早川岳晴)
・村越“HARRY”弘明 with THE STREET SLIDERS 35th ANNIVERSARY BAND
・BRAHMAN
・エレファントカシマシ THE FIGHTING MAN -30 years of Fight-

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