![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/155775977/rectangle_large_type_2_c40537b6c8c865f2bd61db18f09a27a9.png?width=1200)
【MBTI】ISFJとINFJ 違い・比較・見分け方 ②マニアック編
ISFJとINFJのマニアックな話。ちょっとネガティブな話が多めかもしれません。あしがらず。
■基本編はコチラ
1.自己肯定感の低さ
ISFJやINFJに共通して言えることは自己肯定感(自己評価)の低さだ。おそらく16タイプでもワーストだろう。筆者は内向型の気質、補助機能Feに加えて、劣勢機能が寄与しているのではないかと考えている。
INFJに関しては、これまで散々述べてきた通り劣勢機能Seの不自由感がメインだ。他者に対して迷惑を掛ける無能感・罪悪感・劣等感といった負の感情は強烈なものがある。
ISFJに関しては実はよくわからないのだが、やはり劣勢機能Neだとにらんでいる。彼らは協調性が高くミスや忘れも少ないので、普段組織集団で与えられた役割をこなしている間は劣勢機能Neという短所が欠点にならない。
しかし想定外の事態、自身の理解を超える存在、不確定な未来といったもの対する漠然とした恐怖があり、他人や集団にゆだねるのではなく、自分自身でそれに対峙しなければならなくなったとき、彼らはきっと足がすくんでしまう。ISFJは自己決定権を行使が苦手なのだ。
2.従順性と自律性
①ISFJの従順性
ISFJは基本的に従順だ。争いを好まず権威性も受け入れやすい。ISFJは基本的に相手と争う機能、他者を攻撃する機能を持っておらず、16タイプでも飛びぬけて自律性や攻撃性が低いタイプにある。そのため行動力や交渉力を発揮したり、自らリーダーシップを振るうことは難しい。
ISFJは協調性は高いが、自律性に欠けるところがあり、受け身体質になりやすい。そのため仕事を頼まれる立場である事務職の適性は高いが、相手に提案を行って仕事を受注して取ってくる立場である営業職の適性は低い。
またジェンダーロールの影響をかなり受けやすいタイプでもあり、気配りや献身性といった女性のロールモデルに高い親和性・適応性を示す一方で、競争・勝利・実績を求められる男性のロールモデルにはあまりそぐわないため、これを強制される男性ISFJは生きづらさを抱えやすいかもしれない。
②ISFJの巻き込まれ体質
ISFJは「安全」に対する欲求が高いため、自己保身あるいは周囲との調和に意識が向かいやすい。そのため内心思うところがあっても、周囲との不和や自身の立場を悪くしてしまうことを恐れて、あるいは誰かを傷つけてしまうかもしれないという躊躇いから、吐露することなく胸の内に溜め込んでしまう。
ISFJの劣勢機能Neはこういったときに顔を出す。組織集団におけるルールや関係性の変化を過度に恐れるのだ。だからISFJは言いたいことがあってもぐっとこらえて我慢してしまう。noteというフィールドで水を得た魚のようにしゃべりまくるINFJとは対照的だ。
INFJは組織集団に対してしばしば提言・諫言を行って問いかけるところがあるが、ISFJにこの発想はなかなか出てこないだろう。偉い人や組織に意見するなど身の程知らずだし、事実に基づない未来や仮の話はするべきでないと考えるので、やはり心の内にしまってしまう。
フォーマルはもちろんプライベートでも相手の言いなりになりがちだ。実際ISFJは前述の従順性が相まって、会社や上司からの無茶振りを振られがちで、プライベートでも奇人変人に振り回されて疲弊してしまう状況がよくある。聞き分けの良さが裏目に出てしまう。
INFJが魔女・狼少年・内部告発者の類として周囲からの制裁を受けて立場を追われるタイプの自己犠牲なら、ISFJはひたすら我慢して耐えてボロボロになってしまうタイプの自己犠牲といえる。
③INFJの自律性
INFJは自律性が高い。争いを好まず友好的なのはISFJと同じだが、INTJ同様に独自思想やそれに基づいたムーブメントを行うため、いつかいなくなるんじゃないか、裏があるんじゃないか、裏切るんじゃないかという不穏な印象も相手に与えがちだ。
ISFJに安心感はあるが、INFJに安心感はあまりない。INFJは何かの理想に殉じてしまうような浮世離れな雰囲気や熾烈な面が見え隠れする。
④INFJの世渡り下手
INFJはISFJとは対照的にあまり自己保身に意識が向かわない。INFJの欲求は「相互理解」であるため対話を最重視する。INFJは人間関係に垣根がないタイプで、意見交換を行う際に年齢、外見、性別、立場などはあまり考慮しない。権力者でも間違っていれば反論するし、子どもでも相手が正しければ自身の誤りを素直に認める。
そのためか、Niの自律性や未来志向、理想主義に引っ張られてしばしば上層部や権力者に提言や諫言を行うことがあり、それが原因で組織集団内での立場を悪くしてしまう。上から目線・何様のつもりだと捉えられてしまうためだ。
そもそもINFJはSe劣勢が強く足を引っ張るために有能なタイプとは見られにくい。そしてINFJ本人としても出世意欲がさほどない。望むものといえば共存と全体最適化であって、政治や競争とは正反対の価値観で生きている。そんなヤツがいきなり提言したところで相手にされるわけがない。
そもそも権力者と同じテーブルについて「対話」を行うためにはその権力者と対等の地位の獲得、つまり出世が必要になるわけで、INFJはそういう現実的感性が欠けている。
INFJはこうして立場を悪くするが、それ以上に対話を拒否されたことに深い失望感を抱き傷付くことになる。そして受け入れられなかった失意から心を閉ざし、静かに離反していなくなる。これがINFJがひとつの組織集団にとどまれない理由のひとつで、悪名高き「ドアスラム」と呼ばれるものだ。
ただしINFJが提言や諫言を行う際は必ず一定の根拠性・対策案を伴っており、長期的に見ると後で問題点に直面する可能性は高く、そして取り返しがつかない。その点はINTJと同じく先見的で、INFJとしてはその問題点を回避したいと考えているが、他の多くのタイプは問題に直面してから対処すればよくね?というスタンスであるため、ここが決定的に合わない。
なおINTJとの違いは、自身の提言を争ってでも通そうとする点、俺の案を理解を示さないのは馬鹿なお前らが悪いという他責で考えるという点で、自分軸・他人軸(Te-Fi or Fe-Ti)の違いになる。
3.ISFJの恐れ INFJの憂い
ISFJやINFJは共に小心者で心配性だ。しかし心配するポイントが現在志向のISFJと未来志向のINFJでは少し違っている。
①未知のものを怖がるISFJ
ISFJは未知の事象・想定外の未来を漠然と恐れている。理由は「安全」が脅かされることが何よりも恐怖だからだ。そのため現在に意識が向かい、ミスや忘れ、不用意がないかを執拗に確認するきらいがある。
ISFJは石橋を叩いて渡る性分で、下準備や身支度、所持品が多くなりやすい。特に旅行や出張などは顕著で、あれもこれもと荷物を詰め込み過ぎてカバンが物凄く重くなってしまう。家族旅行やデートなどでISFJ女性のカバンを軽い気持ちで持ってあげようとすると、その直後に激しく後悔することになる。
恋愛においてもその傾向は見られ、ISFJは極めて奥手だ。好きな人がいても嫌われることを恐れてなかなか距離を詰めることができない。女性のISFJは男性からモテるが、自己評価の低さ、自身を後回しにしてしまう性分から、ESFPやENFPと違ってあまりうまくはいかないようだ。
この辺のメンタリティはINFJやINFPとさほど変わらず、枕に顔を埋めて足をバタバタさせているタイプだろう。
②悪い未来を憂うINFJ
INFJは未知の事象を調べ、想定外の未来を予見するためそれ自体はあまり恐れない。ただしその過程で知った将来発生する可能性の高いトラブルや問題点は無視できない性格だ。
トラブルは事前に回避したいと考えるため、あれこれ考えたり水面下で準備を進めたりするのだが、今現在やるべきことに意識が行かなくなり、ミスや忘れといった不注意を招きやすい。
また取り返しがつかない選択については踏ん切りが悪く、ナーバスになりやすい。これに直面した場合、INFJは時間をかけてかなり慎重に判断する。これも慎重すぎて動けなくなってしまったり、今現在やるべきことに対する対応力・即応性が落ちてしまう原因になる。
どちらの場合も周りに警告や諫言を行って働きかけることが多いのだが、周りはINFJの見たビジョンが当然見えないため、ウソつき・妄想癖・オオカミ少年といった扱いを受けやすく、日頃からこういった言動が多いので信用されないことが多い。今・現在に注目できないことがINFJの立場を危うくし、一カ所にとどまれない理由になっている。
4.不健全状態
①ISFJのSi-Tiループ
ISFJは補助機能Feが有効に作用しない環境・状況に置かれると、代替機能Tiが顔を出し勘繰りモードに入る。こうして主機能Siと代替機能Tiのループになるわけだが、このモードに入ったISFJは過去の参照と検証を繰り返す。
たとえるなら旦那の浮気を疑う主婦の勘といったものだ。スーツついた香水の匂い、見慣れない名刺、付着した髪の毛といった五感に基づく感覚と、異変が生じる前の過去との違いを比較して推論する、といった形になる。
ただしSiもTiも内心に留まる機能であるため、アウトプットを伴わないため外界に影響を与えることはできない。解決策が見えないまま疑心暗鬼に陥ったISFJはいつしか疲れ果て、思考を停止して塞ぎ込んでしまう。
②ISFJのNeグリップ
ISFJは未知や未来を恐れるが、Si-Tiループを繰り返して疑心暗鬼となり、劣勢機能Neを暴発させることで恐慌状態に陥ってしまう。こうしてISFJはネガティブな可能性ばかりが思い浮かんでしまい、それにただただ圧倒され、悪い意味で極端な発想に至ってしまう。
たとえばケンカで仲直りしてくれない友人同士に見かねて、あるいは親との関係性がうまくいかないときに、ネガティブな瘴気にあてられてしまい、自分を見失って自らが非行に走ってしまうといったところだろうか。
通常生真面目で小心者のISFJが非行をすることはまずないし、まったく「らしく」ない。しかし我慢して塞ぎ込んでいるうちに、心の内に溜め込んできた泥があふれてしまった結果、自暴自棄に至ってしまうという感じだ。
ISFJのNeグリップは自傷に近い。善良で心優しい彼らがここまで追い込まれてしまう前に、誰かが気付いてあげなければならない。
③INFJのNi-Tiループ
INFJは補助機能Feが有効に生かせなくなると、やはり代替機能Tiが顔を出し考察モードに入る。主機能Niと代替機能Tiのループにより、この先起こり得る未来の予測と検証を繰り返し、あれこれ思案して考え込んでしまう。
たとえるならカーナビだ。目的地に至るまで有料道路優先、一般道路優先、距離優先…とあれこれ考えてしまう。渋滞が発生していたなら回避するための場合分けがさらに増えるし、ルートから逸れているなら復帰するための再検索が入る…といった具合に、未来における予見可能性の思考量と負荷が急増していく。
これもNi、Ti共に内心に留まる機能でアウトプットを伴わないため、現在地から進まない。デッドロック状態のまま事態が膠着してしまうと、INFJはいつしか思考の回廊にとらわれてしまい、無限の彼方を彷徨うことになる。
④INFJのSeグリップ
INFJは停滞や膠着状態を恐れるのだが、Ni-Tiループによって精神を浪費すると、後先を考えない捨て身の行動に出て強制的に解決を図ろうとする。INFJは事態がもはやどうにもならなくなると、直談判や実力行使といった直接的行動を試みることで強制的かつ短絡的に物事を解決しようとする。壊れたカーナビは一直線に崖を目指すことになる。
それまで粘り強く対話や説得に応じてきたINFJが、お互いが意見を譲らないまま話が平行線となり、そのまま膠着して動かなくなってしまうと、強硬策に出てムリヤリ対話を実現させようとすることがある。INFJは「話せばわかる」を本気で信じているからだ。
ところが対話や話し合いの類というのは、実のところあまり現実的な方法ではない。実現させることがとても難しいからだ。強者にとっては、戦争や競争でわからせた方が手っ取り早く、対話に乗るメリットがない。また体制や秩序にとって「共存」とは危険な発想で、「排除」は安全な発想なのだ。
こうして対話を拒絶されたINFJは「お前なんかもう知らない」と言わんばかりに心を閉ざす。プライベートや個人なら表面上はあくまで平静を装いながら、しかし内面では「お前はここからいなくなれ」と言わんばかりに突き放して対話や理解を一切拒むようになる。これがドアスラムである。
この時INFJが強大な暴力や社会的影響力を持っていると恐ろしい話になる。その典型例とはテロだ。かつて信念や理想に燃えていた人間が、絶望の果てに闇落ちするほど恐ろしい話はない。
まとめ
今回はISFJとINFJのマニアックな話を書いてみた。掘り下げてみたつもりが、負の感情や不健全状態といったダークな話が中心になってしまったのだが、要はそういうことだ。
心優しい善人イメージのある彼らだが、彼らもまたこの現実社会を必死に生きているひとりの人間に過ぎないということなのだ。MBTIはそうした自身の弱いところを直視するのに役に立つ。参考になれば。