【MBTI】INFJ・INTJの「劣勢機能Se」を考える ①五感の弱さと不自由【心理機能】
仕事でやらかしがあったので、 憂さ晴らし 気分転換にINTJ・INFJの急所となる劣勢Seについて少し語ってみたいと思う。(※個人の感想です)
劣勢Seという悩みどころ
INTJやINFJは主機能にNi(内向直観)を持つ関係で、その表裏にあたるSe(外向的感覚)が弱いとされる。筆者も幼少期から「普通の人が普通にできることがいつも自分だけできない」という不自由感が常にあり、現在に至るまで日常的にこれに悩まされている。
「それはINFJの問題じゃなくてお前自身の問題では?」と思うかもしれない。確かにそれはもっともなのだが、不思議なことにネット掲示板のINTJ・INFJスレでもよく聞く話なのだ。サッカー・バスケ・飲食店のアルバイト・車の運転といったワードを出すと大抵苦手とか無理といったレスが返ってくるので興味深い。
そんなわけであくまでも筆者の場合(主観)となるが、劣勢Seだとどのような困り感や生きづらさが出てくるのか、綴ってみたいと思う。
1.視覚情報の弱さ
Se劣勢と聞いて、まずイメージするのは視覚情報の弱さだろうか。重要な情報をなんとなくで終わらせてしまうことが多く、後になって確認した時に記憶として残っていない、覚えていないという状況が多い。また覚えているつもりでも、自分の認識と現実(事実)の間に錯覚(食い違い)がしばしば起こりやすい。
①見間違えが多い
筆者は文字や数字の見間違えがかなり多い。これはnoteやブログをやっているときもそうで、執筆スピードは手癖である程度出せる半面、誤字脱字の正確なチェックはあまり向いていない。ガチでやろうとすると本文作成時以上の手間と時間がかかってしまう。
何故なのかと考えたところ、誤字脱字をチェックしてもあまり覚えていられないのが原因だ。ページを移動すると間違えた場所を忘れてしまうし、意識を切り替えると誤字脱字自体を忘れてしまう。
おそらくは視覚認知と作動記憶の弱さが原因と思われる。そのため間違えた個所に紙にメモり、Fキー検索を掛けて1記事ずつ修正していく方法じゃないと無理で、これは自分の中では苦行になってしまう。
数字になるとさらに顕著で、意味記憶(エピソード記憶)でごまかせないため、1と7、2と3、6と9、0の数(桁)などは特に間違えやすい。そのため復唱が必須なのだが、筆者は数唱自体ががあまり得意でなく、見て(読んで)認識している数と、実際に発音される数が違っている場合がある。
②空間認識能力の弱さ
筆者blueは地図を読むのが得意ではない。特に東京メトロの地下鉄駅などはありがちで、出口が大通りの交差点になっている駅などは迷いまくる。コンビニとか目立つ施設を目印にするのだが、いざ地上に出ると同じコンビニチェーンが2つあって絶望するパターンだ。スマホのGoogleマップを併用するのだが、それでも迷って明後日の方向へ歩き出してしまう。
筆者の場合、ブルーカラー作業員をやっていたので、これに加えて図面の読み書きもしなければならない。地図すら満足に読めてないのに図面とかどうしろと…(泣)
平面図ならまだしも、図面と現地を行き来して配管・配線・ダクトといった系統を追っていくセンスがまるでなく、合流、交差、天井裏で目視できない場合など散々困ったことがある。国家資格は言語系知能なのでパスできるがこちらはカラッキシだ。
③スポーツビジョンの弱さ
スポーツビジョンという概念がある。奥行きや距離感を測る「深視力」、動いたものにピントを合わせる「動体視力」、ピントの合う範囲の広さである「周辺視野」といったものだ。一流のスポーツ選手やレーサー、重機オペレーターなどはこのスポーツビジョンが強いらしい。
この3つが揃うと「間合い」や「当て勘」に強くなる。スポーツ、武道、工事作業、乗り物の運転、コミュニケーションなどに強くなるので、生きやすさに直結する要素と言っていいだろう。
日常生活だと周辺視野は結構重要で、なくした物を素早く探す能力は多分これだと思う。INxJは周辺視野が狭いためピントがシビアで「目を使う」作業はあまり向いていなさそうだ。
④視線移動が少ない
INxJは表情の変化や視線移動が少ないという話がある。一点を見つめている人が多いという話で、先駆者様のねむむ氏曰くネ〇ティオ、または穀意の目らしい。マイルドにするとハシビロコウみたいなイメージだろうか。彼らには少しシンパシーを感じる。
これは言語情報の処理に集中(ワーキングメモリを使用)するため、あるいは視覚情報の処理があまり得意でないために、視覚情報の取得に消極的だからなんじゃないかと思う。
こう考察したきっかけは車の運転だ。筆者の父がESTPで、妹がESFPなのだが、車の運転が上手さもさることながら、確かに視線移動が多い。バックミラー、サイドミラーをきちんと見る。きっと取得している視覚情報が多く、その処理能力も優れているのだろう。後述する車幅感覚も完璧だ。
そして割り込まれたくないのか、あるいは反射神経に自身があるのか、車間距離が短く、高速道路もよく飛ばす。目線については車の運転のみならず普段の生活からそうなので、SP型は動作を用いて外界情報を積極的取得したり、アクションを試して反応や変化を楽しみたいタイプなのだと思う。この感覚は筆者からは少し遠いかもしれない。
⑤左右盲(左右失認)
左右盲という概念がある。咄嗟の瞬間に右と左がわからなくなるのものだ。感覚で理解できないので「右ってどっちだ!?」という思考を一瞬挟むことになり、それがタイムラグになる。そんなバカなと思うかもしれないが、実際にそうなのでしょうがない。
これで何が困るかというと体育の授業だ。旗揚げゲームとかダンスの練習になるともう最悪で、醜態を晒しまくってしまう。車の運転も慣れるまでは苦労した。
無事オッサンまで成長した現在はバリウム検査の際に毎回困っている。何やらぐりんぐりん動く検査台の上でビチビチ跳ねたり回ったりするのだが、レントゲン技師の指示をすんなり理解できず、フリーズしたり奇妙なポーズのままNGになったりしているうちにゲップがでてしまい、発泡剤おかわりとなって文字通り泡を食うパターンだ。
これって攻略法あるのか。大人しく胃カメラにするべきか。
2.聴覚情報の弱さ
聴覚についてはやはり聞いた内容をそのままスルーしがちで、重要な情報をさらっと聞き流してしまいやすく、記憶として定着がしづらい。「9:00出発」と口頭でさらっと言われた場合、あとで思い返した時にあれ9:00だっけ8:00だっけ?と迷い、さらに「集合」だっけ「出発」だっけとあやふやになっていることがよくある。
①聴き間違え
数字の場合は「いち」「しち」、アルファベットの場合は「びー」「でぃー」「ぴー」「てぃー」などは電話音声だと分かりづらくなってしまう。URLを口頭で聞く場合はかなり神経を使う。
以前作業員をやっていた頃、先輩から「えんちもっていて!!」と言われて、よくわからずキョトンとしていると「えんち!!」とマジギレされるので、作業車から「電池」「レンチ」「ペンチ」「メジャー(センチ)」を抱えて持ってきたことがある。なお正解は「レンチ」だった。
②聴覚情報処理
こうした「レンチ」のような聴き間違えについては、聴覚情報処理に難があることが原因のようだ。たとえば工事現場、滝、大雨、台所など流水の流れる場所、雑踏・喧噪のある繁華街などの場所だと、「音声」を意味(言葉)として認識しづらくなってしまう。
いわゆる「カクテルパーティ効果」が働きにくく、声が聞こえていて何かを喋っているが、内容はわからないという状況になりがちだ。作業員時代はインカム(無線機)でやりとりをしていたので聞き取りに結構苦労した。
プライベートではたとえば居酒屋での飲み会などは、唇の動き、周りのリアクションといった視覚情報で状況を把握したり、今までの会話の流れ、話し手の性格といった背景を洞察して内容を補完したりしがちで、ワンテンポ遅くなりやすい。
3.オブジェクトの認識の弱さ
筆者の中でSe劣勢と感じる要素は、モノや地形といった各種オブジェクトの認識の弱さもある。モノを持った感覚、モノを置いた感覚、モノが「そこにある」という認識が薄いせいで、忘れる・なくす・ぶつかるという状況が起こりやすい。
①無くし物が多い
筆者はモノをよくなくす。視覚認知、触覚認知、作動記憶が弱いのか、置いた場所を忘れたり、置いた事実そのものの記憶がなくなったりする。これはPCなどのバーチャル上でもそうで、仕事・プライベート問わず「ファイルの場所」といったものも当てはまる。どんなことを書いていたかという内容は覚えているが、ファイルの保存場所には注意を払っていないためだ。
とくにやばいのは暗証番号・パスワード関連で、ソラで覚えていたはずがある日忘れていたりする。そのための備忘録は必ず作っているのだが、備忘録自体の場所または存在を忘れてしまい、困ったことになりがちだ。
②忘れ物も多い
それから忘れ物も多い。一番多いのは傘で、何本忘れているのかもうわからない。そのため消耗品として割り切っている。自宅の電灯やエアコン消しもバタバタしていると忘れることが度々ある。特に換気扇は鬼門。
スマホも忘れがちで、自宅に忘れた、移動中の電車に忘れた、カフェに忘れたと定期的に筆者の手元から脱走してしまう。会社スマホは現在のところ2敗だが、最終的に還っているのでノーカンで済んでいる。だが危うい。
これ系で一番失敗したのは中高時代の夏合宿だ。筆者は弓道部だったので袴(はかま)を持って行くのだが、なんとその袴を忘れてしまうw この合宿は4泊5日行程であったためもはや地獄としか言いようがない。これは途中寄ったパーキングから東京湾泳いで取りに帰りたくなった。本当にひどい。
③操作ミスも多い(機械音痴)
最近はPCやスマホなどの電子機器が増えたが、操作ミスが多くて困りものだ。たとえば横浜市に住んでるお客様に直接電話番号を掛けようとすると、自分では045(市外局番)を打ったつもりが、スマホは048とか042とミスタイプしてしまい、間違え電話になるとかだ。このミスはタッチパネルになってから増えた。
ちなみに筆者は表の顔としてビルメンテナンス作業員をやっていた時期があるのだが、上記の図面の話もあって機械音痴を自覚している。プライベートで既にポンコツなので「これはいつか絶対やらかすぞ……!」と思い、命惜しさに営業職に トンズラ 転職した経緯がある。
資格取得と勤務態度だけはマジメだったので「blueくんなら電験三種楽勝でしょ^^」と太鼓判を押されたが、こんなのが電気主任技術者なんてやらされたら命がいくつあっても足りやしない。リアル(物理)の方の意味で物件が炎上してしまうし、何ならヤキトリになってしまう。
っていうか俺もともと法学部っすよ。オマエなら感電しても骨が透けて見えるギャグ描写になるから多分助かるし大丈夫だよって、俺のこと一体何だと思っているんだ。そいつは無理って相談だ。
④FXで100万円近く吹っ飛んだ話
これ系で一番酷い話はトレードだ。筆者はFXの運用はかれこれ10年以上やっているが、毎年黒字で負けたことがない。ただし大損したことが過去3回程あって、いずれもPCやスマホアプリの操作ミスが原因だ。
具体的には「全決済」ボタンを誤って押してしまったことで含み損がすべて確定決済されてしまったパターンだ。筆者はこれで2敗していて、合わせて70万円近くが飛んだ。
もうひとつが「両建てあり」だと思っていたものが、実際には「両建てなし」設定になっていて、売りで入ったつもりが単純に損切りとなってしまったパターンだ。これはつい最近のもので30万円くらい飛んだ。たかがスマホの操作ミスで合わせて100万円ボッシュート。余も松だよホント。
⑤ペリパーソナルスペースの弱さ
筆者はペリパーソナルスペース感覚も弱い。これはなんなのかというと、自分の身体と一体として認識している範囲のことだ。つまり全裸なら体本体、服を着た状態ならその服の厚さの分、傘を持てば取ってから石突きまでの長さ、車を運転しているなら車幅や長さ……という感じになる。
これの不調は割とSe劣勢あるあるだと思う。ネット掲示板で、INxJは車の運転が苦手という意見が多く見られたのだが、これは前述の視覚情報の少なさと処理能力の低さ以外に、この感覚が適切に働いていない可能性がある。
車運転しない人なら、たとえば足の小指をぶつけて悶絶とか、工具や脚立を壁や什器にぶつけないようにいつもヒヤヒヤしながら運ぶとか、渋谷のスクランブル交差点で人混みに流されて進めないとかだろうか。
4.時間感覚の弱さ
これはMBTIの各タイプ解説や心理機能の解説ではされていない話で、筆者の憶測の域を出ないのだが、N型だとおそらく時間感覚も弱くなりやすいと思う。この話で少し触れている。
具体的には、ENxP(Ne主機能・Si劣勢機能)は潜在抑制機能に難があり、好奇心に引っ張られてしまうことで、INxJ(Ni主機能・Se劣勢機能)は長考・未来志向によって今現在に注意が向かわなくなってしまうことで、時間を忘れてしまいがちなのではないかと思う。
自分の場合は「為替と株のニュース」はヤバい。これを聞くとPCやスマホでレートを確認したり、場合によっては注文や決済を行ったりするのだが、無意識のうちに長考が始まったりして、遅刻まっしぐらになりがちだ。
①遅刻癖
そんなわけで筆者は遅刻癖のきらいがある。一応真っ当に社会人やれているのは、それでもなんだかんだ遅刻していないからなのだが、実態かなりギリギリで、朝などはRTA感覚で駅や職場まで走っていることが多い。
自分の場合は、やはりワーキングメモリだと思う。サイフ、スマホ、定期券、メガネ、マスク、腕時計、私用PC、会社PC、その他仕事で必要な書類、……とあれこれ探し回ってるうちに時間ギリギリになってしまうパターンだ。
そんなもん夜のうちに準備しておけよと思いきや、夜は夜で自分の好きなことをやっていたいし(仕事のことなど1秒も考えたくない)、そもそも寝落ちしてその余地すらない場合もあったりで、いつもこんなだ。
②人付き合いの時間的スパン
それから、地味ながら人とズレてるなと感じるのは人付き合いのスパンだ。自分の中での「久しぶり」は2~3年くらいなのだが、普通の人は3か月~半年くらいらしい。3か月って「いつも」でしょw
LINEやメールの返信が遅い。ブログも勉強も集中して一思いにやっつけてしまいたいタチなので、何かに集中しているときにそれを中断して意識を切り替えることが苦手だ。徒歩移動中もスマホはあまり見たくない。電車移動中はオークションとかトレードとかブログ記事のアイデアとか別のことを考えていることが多い。
その間にLINEやメールが入ったりするとダメなのだ。おかげで親戚関係など流れの速いLINEはいつも乗り遅れてロム専になってしまっている。
表面上は無難に繕っていても実態はこんな体たらくなので、せっかく築いた人の信頼や関係性を失いやすい。わかっていながらも、その辺の危機感が足りてない。
まとめ
筆者なりにSe劣勢の不自由を列挙してみた。これって劣勢Seではなく不注意特性の話だろ!病院行けよというツッコミが入るかもしれないが、INTJやINFJからすると割とあるあるというか、共感する部分も多少あるのではないかと思う。
いずれにしても五感・空間・時間の認識の弱さがテーマで、その中に作動記憶(ワーキングメモリ)の弱さゆえに予見や対策ができない部分が、不注意特性として顕現するイメージだ。
MBTIタイプといわゆる発達障害傾向は別の概念で、因果関係はないとされている。こうした不注意特性を持たないINxJはいるのかもしれないが、肌感覚では有意な傾向性はあると感じていて、大数で見た場合もパターンはありそうに思える。そういった調査・研究は今後に期待なのかな。
こうした外界把握能力の弱さ・作動記憶の弱さが、即興対応力の弱さ・マルチタスク能力の低さとして、日常生活や労働生活に不自由感として表出することで「生きづらさ」につながるのではないかと考えている。
それを回避するにしろ、克服するにしろ、苦手とする「アドリブ」とどう向き合っていくかが、INxJの鍵となりそうだ。