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公務員試験(筆記試験)に有利な人・向いている人・受かりやすい人

 MBTIばかりだと飽きるのでたまには違う話題を、というわけで今回は公務員試験についてしゃべってみることにする。

7月も終盤になると大学生は夏休みを迎え、新卒就職活動シーズンに入るが、イマイチ就活に興味を持ちにくい人もいるのではないかと思う。他方、公務員試験に興味を持ってはいるものの、難しいと評判なので尻込みしてしまう人もいるだろう。

そこで公務員試験に有利な人たちを筆者の経験に基づきリストアップしてみた。このnoteには大学生が結構いるようなので書いてみた次第だが、進路選択の一考になれば幸いだ。


結論

 「英語が得意な国公立大学の経済学部生」が公務員試験では最強だ。これは自頭の良さもさることながら、その人が勉強してきた内容と、筆記試験で出題される分野が被る率が高いためで、下手すると素で通ってしまう可能性すらある。

ただしそういったエリートでなくとも、抽象的思考を好む人は公務員試験の筆記試験をパスしやすい可能性はある。むしろ実際の受験生はエリートよりもこちらの方が多いのかもしれない。実際筆者もそうだった。

1.英語が得意な人

 英語が得意な人は公務員試験では最も有利だ。特に国家公務員系の試験は抜群に有利だ。教養試験のみならず専門試験(科目選択式)でも出題がされるため、これを突破できる程度の英語力を持つ人は得点ベースにしやすい。

資格加点制度に使える、自己PR・ガクチカにも利用できると用途が非常に広い。英語の勉強自体は別に公務員試験に限らず、民間就職活動やプライベートなど他でも使えるスキルなので汎用性も広い。なので公務員試験受ける・受けないかかわらず、大学1年生・2年生は何やるべきか迷ったらとりあえずTOEICでも勉強しておくとよい。民間就職・公務員試験問わずそれは役に立つ。

2.国公立大学を受験・または文転した人

 国公立大学を受験した人、または文転(理系学部志望だったが途中で文系受験に切り替えた人)した人も公務員試験は強いだろう。公務員試験の教養科目には数的推理(簡単に言うと高難度版SPI)とは別に、自然科学(数学、物理、化学、生物、地学など)からの出題もされる。

中には東京都特別区のように1問ごとに回答する問題を選択できたり、東京消防庁のようにこれら区分からの出題が多い試験もあるため、元からできる人は勉強時間を軽減できる。

公務員試験で出題されるとはいっても、行政職(文系)向け試験のためそれほど難しい問題は出ない。正答率が低すぎて解けないためある程度簡単にせざるを得ないためだ。なので大学受験で途中までこれらを勉強していた人はサービス問題となる。

3.中学受験経験者

 これは有名だが、公務員試験は中学受験経験者が有利だ。理由としては、中学受験算数と公務員試験の数的処理・判断推理・空間把握はかなり似ているからだ。特に空間把握はよく似ている。平面図形の上を点Pが動いたりするやつとか、立方体を斜めに切断して切り口の形を見るやつとかだ。

SPI自体が中学受験の算数によく似ているのだが、公務員試験の数的処理はその高難度版みたいな感じなので、当時受験していてそれなりに得意だった人は有利と思われる。中学受験の算数で偏差値60くらいあった人は得点源にできるかももしれない。

なお筆者は経験者だが算数はまったくできなかった。点Pが動くとマジ困る。ド文系なのは昔からな模様。

4.経済学部出身の人

 経済学部出身の人は公務員試験で有利だ。公務員試験では、マクロ経済学、ミクロ経済学、財政学、経済事情(いわゆる時事問題)、会計学(国税専門官試験のみ)などが出題されるためだ。

ミクロ経済の利潤計算(P=MC:プライステイカーの法則 限界費用MCを微分で求めて利潤Pを求める)とか、マクロ経済学の乗数理論(政府支出Gを増した時の国民所得Yがいくら上昇するか)といった計算問題が出題されることがある。文系受験生は大抵苦手とするので、ここを素でできる経済学部生は有利だろう。

余談だが、筆者が一番役に立っている公務員試験勉強の知識は財政学である。株やトレードをやる人は公務員試験用の財政学・時事問題用テキストを読んでおくといいかもしれない。

5.法学部出身の人

 法学部出身の人も公務員試験は有利ではあるが、イメージに反して意外とメリットが薄い。英語や経済学の方が出題範囲直結で点が取りやすいからだ。

というのは公務員試験で出題される法律系科目は憲法、民法、行政法くらいしかなく、刑法は裁判所職員で、労基法は労働基準監督官試験で使う程度しか出ないからだ。商法、会社法、訴訟法といった法務系実務に携わる人が使いそうな科目からは出ない。

その民法は少し大変だが、英語や経済学など他でカバーできるなら最悪捨てても問題ない。憲法や行政法はウェイトはそんなにないので、非法学部でも問題ないだろう。実際のところ公務員試験は英語や経済学を学んでいた人の方が強いと思う。

6.上記のような特殊能力を持たない場合

 上記のようなスキルを持たない人種でも筆記試験に受かる人はいる。それは抽象的思考を好む人で、たとえば以下の2つのパターンだ。MBTIでいえば直観型(N型)の得意とする分野になる。

歴史・思想哲学の類が好きな人

 抽象的思考を好む人は公務員試験に適性がある。公務員試験は英語・数的・経済学ができない人は最終的に暗記勝負になるわけだが、これは抽象的思考が得意な人の方が捗りやすいからだ。

まず教養試験では人文科学という分野がある。これは日本史、世界史、地理、思想から出題されるが、まともにやると範囲が広すぎて終わらない。そしてその割には出題数が少ないので割に合わない。余談だが、MBTIの祖となったユングもここで出てくる。

しかし抽象的思考を好む人だとこのあたりの分野は勉強のストレスにならず学習速度も速いことが多い。そして択一式なので書けなくてもよく、正誤判定できれば足りるためやりようはある。

 専門試験も同様で、政治系科目(政治学、行政学、社会学、経営学、国際関係、社会政策)もノリは同じで、むしろこちらが本領となる。これらの科目は、ウェーバー、ギューリック、デュルケム、バーナードなど大量のオッサンの名前と学説をひたすら覚えていくことになる。軽く100人は超えるだろう。顔は別に覚えなくていい。

中には分野にまたがって出現するオッサン、名前がソックリなオッサンなども出てくるため紛らわしく、提唱してくる概念もたまに難解なことがある。そのため本質的にこういう思想や抽象論の類が好きな人ならノーストレスで学習できるが、苦手な人の場合には学習に苦痛を伴うものと思われる。

現代文のテストが得意な人

 中学受験、大学受験で現代文のテストが得意だった人は公務員試験向きである。教養試験には文章理解(現代文)の問題が出題されるので、ここで確実に正解できると少し楽ができる。筆者は基本馬鹿なのだが現代文と世界史だけ何故か偏差値が70あったタチで、文章理解には点数面で随分助けられた。

また現代文が得意な人の真価は、試験自体の攻略スピードの速さにある。公務員試験はとにかく範囲が広く、浅く広く様々な分野から出題がされる。仮に現代文の偏差値70の人は、その文章読解速度、および抽象的概念の解像度でもって各種出題科目を理解・学習していくため、学習内容をマスターするペースが速い。

 まだある。現代文が得意な人は試験における得点力が高い。

公務員試験は就職試験にすぎない。公務員試験は官庁訪問(面接試験)からが本番なのと、一度受かってさえしまえば公務員なので後は振り返らない。つまり司法試験、司法書士、公認会計士、税理士、社労士などと違ってプロ受験生がいない試験なのだ。大学生にしろ、社会人にしろ、無職にしろ、皆が実務未経験の素人受験生だ。

それでいて範囲も異様に広い。つまりこの試験を万全な状態で迎えられる受験生はおそらく皆無だろう。皆が準備不足の状態で挑み、苦手分野が存在し、その中で競うことになる。

 つまり知らない知識、わからない問題が普通に出るわけだが、その中にあって消去法や推論などを使って1点でも獲得しようと悪あがきする人は、本来の実力以上に粘る。現代文が得意な人はそういう強さを持っていることが多い。純粋な実力で劣っても勝ち切る能力が高いのだ。

余談だが、MBTIでいうNiユーザー(INTJ・INFJ)は現代文が得意な人が多いというウワサがある。これも筆者がネット掲示板で聞いてみたことなのだが、一定の傾向性はあったように思う。おそらくはNi(内向直観)を使って文章の大意・大枠を掴むのが上手いためだろう。

まとめ

 今回は公務員試験に向いている人について説明をしてみた。筆者はコッパン・国税最終合格後、無い内定という一番カッコ悪い落ち方をしてしまい、ケチなトレーダー兼サラリーマンをやっている身なのでイマイチ説得力には欠けるのだが、それでも後悔はしていないし、人生において何かに向けて全力で努力・勉強をする時期は多少ならあってもいいと思ってる。

失敗してもまったくの無駄になるわけでもなく、これまで自分がやってきたことは何かの形で生きる。それは公務員試験も一緒なのでそこは安心していい。おかげで筆者も餓氏しないで済んでいる。

 また公務員試験は何らかの思想・哲学を伴うものが多いので退屈しにくく、新たな発見や価値観を得られるのもいい。これが社労士試験や宅建士試験だと逆で、思想性を伴わず重箱の隅をつつくような問題がひたすら出されるので結構しんどいイメージがある(まあその社労士は落ちたんだが)

就活を控えているけどやりたい仕事が見えない人、あるいはその逆で営業を絶対にやりたくない人などは、予備校に説明を受けてみるのもいいかもしれない。よい夏休みを!

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