おすすめTV番組「100分de名著」

紹介したい本がある。その前にその本と出会ったTV番組を紹介したい。

その番組とはNHK教育で毎週月曜日10時25分から放送している100分de名著という番組だ。一冊あるいは、同一の著者(夏目漱石とか松本清張とか)のもの4冊を月ごとに25分ずつ4回に分けて紹介する。紹介する本は哲学書、小説、宗教書、エッセーなどである。

NHK教育の番組は面白いと思う。日曜美術館やららら♪クラシックのような上品な趣味に対応する番組(私にはわけがわからないがたまに見るときもある)、地上波で唯一囲碁・将棋の対局を放映するNHK将棋トーナメント、NHK囲碁トーナメント、従来の福祉番組の枠に収まらない障害者番組「バリパラ」など面白くかつ独自路線だ。「達」×「達」も面白いかな。真面目なイメージだが意外と攻めているTV局だと思う。

さて、番組の話に戻すと、MCは伊集院光さんとNHKの女子アナウンサー(今は安部アナウンサー)のペアで解説の方が一人というのが通常の体制になる。あと毎月朗読には安達祐実さんから市川猿之助(4代目)さんまで幅広いタレントさんを用意してくる。今やっている吉本隆明「共同幻想論」は榎本明さんだ。

個人的に素晴らしいと思っているのはMCの伊集院さんのコメントの的確でかつわかりやすくかつユーモアのあるコメントだ。ペストの回では内田樹さんに「素晴らし読解ですね」と言わしめるほどだ。

伊集院さんのコメントの素晴らしさは再放送や番組を何度か見直すとよくわかる。言葉が全く古くならないし、再放送や昔のものを見ている感覚にならないのである。そして何回聞いても発言が新鮮であるから飽きない。知性のある人の言葉というのはかくあるものかといったところだ。もちろんスタッフの方の言葉の切り取り方のセンスもあるのだと思う。その辺含めても、この番組のクオリティーの高さを表しているのだと思う。

お腹を抱えて笑うような番組ではないと思うが、人生のヒントになるような知識や知恵がこの番組にはあると思う。見ててもピンと来ない月もあるかもしれないが読書にしてもあたりは3冊に1冊といわれる。自分の人生を豊かにする投資だと思って見ていただければと思う。

※私はNHK教育の回し者ではありません。

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