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2015年7月。留学生との約束を果たしに、ブルネイへ行ってみた。
大人になっても「夏休みの冒険」という単語には心躍りますね。
私もそんな冒険の思い出を一つ、記事にしてみたいと思います。
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今回はインバスケット関連の記事をお休みし、クロサキナオさんの企画に参加しております。
#クロサキナオの2024SummerBash
https://note.com/kurosakina0/n/nca6ac9a35baa
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「ブルネイって知ってる?」
これが私とイザットが交わした初めての会話です。
関西の大学生だった私は、7月初旬に開催された留学生交流会で彼と出会いました。
※当時の私はブルネイという国を全く知りませんでした。東南アジアのボルネオ島北部に位置するイスラム教国です。
そんなブルネイからの留学生だったイザットは、聡明で勤勉、「日本語は勉強中だからちょっと恥ずかしいんだ」とよくはにかむ、非常にチャーミングな人。家族や後輩の為にと人一倍努力する彼の姿は、日々を浪費するだけのダメ学生だった私にとって、ただひたすら眩しかったのをよく覚えています。
きっと自分はこのままじゃだめだ。
漠然と、でもはっきりとそう感じました。
たった数日の交流でしたが、自分を見つめ直すきっかけをくれた彼には感謝しかありません。
「今度はブルネイへ遊びにきなよ!家族に紹介するから!」という彼の別れ際の言葉が、ずっと心の片隅に残っていました。
再会のチャンスは突然やってきた
大学を卒業して社会人となった私は、日々の仕事を乗り切るのに精一杯。鮮明だったイザットとの出会いも、頭の中の「楽しかった大学の思い出ボックス」へ突っ込んだままでした。
でも、就職してから3年が経ったある日。
突発業務で一ヶ月ほど変則勤務をした結果、7月に1週間の休暇が取れる事になりました。
何しよう?どこいこう?
急に降って湧いた長期休暇に浮足立つ中、ふと思い出したのがイザットとの約束でした。
ん?1週間あればブルネイ行けるんちゃう?
居ても立ってもいられず、Facebookから連絡をしてみると、二つ返事でOKをくれるイザット。相変わらずのナイスガイ。
AirAsiaで航空券を予約した私は、奇しくも初対面から4年後の7月に、イザットとブルネイで再会を果たしました。
留学後にブルネイ王国軍での従軍経験を挟み、高校の物理学教師になっていたイザット。学生時代はひょろっとしていたのに、訓練のおかけで精悍な青年になっていました。4年の月日を実感した一方、空港でも学術誌を読む彼の横顔は変わらず真面目そのもので、なんだか嬉しかったです。
空港にはイザットのお母さんも一緒に来てくれました。目元がイザットによく似ており、小柄で優しそうな第一印象だったのですが、運転の仕方がとにかくワイルド。
やたらとでかいJeepを巧みに操り、渋滞の隙間を縫うように70km超で爆走。邪魔する車にはクラクションを連発し、態度の悪い隣のドライバーには鋭く叫ぶお母さん。いや、これはもうオカンと呼ぼう。
ハチャメチャだけど、とってもチャーミングなのは親子共通でした。言葉は通じませんでしたが、人柄の温かさは伝わるものですね。
お前の家、地元のスーパーよりデカいやん。
実はブルネイって天然ガスや石油の取れる国で、とってもお金持ちな方が多いんです。確かに車窓からも大きな家が並んでいます。
などと他人事に思っていましたが、イザットの実家はその中でも特にデカい。地元にある路面店のスーパーよりデカい。廊下もめっちゃ長い、学校のプールなんかより絶対長かった。
一番衝撃だったのが、ペットのイグアナちゃんのお部屋が8畳くらいあったこと。当時私の住んでいたアパートは実質4.5畳。ちょっと泣きたくなりました。
水上の村 カンポン・アイールへ
滞在期間中、イザットは私を色々なところへ連れて行ってくれたんです。
イスラム教徒の方がお祈りに集まるモスクや超ローカルな売店、現地の学校、更に親戚の結婚披露宴にも飛び入り参加もさせて貰いました。異文化交流最高。
日本人は珍しいらしく、どこにいても「お前どこから来たの?」「美味しいからこれ食べてみ!」とちょっかいをかけてくださる皆さん。本当に優しい。
とても良い思い出ですが、苦手なドリアンを分かってて食べさせるのだけは勘弁してほしい。特にオカンがずっと爆笑してた、ヒドい。
素敵な思い出だらけですが、一際思い出深いのがカンポン・アイールという水上の村。ブルネイの中でも伝統的な地域で、湖の上に集落を形成している珍しい場所。
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![](https://assets.st-note.com/img/1720915018317-iznUX4RTCM.jpg?width=1200)
家々の間をタクシー代わりのモーターボートで走ったり、現地の子供たちに現地語でいじられながら一緒に遊んだのも素敵な経験でした。
道中にイザットが教えてくれましたが、この地域に住む事はブルネイの方にとって非常に意義深く、一種のステータスになっているらしい。
彼もできるなら住みたい!と語っていましたが、どうやら簡単には住めないみたい。昔からお住いの方が優先されたりするのかも?
夕飯を作る音や子どもの歓声をBGMに、イザットとゆっくり話しながら沈む夕日を眺めていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1720917566122-YosQrwk1pH.jpg?width=1200)
この旅行から帰った後も、イザットとは数年間メールや手紙のやり取りが続いていました。しかしお互い仕事の状況や家庭環境も変わり、今は連絡を取っていません。
この記事が書き終わったら、久しぶりにメールを送ってみようと思います。
願わくば「お互いおっさんになったな」と、昔みたいに笑いながら話がしたいものです。
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