ハム、ソーセージは...毒の王様(2)
製造過程において、生成されるN-ニトロソ化合物ですが、添加物である亜硝酸塩の存在で前回(1)で書かせていただいた通りです。
今回は、その製造過程における生成によってのリスクを深堀します。
亜硝酸塩がない場合、N-ニトロソ化合物の生成量
N-ニトロソ化合物は、一般的に亜硝酸塩が存在する条件下で生成されますが、亜硝酸塩が存在しない場合でも、他の化学反応によってN-ニトロソ化合物が生成される可能性があります。
例えば、タンパク質と窒素化合物(例:アミノ酸、アンモニア)が反応してN-ニトロソ化合物が生成されることがあります。これは、加工肉製品や肉製品に含まれる窒素化合物が加熱されることで起こります。また、肉の自然な微生物や酵素が存在する場合、これらもN-ニトロソ化合物の生成に関与する可能性があります。
ただし、亜硝酸塩がない場合、N-ニトロソ化合物の生成量は通常低くなります。亜硝酸塩は通常、食品の保存や加工中に添加される防腐剤として使用され、加工肉製品などの食品に含まれています。そのため、亜硝酸塩を含まない食品や加工法を選択することで、N-ニトロソ化合物の生成を最小限に抑えることができます。
普通の食肉と加工肉を比較した場合、加熱調理によるN-ニトロソ化合物などの発がん性物質の生成量には差がある可能性があります。これは、加工肉と非加工肉が異なる性質を持つためです。
加工肉:
加工肉は、保存や風味の向上のために添加物や亜硝酸塩が使用されることが一般的です。これらの添加物は、高温での調理や加工過程でN-ニトロソ化合物の生成を促進する可能性があります。
また、加工肉は通常、処理された状態で販売されるため、調理時に既に添加物や亜硝酸塩が含まれています。
普通の食肉:
一般の生肉や魚などの食材は、加工されていない自然な状態で販売されます。通常、添加物や亜硝酸塩が含まれていないため、その生成量は加工肉よりも低い可能性があります。
ただし、生肉や魚を加熱調理する際にも、タンパク質やアミノ酸といった成分が反応してN-ニトロソ化合物が生成される可能性がありますが、その量は加工肉ほど高くないと考えられます。
加熱調理によって発がん性物質の生成量がどれほど異なるかは、調理法、温度、時間などの要因によって異なります。一般的には、加工肉の方が発がん性物質の生成量が高いとされています。
加熱しないハム、ソーセージの危険性は?
加工肉であるハムを焼かずに食べることで、発がん性物質の生成を最小限に抑えることができます。
したがって、ハムなどの加工肉を焼かずに生で召し上がることで、これらの発がん性物質の生成を避けることができます。また、加工肉を調理する場合でも、低温での加熱や加工肉の過度な焼きすぎを避けることで、発がん性物質の生成を抑えることができます。
しかし、一般的に、加工肉には発がん性物質の含有量が一般の生肉よりも高い傾向があります。これは、加工肉の製造過程で発がん性物質が生成される可能性があるためです。特に、ハムやソーセージなどの加工肉は、調理時に高温で焼かれることが一般的であり、この過程でポリシクリック芳香族炭化水素(PAHs)やN-ニトロソ化合物などの発がん性物質が生成されます。
具体的な差は、加工肉の種類や製造方法、調理方法などによって異なりますが、一般的には加工肉にはより多くの発がん性物質が含まれるとされています。例えば、ハムやソーセージは、生肉に加えて塩や保存料、香辛料などが添加され、加熱処理や燻製などの加工工程を経て製造されます。これらの過程で発がん性物質が生成される可能性が高まります。
ですから、調理パンなどに使われているハムやソーセージは、製造段階でN-ニトロソ化合物などの発がん性物質を含んでいる可能性があります。
しかし、加工肉の製造過程で発がん性物質が生成されるかどうかは、製造方法や添加物の種類、調理方法などによって異なります。また、規制や製造プロセスの改善によって、発がん性物質の生成が抑えられる取り組みが行われています。
加工肉を電子レンジで加熱する場合、高温での加熱時間が短いため、発がん性物質であるN-ニトロソ化合物の生成は一般的には増加しません。
電子レンジは一般的に加熱の方法としては比較的穏やかなものであり、焼くなどの高温調理方法よりも発がん性物質の生成を抑える傾向があります。
しかしながら、電子レンジやIHは水分子を変えてしまうのでおすすめできない調理法ということを一言付け加えて終わります。
あなたの健康にお役立てくださいませ。
もう一つ特記すべき危険物質について、その(3)へ続く。
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