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勇気をもって信仰を生きる

国際的ファッションモデルとして活躍したポール。華やかな生活を送りながらも、彼にはずっと求めていた愛がありました。あらゆる困難を乗り越えて、彼が出会った最高の愛とは?

同性愛の傾向をもつ人々のためのミニストリー、Courage Internationalのメンバーであるポールの話をご紹介します(以下、和訳。リンクは文末)。

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あらゆる困難を乗り越えて

ポール・ダロウ
2015年6月2日

ある赤ちゃんのお話をしたいと思います。母親が堕胎しようと考えた、お腹の中の赤ちゃんの話です。10歳になるまでに叔父や兄、近所の年上の人から性的虐待を受けた男の子の話です。

この子は5歳の時から大学に進学するまで、暴力的な父や兄からいつ殴られるか、いつ撃ち殺されるか、といつも怯えながら生きてきました。もう皆さんは、お気づきかもしれませんね。私が自分の幼少期について話していることに。

大学4年生になる頃には、私はモントリオール、マイアミ、ニューヨーク、パリ、フィレンツェ、ローマの街をうろついて、自分を愛してくれる男性を探し回っていました。私を愛してくれる、いろんな男性に出会いましたが、それは私が求めていた類の愛ではありませんでした。

他者からの、特にハンサムな男性からの承認が欲しくて、私は国際的ファッションモデルになる道を選びました。自分の人生の目的は、私を永遠に愛してくれる完璧な 「白馬の王子様」を見つけることでした。その完璧な王子様を見つけることはできませんでしたが、有名な実在の王子や自分でも恥ずかしくなるほど無数の男性と親密な関係になりました。私はセックス依存症になっていました――この言葉を初めて耳にするより前に。

多くの同性愛者と同じように、私はカトリック教会を憎んでいました。それはカトリック教会が、私が「最も崇拝するもの」と私の間に立ちはだかっていたからです。「セックス」が私の神でした。私にとって「ゲイ」は自分の一部以上のものでした――「己」そのものだったのです。

もし神の恵みが私のいのちを救ってくださらなかったら、私の物語はここで終わっていたでしょう。時が経つにつれ、私は自分の人生のなかで偶然起こったいくつかの ”霊的な出来事”に目が留まるようになりました。次第にはっきりしてきたことは、私は「神の子」で、カトリック教会に戻らなければならないということでした。そうやって40年も経ってから、私は教会に帰ってきました。それは本当に素晴らしかった――告解をし、もう罪をおかさないことを神に約束し、大喜びで御聖体を受けました。

その後、大きな壁にぶちあたりました。少しずつ理解し始めるようになったからです――性行為の本来の目的と、性的親密さは一人の男と女の「結婚」という聖なるきずなだけに属するのだという真理を。私の目はようやく、人間の体の「神聖さ」という美しさに開かれたのです。

しかしどんなに必死にあがいても、自分を支配する性的欲望の誘惑に私は勝てませんでした。告解やミサにあずかっては、肉欲の罪をおかし、同じパターンを何度も繰り返しました。自分の性的欲求と信仰の狭間で、恥ずべき秘密を生きていると感じていました。貞潔の徳なんて、自分には無理だと思い、悲嘆のなかで自分を見失ってしまいました。

そんな時、カトリックの使徒職団体である「Courage(=勇気)」を耳にしました。「同性愛者」という不完全で一面的なアイデンティティを超えて、キリストのうちの完全なアイデンティティへと踏み出したい――そう望む、同性愛的傾向をもつ男女に奉仕する団体です。

私はCourage創設者の一人であるジョン・ハーヴィー神父様と親しくなりました。勇気をもって同性愛的欲求と戦わなければならない、その理由を彼が優しく説明してくれるのに耳を傾けました。Courageは私に、性的欲求の鎖から、いつかは解放されるという希望を与えてくれました。過去の生き方から距離を置き、過去の生き方を支持する人たちからの反発を恐れずにすむよう、自信をくれました。私はロザリオを祈ることを始め、聖体礼拝をしに聖堂を訪れるようになりました。

徐々に、自分の性的欲求を抑えることができるようになってきました。そして何ヶ月もの敗北の末、神の恵みに満ちたある瞬間、私はその欲望に屈することがなくなりました。以前は不可能だと思っていたことができたことで、瞬時にして、すんなりと完全な貞潔の生活を始めることができたのです。数年前のこの祝福された瞬間以来、私は今もこの生活を続けています。

自分の「同性愛者」という不完全なアイデンティティを、完全なものと取り替えることで、私はそれまで知らなかった喜び、自由、そして霊的に満ち足りた生活を神から与えられました。私たち皆が、勇気を必要としています。「体の神聖さ」を脅かす巨大な文化の波に立ち向かうために。私は神の恵みとCourage使徒職のおかげで、主の光にすっかり心を奪われてしまいました。

約40年間、「同性愛者」というアイデンティティにどっぷりと浸かり、それに依存してきました。だからこそ、今の私は皆に証明できるのです――自分の性的傾向や破滅的文化の圧力に屈することなく生きるチャンスは、いつも誰にでもある、と。

私の華々しかった人生の最高の瞬間は、美しく有名で裕福な人々と共に、豪華なペントハウス・パーティーに興じ、マンハッタンの壮大なスカイラインを眺めながら最高級のシャンパンや記念品を楽しんだ時でした。

しかしそのような瞬間さえも、ミサの中、純粋で清らかな心で主の御体と御血を受ける時の、たとえようのない至福を前にすれば、すべて色あせるのです。

*Courage Internationalのメンバーであるポール・ダロウは、サウスカロライナ州の沿岸部に住んでいます。

※ポールの話は、以下のインタビュー動画でも視聴できます(英語)。

記事へのリンク:Against All Odds--National Catholic Register


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