ここから離れたい
京都に住みたい、どうせなら。
年度いっぱいで退職の意向を上司に伝えたのが三日くらい前。離婚したら(まだ紙が戻ってこないけど)確実に職場が近寄りたくない地域になるんだよね。何しろ義実家から十分かかれば着くわけで、徒歩でも自転車でも通えるくらいの近さだった。職場の人間関係もギスギスしてて辛い。良い牛を育てるってのは一朝一夕で出来ないし、結果は農家次第なところも含んでる(帰したあとの管理)し、好きな体型もあるらしいし、正直もうたくさん。楽しかったよ、楽しかったけども情勢悪化でプレッシャーがすごい。預託農家全戸がくたばるか、うちが体制崩壊か、どっちが早いかって感じ。
実際は私が良くないのかなー……たくさん食べさせて毛繕いして、発情見つけて種付けしてもらって、牛自体のことなら何でもやったけど要求されるのは「それ以外」。中途で入ったときから出来そうなことは何でもやらせてもらった。けども、溶接とか機械修理なんか専門外どころか資格もない。出来るひとがいるから「おれやるから牛頼む」「お願いします牛見ます」で今まで済ませといて、別の人がいきなり「来年で定年再雇用だから後のこと頼む」ってそんなんで出来るかっての。定年見えてきた時点で「三年かけて業務引き継ぐよ、手始めにここから」ってスタートするなら分かるのに、来年ってあと何ヶ月あると思ってんの? これだからゆとり世代は…って言われたところで、段階てもんがあろうが──って様々。
そもそも火星土星スクエア持ち。抑圧して指図してくる土星(父親や年上男性)には反抗心しか感じられない。黙って大人しくしてるからって調子乗ってやいやい言ってくる土星もいたわけで、最近じゃ塩対応を覚えた。心の中で「どうでもいい」「お前は他人」と唱えて対応するとうるさく言わなくなる不思議。だから海王星で夢見させてんのかな。
以前も別のとこでギスギスしてた頃、漠然と染色や機織りの仕事したいなって思ってた。当時はまあ無い。来年だって見つかるかどうか分からんけども、ここ以外で暮らしたい。真冬も水道凍らない、雪に埋もれる心配しない、職場に着けない不安のない場所で暮らしたい。夢見てるっていわれても、実際、ここに桎梏は無い。牛だって他人のものだから、感情の繋がりさえ切ってしまえばどこへだっていける。今までだって行けた。行かなかったのは「どこにも行けない気がしてて、動くつもりもなかった」から。
一生涯を通じて同じ職種、業界に所属して働き続けるひとがいるんだから、ときどき違う仕事して別の場所で生きていったっていいんだよ。って書いてて、思い出したんだけど母親なんだよね影響。嫁いだこと、子供産んだこと、後悔してまき散らして、でも行動はしなかった。一応親になったから、って気持ちもあったかもしれない。年下の兄弟が仕事関連で心理学をかじってた頃「母はシンデレラ症候群」って笑ってた。こいつは私に対していつも何かしら(容姿の良さ、恋人が途切れないなど)優越感をみせびらかすやつで、しかしながら行動力の薄いやつ……いや、違うか。行動力はあった。ま、私は気に入らんので今は関わってない。
しがらみ断ち切って、動くにはちょうどいいと思ったから。出来るかどうかは、来年の私にかかってる。京都に住もうぜ、京都。