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Photo by
inagakijunya
心と体が叫んだ日②二つの生活
発症前の生活
東京での生活では、いつも孤独を感じ、不健康な日々が続いていた。自炊はしていたものの、狭いキッチンでの料理は億劫で、作る気力もあまり湧かなくなった。家賃7万円の小さなアパートは日当たりが悪く、いつも湿気っぽい空気が漂っていた。
彼氏も友達もいて、職場の人間関係も特に問題があったわけではない。それなのに、どこにいても誰といても「自分はダメだ」「みんな私を嫌いになる」「だから結局ひとりぼっちなんだ」という自己否定の思い込みが頭から離れなかった。
さらに、東京という街そのものが、私の体に余計な刺激を与えていたのだと思う。日常生活の中で、聴覚や視覚、嗅覚といった感覚が常に膨大な情報にさらされていた。広告の音や信号の音、人々のざわめき、次々に目に入る看板やポスター、足早に歩く人々の波、突然現れる自転車など……それらがすべて、いつの間にか心と体に負担をかけていた。
今の生活
パニック障害を発症してからすぐ、私は一時的に実家に戻ることを決めた。正直、閉鎖的な環境が好きではなかったので、田舎での生活が自分に合うのかどうか、不安だった。
しかし、花や草木に囲まれた環境は、意外にも私の心を少しずつ癒してくれた。
実家に戻ってから、植物を育てることに挑戦した。種から育てた花たちは元気に育ち、夏には庭が色とりどりの花でいっぱいになった。耳には小鳥のさえずりが聞こえ、目には緑が広がる。そんな環境の中で、ようやく心からリラックスできる時間を持てるようになった。
両親との過ごす時間も悪くなかった。毎日誰かと一緒に食事をする、そんな時間も私の孤独を埋めてくれた。
都会の騒がしさや情報過多な環境から離れ、自然に触れることで、自分自身と向き合う余裕が少しずつ生まれてきた。こんなふうに、私の生活はゆっくりと変化し始めた。