『言葉の力』
まずはこの美しい装丁と、帯の「韓国でベストセラー BTS Vの愛読書」という言葉に目がいった。この一言で、この本を手に取った人がたくさんいるんだろうなーなんて思いながら、私も読んでみることにした。
この本は「言葉」について
修養、観点、知性、創意工夫、傾聴、質問、話術、自由の8つの観点から書かれた本だ。
一つの言葉には語り手と聞き手の両方の人生が込められている。語り手が自分の人生の意味を込めて話し、それを聞き手が自分の人生に当て嵌めて解釈する。大切なのは話すテクニックではなく、自分を省みて成長し、他人に関心を向けて理解し努力する過程なのだ。
この本では、東洋と西洋の古典や賢者たちの言葉を引用して、本質にアプローチしている。言葉はあくまで、自分と世の中を変えるための手段なのである。
言葉を発する前の準備習得から、話し方の実践、そしてより良い生き方へと踏み出すための方法を考える。
最終的には人生とこの社会を少しでも変えることが目的である。
《特に気になったところ》
主観が変われば客観も変わる。
主観のない人は中身がなく乱雑。
イデオロギーはその社会を支配する観点
「〇〇らしく」(女性らしく、お姉さんらしくなど)はもう古臭い秩序
自分の立場を変えなくてもいい。ただし後ろ側から見て俯瞰してみてみよう。
新しい観点を作るにはプレッシャーに耐えなくてはならない。
社会より、自分の周りをまず観察しよう。
大きなところより、身近なところを見ていくことが大事。
真理は一つではない。
自分だけの世界観を作り上げよう。
読書にすること自体に意味はない。自分を変えることが目的。
本は3回読もう。
1回目は本を読む
2回目は作者を読む
3回目は自分を読む
いつでも中庸を保とう。
冷静にTPOに合わせて発言する。話しすぎても、言葉を飲み込んでもいけない。適当な場所で、きちんと感情をコントロールした状態で発言しよう。
人はどんな人でも完璧ではない。
それを知れば人は偉ぶることなく自然に謙虚になる。
自由人とは制約のない状態ではなく、ただ自分の内面にある目的一つのために進むことである。
言葉で解決できないことを無理に表現しなくても良い。
約束は守らなくても良いが、嘘をついてはいけない
人によって言い方を変える(相手が理解できるようにいう)ためには、しっかり学び表現の幅を広げる必要がある。
以上、特に気になった点。
どうしても話が上手に出来ないと「話術」に目が行きがちだが、大切なのは自省と相手を理解する力。
自分をコントロールしつつ、自由に自分の目的に向かうべく、軋轢を生まないようにして、ちょっとでも人生をより良いものに変えていけたらいいのだと思う。
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