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池袋

忙しなく忙しなく忙しなくこの街は動く。今も。


相変わらず東口は忙しなく人が蠢いていて、それを見るだけで不思議と焦らされる感じがする。うるさい。

相変わらず西口は、暗い。
東京芸術劇場、グローバルリング・シアター、いかにも盛大な文化を象徴させるような施設が立ち並んでいるが、周りは古いビルに覆われていて、まるで孤城のように、暗い。

「なんでもあるけどなんにもない」ということである。
借り物の言葉であるが、ああ確かになあと強く頷いた。
池袋という街に来ればなんでもある。商業施設も、大学も、映画館も、水族館も。人々がそれぞれの欲望を散らすように、大通りから分散していく。

でも、なんにもない、、、?

光のない街

どっかのバンドマンが言っていた。光のない街のようである。もちろん、ここでいう光というのはあのぴかぴか光る、そういうものを指しているのではない。

無数にある人々の欲望が、無数に街に散らされていく、それを見るたびに不思議と不安になり、自分は満たされていないと感じてしまう。そういえばあの服が欲しいだとか、あれを食べたいとか、そういうものが自分本位から来ているものではなく、他人本位から生まれていくように、思う。

どこまでも人々の欲望とコンクリートの海で、永遠に満たされ、満たされないループを生み出している。誰かといるけど孤独、1人でいるともっと孤独。こうして、また嫌なループを想起させるのだ。

この街には、それぞれの欲望がひしめき合っている。

そして、コンクリート調の平坦なキャンパスに、景色を変えることはできないのだと気づく!
aに向かう誰か、bと会いたい誰か、cに向かう誰か、dをしたい誰か、無数に受かぶ、、、、、、、、
この街にはなんでもある。けど、いつまでたっても分裂したabcdのままで、
それが何か一つになることはない。
集めて、光になることはできないのか?

池袋、落ち着かない街。
それはきっと集団行進ができないから。みんなが同じ方向を向くことなく、それぞれの欲望に従って歩いているから。そして、また孤独になる。
みんなで、孤独になるんだな〜

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