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誰でも知っている5W1Hをアレンジした5W5H思考を公開(PDF有り)

なんらかの物事を整理して考える際に、誰でも知っている5W1Hを利用して考えていたが、How mach や How offen などの観点も必要と思って追加して考えたりしていた。
 さらに数個の観点を追加して、今は考えている。ネットで検索すると同じようなものが何個かあるが、今回で紹介するのは私がさまざまなものを参考に再構成・整理したものになるので、読者自身で適宜、追加修正した上で、利用できそうなものは利用してほしい。

 タイトルにあるように、5W5Hとして合計で10個の観点から解説している。今回紹介するフレームワークが厳密にきれいに分類できているとは思えないが、そこそこ使えるフレームワークなのでので紹介する。たとえばWとHが混在しているものがあったり、一つの項目にいろんな概念を複数入れ込むことを行っているなど、若干無理やり感がある。

 またこれ以外の観点が状況により、不足していたり、過剰だったりするので、適宜追加削除するなりして、利用してほしい。あくまで参考として利用できるツールとして紹介する。

 今回紹介する「5W5H」で整理すると、ビジネス上や個人的なやや複雑なタスク等の「打ち手」の解像度が上がる。以下筆者が利用しているフレームワークである10個に絞って解説する。最後に5W5Hを簡単に整理できるPDFを作っているので、参考にしてほしい。書き込み形式で利用できる。iPad等で利用すると便利だ。

<5W5H>

具体的にいうと、①何故、②誰、③目的・プロセス・シナリオ、④場所、⑤時間、⑥空間、⑦視点、⑧金額・量、⑨記録・計測・表示、⑩頻度の10個だ。

まず、通常の5W1Hで利用されている5Wから説明する。通常の5W1Hの5Wと殆ど変わりがないため、簡潔に解説する。

<5W>

①何故 Why

何故行うのか?そもそも不要ではないか?やる必要がない場合やらないのが一番の得策なのだが、よくわからないまま、利用している業務がたくさんあったりする。

参考文献:FIND YOUR WHY (ファインドユアウェイ) あなたとチームを強くするシンプルな方法


②誰 Who

利害関係者は誰か?プロセスや場所に紐づいて関連する利害関係者を考えてみるなど。


③目的 What for / プロセス What process    /  もし○○だったら(シナリオ分析)  What  if 

 通常の5W1Hでは、「目的」となるのだが、「プロセスとシナリオ分析」も追加した。プロセスのミクロ的な視点であれば、ムリ・ムダ・ムラ・漏れ・ミスなどの5Mについても考慮する。マクロで考えるなら、バリューチェーンなどを考えてみるなど、後述する視点の切り替えも試してみると良い。プロセスをアプリ化できないか?機械化できないか?自動化できないかなど、省力化も常に検討する。SCAMPER法などで、プロセスを改善できる方法がないかなど検討する。

参考:SCAMPER法 5M

 また、もし○○だったらという、シナリオ分析なども必要だ。
 一つの項目にこの3つを入れ込むのはやや無理があるかもしれないが、Whatでひとまとめにできるので、1つの項目として紹介している。


④場所 Where

 対面なのかリモートなのかという点だけでなく、実物資産や情報データをどこに保存するのかも考慮する。ヒト・モノ・情報の活動場所や一時保管場所をイメージし、整理する。


⑤時間 When / What's the plan? / How long 時期・計画・期間 

 時間の概念を考えてみる。各プロセスの実施時期、計画・期間など長期間になるものは、ガントチャートなどを利用して情報を整理するなど。

参考:ガントチャート

 以上の5Wの5つは、一般的な「5W1H」とほとんど変わりがないので、簡単に解説してみた。

参考:5W1H


<5H>

以下からは、5W1Hをアレンジして、Howの部分をより明確にした5Hについて解説する。


⑥空間(実物上の空間・概念上の空間)広さ・深さ・層 How  wide(scope)/ deep  / layer

 何らかの事象を整理するときに、全体のプロセスまたは構成要素のうちどの範囲を対象とすべきか考える必要がある。また深掘りして考える必要があるときがある。どこまで深く考えるかは、対象によってことなるが、Whyを繰り返して、必要に応じて深掘りしていく必要がある。とりあえず、現場、現物、現実の3現を確認することが基本的に重要。自分で幅広く、また深く現実を直視することが重要だと考えられる。マインドマップなどで幅広くかつ深く物事を整理してみる。

参考:マインドマップ


⑦視点 How to See

 Whoで誰が関連しているのかは整理できているという前提のもと、関連する利害関係者の視点にものごとを切り替えて、考えて見る必要がある。顧客、経営者、現場レベル、決裁権限者の視点など、視点を切り替えて考えると、違ったことが見えてくる可能性がある。自分がその立場になった場合、どう感じるか?どのような点がポイントとなるか?利害が対立しているときに視点を切り替えてみたり、顧客の視点に没入する体験をする際にも視点を切り替えるという点が必要となるだろう。少し考え方が異なるが、鳥の眼、虫の眼、魚の眼なども参考にしてもよい。
 またその道の専門家に確認するという点も非常に参考になる。専門家は、一つの事象や言葉だけであって、非専門家と比べて遥かに多くのものを知覚・認識している。その道の人に確認するというのも一つの手だ。
 またどうしても認知バイアスが入り込んで歪んだものの見方になっている可能性があるのでその点も考慮する必要がある。

参考:鳥の眼、虫の眼、魚の眼


⑧金額・量 How much / How many

 どのようなものにも通常予算制約があると考えられるので、収益や費用はいくら発生して、キャッシュフローはいくらになどの貨幣的な観点も整理する必要がある。支払いや入金のスケジュールなど時間軸も考慮して、貨幣的な要素も考慮する。先に大きな投資が先行して、収益の発生がゆっくり発生するケースもある。
 また数量のことも考慮するべきで、少量なのか大量一括なのか、どのくらいで消費していくのか?資源の調達に数量上の制約があれば、全体の計画にも影響してくる。PLだけでなく、BSやキャッシュフローはどうなるのか?財務的なインパクトをExcelなどでシュミレーションしてみる。詳細に検討するときは、別途詳細な計算が必要だが、簡単にまずは概算値の整理が必要。


⑨記録・計測・表示 How to record  / How to measure  / How to view

 どのような項目を記録として残して、後に計測する指標として利用するのか?記録方法は、紙媒体なのか電子媒体なのか、手入力などの必要か?自動的にログがのこるのか?集計して、簡単に分析ができるのか?
 どのような指標がKPIとして重要か?このとき、アウトプット÷インプットで何らかの生産性指標を設定して、この生産性なら、全体でこれくらいかかるとか、全体の傾向を見つつ、将来これくらいになるという予測を立てることも重要。記録された全部をすべて活用する必要はない。重要な部分に絞り込んで時系列でどのように変化するのかを確認すればよい。

 ちなみにログという言葉は、「丸太」の意味になるが、航海をしているときに、昔は、丸太に紐をつけて、海に投げ入れて、時間と距離から、速度を計算して、おおよその速度や航海時間を算出したのだという。会社を一つの船だと考えると、記録(ログ)をとって、適時適切にKPIをモニタリングしながら、正しい方向に進捗しているのか日々確認するイメージになる。このように説明すると重要性が理解していただけるだろう。
 対象の業務プロセスの中に、(または日常生活の中に)当然のようにログが残る仕組みを組み入れ、何らかの統計的な処理や傾向を確認するといったことができるようにするのがよい。

 最後に、表示の問題。計測した結果をどのように表示させるか?紙に印刷するのか、PCなどの画面上で確認するのか?利用するソフトウェアやアプリはどれを利用するのかなど、自分だけでモニタリングするなら、限定的なものでよいが、多数で共有する場合は、何らかのシステムの利用を検討したほうがよい。


⑩頻度 How often


 頻度も整理すべき事象の一つで、実行の頻度とメンテナンス・再投資の頻度や記録・計測されたものをプロジェクトオーナーなどに報告する頻度を考えておく必要がある。単にWhenいつというのは、やや解像度が低いので、頻度という観点から日次レベル、週次レベルで管理すべきなのか、月次、四半期、年度なのか、モニタリングの頻度についても考慮する必要がある。モニタリングを適時適切に行うことで、調整が可能になる。何らかのビジネス上の事象や個人的なプロジェクトでも、何らかの形でレビュー(振り返り)を行ったほうがよい。


<まとめ>

 一般的な「5W1H」と比較すると、追加されているものは、Wでアレンジを加えたしたプロセス・シナリオ(③目的・プロセス・シナリオ)と5Hの①空間、②視点、③金額・量、④記録・計測・表示、⑤頻度の5つだけなので、覚えやすいし、すぐに利用できるものばかりだと思う。あらゆる人がなどさまざまな局面で利用できるフレームワークだと思うので、アレンジして、適宜利用してほしい。

PDFのダウンロードは、↓ MTG決定事項の整理としてのメモや個人的なプロジェクトの詳細を詰めるときに利用すると便利です。


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