ベスト4決定へ
こんばんは。本日24時と28時からベスト4をかけたポルトガル対モロッコとフランス対イングランドの試合が行われます。両試合の勝者が12月14日28時に始まる準決勝へ臨むことになります。
昨日行われたアルゼンチン対オランダとクロアチア対ブラジルの試合は共にPK戦までもつれ込み、様々な意味で大荒れの試合となりました。
ポルトガル対モロッコ
恐らくはポルトガルの矛とモロッコの盾の勝負になると思います。
ポルトガル代表
ポルトガルは決勝トーナメント1回戦でスイスと対戦しました。堅守を誇るスイスを相手に豪華な攻撃陣を揃えるポルトガルがどれだけ点を取れるかが注目されました。
クリスティアーノロナウドをスタメンから外し、その代わりにベンフィカ所属のゴンサロラモスをサントス監督はスタメンに起用しました。この采配が見事にはまり、ラモスはハットトリックを達成しました。合計6得点を奪いスイスに対して6-1で快勝しました。ロナウドを外したことで特に守備時のバランスが改善され、チームとしてのまとまりが良くなった印象です。
気になる点としてはメンデスとペレイラが負傷離脱した点です。両者共に所属クラブのPSGでのケアに努めることがすでに発表されており、W杯にこれ以上出場することは出来なくなりました。そのためマンチェスターコンビのダロトとカンセロが先発することが予想されています。層の薄さは気になりますが、CBもペペが健在であるためそこまで離脱のダメージは無いのかもしれません。
ベスト8で当たるモロッコもスイス同様堅守を武器にここまで勝ち上がってきました。攻撃陣がどれだけ得点を積み重ねることが出来るか、注目されます。
モロッコ代表
ベスト8の面々では唯一のサプライズ枠と捉えることが出来ます。スペイン戦ではPK戦までもつれ込みましたが、守護神ボノの覚醒により勝利しました。
他国に比べると地味ながら各ポジションに実力者が揃っています。最終ラインはプレミアでのプレー経験があるサイスとアグエルドがCBを務め、実力者であるハキミとマズラウィがサイドを引き締めます。また、前線にキックの名手であるジヤシュと高さとスピードを兼ね備えたセビージャ所属のエンネシリがおり、彼らが繰り出すカウンターには鋭さがあります。左WGに入るブファルのドリブルは独特のリズムがあり、敵の守備陣からすると厄介な相手です。
スペイン戦のように押し込まれた展開になってもあまり引きすぎず、前からのプレッシングとミドルセットでの守備をうまく使い分けています。プレスには連動性があり、中盤の底に入るアムラバトが確実にボールを刈り取ります。モロッコはアフリカの国ではありますが、欧州各国の世代別代表を経験している選手が数多くいます。そのため、アフリカらしい身体能力を生かしたサッカーというよりテクニカルなプレーをする印象が強いです。
ポルトガル戦のカギは間違いなく守備にあります。立ち上がりから簡単に失点すると厳しい展開になります。なるべくタイスコア、もしくは失点するにしても1点に抑え、多くないチャンスをモノにする必要があります。ポルトガルはスペインよりもダイナミックで直線的な攻撃を好みます。SBが上がった状態でカウンターを受けることはなるべく避けたいです。4試合通して未だ1失点の守備の安定感をポルトガル戦でも披露することがベスト4進出するためには絶対に必要なことになります。
イングランド対フランス
決勝戦で実現してもおかしくない今大会屈指の好カードです。
イングランド
ネーションズリーグ直後の不安とは裏腹に、好調な試合を続けています。4試合で合計12点を記録している攻撃面に不安はほとんどなく、主砲のケインが軸となり若い選手が数多く躍動しています。ユナイテッドに所属するラッシュフォードのFKは圧巻でしたし、クラブで調子が上がりきっていない選手も代表では好調のようです。
失点はイラン戦の2得点だけで、そのうち1点は判定が微妙なものでした。不安視されたストーンズとマグワイアのCBコンビは大崩れすることなく、安定感を見せています。特に配給面でのよく貢献しており、ビルドアップの質は高いです。直前まで負傷していたウォーカーも本調子を取り戻しているように見えます。フランスにはエンバぺがいます。オープンな展開になり、エンバぺ対マグワイアの状況は絶対に作りたくはありません。相手ボールになった瞬間にカウンタープレスをかけ、裏のスペースを使わせないことが理想です。
中盤では自分と同学年のベリンガムが躍動しています。19歳とは思えないほどプレーが冷静で、イラン戦ではゴールを決めました。中盤の底に入るライスの容体が微妙なのが気がかりですが、フランス戦ではフル出場できることを願っています。
先発メンバーを比べるとフランスには若干劣っているように感じますが、控えメンバーの質はむしろイングランドの方が上のように思えます。予選突破が決まった後に行われたセネガル戦では大胆なターンオーバーは行わず、堅実な采配をする辺りはサウスゲイト監督らしいです。主力組の疲れがどれだけあるか、どこまで回復できているか、プレーを見て判断したいと思います。
フランス
前回覇者のフランスはジンクスを破りベスト8までコマを進めました。大会直前にメンバーが複数人負傷離脱しましたが、現在のところ顕著に影響は出ていないようです。ただ、ターンオーバーを行ったチュニジア戦では控えメンバー同士の連携不足が明確でした。デンべレやエンバぺが入ったことで多少良くなりましたが、主力組と控え組のレベルの差はかなりあるように思えます。
フランスのサッカーはあまり組織的ではありません。攻撃はデンべレとエンバぺのサイドアタックにかなりの比重が置かれ、2人の個人能力に依存しています。実際に両者が先発しなかったチュニジア戦ではまるで攻撃が機能しませんでした。彼らが封じられると厳しくなるかもしれません。
中盤から最終ラインにかけての守備も意外と緩慢なところがあります。簡単に縦パスを通されたり、SBの裏を使われるシーンが目立ちます。個人能力は高いためスペースが広大だとしてもなんとか処理できます。しかし、相手がイングランドの場合話は別です。先ほど述べた通りフランスはかなり個の能力に頼っています。各選手の能力を最大限に引き出すためあまり約束事を設けない方が良いようにも思えますが、あまりに自由にさせすぎると相手にスキを突かれてチームが空中分解する恐れがあります。
メンバーは前回大会同様盤石で今大会も優勝候補に挙げられています。ただ、ブラジルが負けたようにちょっとした綻びから敗北につながるミスが起きる可能性もあります。下馬評ではフランスが優勢ですが、1つでも思い通りにいかないことがあるとイングランドに駆逐される危うさが今のフランスにあるように自分は感じています。
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