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モロッコの躍進

こんばんは。12月11日午前2時にベスト4をかけたポルトガル対モロッコの試合が終了しました。結果は0-1でモロッコが勝利しました。

得点シーンは一瞬のスキを突いて生まれました。左サイドを駆け上がったアティアトアラーがアーリークロスを放り込みました。ルベンディアスとGKのディオゴコスタが重なってしまい、その2人の上からエンネシリに叩き込まれてしまいました。しっかりと声を掛け合い、DFとGKのどちらが対応するのか明確にしていれば起きなかった失点でした。モロッコはそのようなちょっとしたミスを得点にする辺りに抜け目なさを感じさせます。

試合開始から一進一退の攻防でした。ボールはポルトガルの方が握れていました。ただ、なかなかフィニッシュまで行くことが出来ず、ロングカウンターを何度もくらいピンチを招いていました。ミドルプレスにはいくのですが、ある程度スペースがあるためモロッコの選手たちはキープしながら素早くボールを前に進めていました。想像以上にモロッコの選手の技術レベルは高く、ポルトガルを応援していた自分は常にハラハラしていました。

ポルトガルは433でスタートしました。ベルナウドシウバやブルーノフェルナンデスがフリーマンのように中盤に落ちて、ゲームメイクしながらフィニッシュにまで関わりを持とうとしていました。ミドルサードまではスムーズにボールを運べるのですが、肝心のゴール前ではコンビネーションに若干のずれがあり、シュートまでいけないシーンが散見されました。モロッコの選手は技術に加え全員が推進力に長けていたため、カウンターを止めることは容易ではありませんでした。

今日のポルトガル戦に限らず、スペイン戦やベルギー戦を見てもモロッコの守備が崩れる予感は全くありませんでした。本大会における自分たちの立場を把握し、勝つための戦術をしっかりと落とし込んできたのだと思います。監督は大会直前に代わっていますが、その分迅速にコンセプトを明確にしたのだと思います。

ベルギー・スペイン・ポルトガルを破った実力はフロックでも運でもなく本物です。攻守の切り替えは迅速かつシームレスで、11人全員が共通意識のもとで1匹の動物のように動いていました。ポルトガルは何度か決定機を作りましたが、最終的にDFに寄せられてしまい、自由にはしてもらえませんでした。

ポルトガルに勝ったことでモロッコはアフリカ勢初のベスト4へ進出しました。イングランドにしろフランスにしろ、次の対戦相手は優勝経験国です。そう簡単にはいきません。しかし、同様のことをポルトガル戦前にも言われていました。現在のモロッコの強大な組織力にはどんな国でも苦戦するはずです。

大会前に予想した際、予選突破はするだろうとは思っていましたが、まさかここまで素晴らしいチームだとは思いませんでした。技術と推進力に優れた選手が揃い、明確な戦術を持ったチームですから崩壊することはありません。ましてベスト4まで来たのですから相当な自信を得ているはずです。W杯においてダークホースの出現や波乱は付き物ですが、モロッコが引き起こす衝撃は既に我々の想像をはるかに超えています。残り2試合しかありませんが、このチームがどこまでやるのか必見です。


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