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人生最高の出来事 Part2

昨日はとても嬉しい日だった。

前職の部下30代男子から、飲みに行きませんかと誘われた。約1ヶ月前から誘ってくれた。

実は、彼は、私がこの20年間身を粉にして培ってきた経理知識やスキルを全て教えた、仕事の右腕の部下だった。

どんなことを話したくて誘ってくれたのか、ずっと不安であり楽しみもあった。


当日

そしたら「退職お疲れさまでした!」と花束ブーケを手渡してくれた。退職してから半年たっていた。「遅いんじゃない(笑)」「予算策定が忙しくてやっと落ち着いたから。前から渡そうと思ってたから。」と。
とても嬉しかった!

成長

彼の話を聞いているとすごいと思った。はじめは経理の初心者で支払の仕訳をしていたのに、今は予算策定もしている。急成長だ。マネージャーへ昇格もした。いろんな方にいろいろと質問して、どんどん吸収しているようだ。「しんどいけど楽しい。」と言っている。よかった。

自分の30代の頃

私はふと自分の30代の頃を思い出した。
入社後数年間は毎日終電で帰り、数回の徹夜もあった。米国公認会計士(USCPA)の資格があり、知識はあったものの、経理経験は皆無だった。藁をもつかむ思いで必死に実務経験や知識を吸収していった。あの頃の自分を思い出した。

そう、あの時があるから今がある。
懐かしい思いと羨ましい思いが交差した。

でも「MIKI♪さんと話したい。お疲れ様でしたといいたい。」と退職してから半年も経つのに、花束を持ってきてくれて、時間を割いてくれて、本当に嬉しかった。涙がでるほどありがたかった。

私の「伝えたい」「一緒に仕事しよう」「実務と知識がつながるとはこういうこと」「楽しんで仕事しよう」「わかったらどんどん楽しくなるよ」「問題解決もしたくなる。楽しくなるよ。がんばろう!」という思いが通じたんだな、きっと。
よかった。
また会計人がひとり生まれようとしている。

彼の努力の賜物

私が基礎知識や土台となるスキルを教えたが、これは彼の貪欲な意欲、努力の賜物だ。今残業は月80時間。勤務中に眠りかけることもあるそうだ。あの頃の私も全く同じ状態だった。
でも私の「わかったらどんどん楽しくなるよ」という気持ちが伝わったんだよね。きっと。と自負している。そんな話を聞けて嬉しかった。

私のあの頃

そう、私も30代のころ、大手米系製薬会社へ、米国公認会計士(USCPA)保持の会計知識があったので、潜在能力可能性だけで入社することができた。とてもその機会に感謝した。しかしながら、そこからは天国と地獄が待っていた。

全世界にまたがる大規模なシステム、財務経理の本格的な仕事、縦横にまたがる各部署を横断する様々なプロジェクト推進、税務、外部監査、内部監査、プレゼン、、、ついていくのに必死だった。

見かねて、ある男性先輩社員が私にたくさんおしえてくれた。しかし私は必死に仕事しようとするが、なかなかうまくできない。
別の女性の先輩に、弱音を吐いたこともあった。「向き不向きもあるし、あきらめますか?それも一つですよ」と言われて、ハッとした。甘えている場合じゃない。みんな忙しいのだ。

おしえてくれている男性先輩社員がだんだんイライラしてきて、罵倒されるようになった。「オマエ大丈夫か」「いいかげんにしろよ」椅子をけられそうになったこともある(今ならパワハラとか言われるかもしれないが)。それでも私は逃げなかった。

私の決心

実務の経理の基礎、システムスキル、仕組み、大きな視野で経理財務を理解できるまで、会計知識と実務が点から線になるまで、しがみつく。絶対に逃げない。そう心に決めた。ここで逃げたらどこへ行っても私は使い物にならない。

経理財務ファイナンスの同僚は全員、米国公認会計士(USCPA)かMBA保持者だった。みんなライバルだった。簡単には仕事をおしえてくれない。みんな多忙だ。実務経験者も沢山いたので、特に数年は平均約100時間という残業の多さに同僚はどんどん辞めていった。でもわたしは食らいついた。

あれから20年

あれから20年が経った。その製薬会社ではその後、あるプロジェクトで上司と他メンバー3人で日本支社で半期1回の社長賞を獲得するまでになった。その勢いで昇格モードだったが、突然日本本社が移転したため、転職をせざるを得なかった。
それ以降、日系製薬会社のIPO上場メンバーの経験や他業界の欧米系外資系企業で、月次年次決算、監査、内部統制強化、税務、問題解決、経営陣への提案など経理財務の様々な経験をした。

財務諸表に誤りがある会社ではすべて根拠を見直し、組織改革に加わり、ファイナンスヘッドとして経営陣へ提案した。
外部監査人からは「ひとつの間違いもない」と最高の監査意見をもらったこともある。
そして直近では、経理部長兼役員にまでなった。

先輩社員に心から感謝

今あるのは、その先輩社員のおかげだ。とても厳しかったが、彼のおかげで今がある。この感謝の気持ちは伝えられていないのが心残りだ。まちがいなく、あの出会いが今の私のファイナンスの基盤になっている。知識も考え方も、そして精神的にも。

先輩社員への恩返しと部下の成長

先輩社員にしてもらったように、私は部下におしえたかった。その先輩社員へ恩返しはできないが、誰かにおしえたら、またその人が誰かにおしえて、巡り巡ったらいい、良い影響を与えられたらきっとこれが恩返しになると信じていた。

前職の右腕の部下は、見事に貪欲に私から吸収していった。そして今もなおまだまだ成長している。

感謝と幸せ

別れ際に「また飲みに行きましょうね!」とハイタッチしてくれた(笑)
苦しい時は特に面白いことばかり言って場を和ませてくれて、笑いながら残業して一緒に仕事して、一緒に山場を乗り越えた。

私こそ、本当にありがとう!
あなたに出会えてよかった。
あの時私に「全てをおしえて育てるぞ!」と思わせてくれて、
そして、見事に吸収してくれて、
こんなに優しくしてくれて、ほんとにありがとう。

さあ、これから

まだ需要があるなら、私はまた会社で働いてみたくなった。
会計基準に従って、財務諸表を監査に耐えうる数字にすることができる、それに伴い改善提案もできる。
この会計知識と経理財務経験がどこかの会社で需要があるなら、先日この経験と知識は「特殊技術だ」と言ってくださった方がいたが、このサービスが必要とされるなら、もう一度働きたい。
インスパイアされてしまった。

そう思えた出来事だった。



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