ナイチンゲールの日
5月12日は「看護の日」。フローレンス・ナイチンゲール(1820~1910)の誕生日にちなんで「国際看護師の日」「看護の日」が制定されています。
ちなみに「看護の日」は「ナイチンゲール・デー」とも呼ばれています。
看護の日(ナイチンゲール・デー)
「国際看護師の日」は、1965年に国際看護師協会(本部:ジュネーブ)によって制定され、看護師の社会貢献をたたえる日となっています。
日本では1990年、厚生省(現 :厚生労働省)により、看護の心、ケアの心、助け合いの心を育むきっかけになるよう「看護の日」が制定されました。
毎年この日は、日本看護協会のイベントや、各病院で、1日看護体験などの様々なイベントが催されています。
白衣の天使はバリキャリ
ナイチンゲールはクリミア戦争での活躍が有名ですよね。
野戦病院の医療衛生に革命的な役割を果たし、トリアージ・システムによって、見殺しにされた負傷兵にも命の輝きを見出して尊重したり。献身的に看護するナイチンゲールは、クリミアの天使と呼ばれました。
時代の先端で、超優秀なデキるナース、ナイチンゲール。実は看護師として現場で働いたのは、たった2~3年。(びっくりですよね!)
クリミア戦争後は、病院の情報分析などを政府に提出する仕事をしていたそうです。円グラフや棒グラフもない時代にレーダーチャートの先駆けとなるグラフを作成したそうですよ。統計学の先駆者としても知られていそうです。デキ過ぎなスーパーウーマンじゃありませんか!
その後、看護学校を創立して看護師を養成します。現代の看護師養成カリキュラム・近代看護の基礎を作った偉大なナースでデキるオンナの先駆者なのです。
ナイチンゲール・看護覚え書
看護学校で学ぶ基礎中の基礎。「看護覚え書」は、今から約160年前に書かれたものなのか?と思うくらい、看護の本質が書かれています。
人間は生まれつき「生命力」をもつ。
看護はその「生命力」を高めるように環境を調整する営みである。
環境を調整する、「これが看護である」と定義づけたナイチンゲール。
今も昔も変わることなく、看護の本質として看護ケアを支えていく思想がそこにあります。
戴帽式でナイチンゲール誓詞
看護学生が憧れる「戴帽式」。現在は、感染面からナースキャップは廃止されているので、戴帽式はセレモニー的になっているかと思います。
多分セレモニーであっても、今も変わらず、ナイチンゲール誓詞はろうそくの火とともに暗唱し、看護を職業として選ぶ誓いを立てていることでしょう。
◆ナイチンゲール誓詞◆
われはここに集いたる人々の前に厳かに神に誓わん
わが生涯を清く過ごし、わが任務を忠実に尽くさんことを。
われはすべて毒あるもの、害あるものをたち、悪しき薬を用いることなく、また知りつつこれをすすめざるべし。
われはわが力の限りわが任務の標準を高くせんことを努むべし。わが任務にあたりて、取り扱える人々の私事のすべて、わが知り得たる一家の内事のすべて、われは人にもらさざるべし。
われは心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸いのために、身を捧げん。
ナイチンゲールが、野戦病院の患者をひとりひとり、灯火で見守ったこと、ナイチンゲールが灯した看護の「心の灯」を継承していくことをロウソクの火と誓いとともに宣言するのです。
私はギリギリ、ナースキャップ廃止の過渡期だったので、戴帽式ではナースキャップ、看護実習もナースキャップ装着でしたが、ナースになってからは着けることがありませんでした。
だけど戴帽式って、ナースを目指す人にとっては憧れなんですよね。私は三十路を超えていたので、憧れよりも照れの方が強かったなぁ。
時代を超えても伝承されている、ナイチンゲールの偉大さをあらためて感じる今日でした。