見出し画像

物流情報マガジン 12月4日: 倉庫内における人間機械協調ロボット(Cobot)

 
BLINK株式会社の浅井です。本日のマガジンでは、倉庫内で用いられている人間機械協調ロボット(Cobot)について紹介したいと思います。
まず、物流現場における人間機械協調ロボット(以下、Cobot)の定義は「作業者と作業スペースを共有するロボット」になります。工場などに導入されているロボット(機械)の多くは、近くに人が立ち入ることを前提として作られていません。また、従来のロボットは比較的大規模なものが多いような印象を受けます。それに対してCobotは人とロボットが協力しながら同じ空間内で作業を行います。

以下に気になるCobotのニュースがありましたので、ご紹介します。

“Friendly” robots keep workers from defecting

(リンク: https://www.dcvelocity.com/articles/53139-friendly-robots-keep-workers-from-defecting)
 パンデミックの影響もありEコマースの利用が伸びたことから、物流現場では日々増え続ける需要に対して頭を悩ませています。倉庫内の作業は手作業で行うものも多いため、大規模な自動化システムを導入することが困難な作業もたくさんあります。その影響もあってか、Cobotが人と協力しながら作業を代わりに行うことで一役買っているというわけです。

 記事内では実例として、Liberty Hardware Mfg. Corp. が6 River SystemsのAMR(自動配送ロボット)であるChuckを導入した経緯や導入後の様子を示しています。
Liberty Hardware Mfg. Corp.では需要増加に対して人員を増やしたり、倉庫の営業シフトを増やすなどして対応しようとしますが不十分でした。そこで、6 River SystemsのAMRであるChuckを導入しました。
ChuckはCobotの一種であり、作業者がピックしたアイテムを運搬することや、次のピックアイテムのある場所まで誘導してくれるなどの機能を持ったロボットになります。ピッキングゾーン分けを行いピックアイテムの順番を最適化して、作業者の移動距離短縮なども実現しているとのことです。
その他にもGXO Logistics Inc.において、棚を持ち上げてピッカーの元へ持ってくるCobotであるButlerの導入事例などが紹介されています。

 これらCobotを導入することで作業の効率化はもちろん、研修期間の短縮や、よりよい職場環境づくりを行うことで人員確保が容易になります。昨今の賃金上昇や労働者不足の影響で、倉庫内の作業者は職場環境が良くないと別の職場にすぐに移ってしまうようです。
日本はアメリカとは異なり賃金上昇の傾向は見られませんが、円安や原油価格高騰によって近い将来、物価が徐々に上昇して、それに合わせて賃金も上がることで、ロボット導入の機運が一層高まるかもしれません。

その他、気になったニュースをいくつか挙げておきます。

Robots Won’t Close the Warehouse Worker Gap Anytime Soon

(リンク: https://www.wired.com/story/amazon-warehouse-robots-worker-shortage/)
繰り返しのタスクは自動化に向いているけれども、例外が多いタスクはまだ難しいようです。現在、倉庫内にロボットを導入する動きが活発になっていますが、技術のベースは昔からあるものが大半のようで、すぐに完全自動化が達成させるというわけではないとのことです。

HAI ROBOTICS Sets up Taiwan Team, to Join Taipei Exhibition in Mid-December

ACR(Autonomous Case-handling Robot) を開発する中国のHAI ROBOTICSが台湾に拠点を出したとのこと。ちなみにHAI ROBOTICSは2021年8月に日本にも進出しています。

(見出し画像 by 6 River Systems)



いいなと思ったら応援しよう!