チムニーと女の子. 47 続.妖精の尻尾 青たちのアーチ
2021 / 2 /11 22:37
「 見て、 星が 輝いて
ほらっ
お返事してくれたわっ!! 」
****
二手に分かれた 道
二人は 新しい道を選びました。
「 ...... 風 が そう言っているからね。 」
少し進むと 空が 暗く感じました。
木々の伸びた枝葉が 少し 鬱蒼として 暗がりを作り
やや 怪しげな 雰囲気を 醸し出して...
( 大丈夫? )
しばらくすると また 風が やってきて。
今度は 大きな分厚い雲たちが 流れてきて
お日様を すっかり 隠してしまいました。
さっきまで 木漏れ日が キラキラ輝いていたのに・・・
でも、女の子は ギュッと握った手を引っ張って、
暗がりでも 物ともせずに 進んでいきます。
一人じゃないよ....
ギュッと 力が 右手から また 伝わってきます。
ぐんぐん、ぐんぐん 歩いて 進んで・・・・
…………。
...... どのくらい時間が経ったのでしょうか。
急に 立ち止まり
顔を あげた 女の子、
「 .... ねえ、もう 目を 開けても いいわよ...... 。」
男の子に 声をかけました。
太陽を
分厚く覆う灰み色の 空
風たち が ゆっくりと 灰みの雲たちを 西から 東へと
押し上げて
**
風吹けば
灰み混じりの
青たちを
木馬に 祈る
雪解けの 蕾
**
風が うたう.....
雲のアーチ
この空の また 向こう側に 広がる 青たち
さらに 広がっていく 青たちの世界 よ
**
よしっ!!
じゃあ、また 目を 閉じてねっ。
「 えっ、また 目を 閉じるの? もう このまま開けてても .... 」
行くわよっ!! ほらっ また ちゃんと 閉じてねっ!!
ウフフフッ.....
っと、また 歩き出したふたり
ああっ、今度は 足元の 根っこ、大きな木の根っこに
引っ掛かり 女の子は また
転びそうに...
....
今度は バスケットの 蓋が開いて 飛び出した 中身たち
揺られた バスケットの 中から
飛び出したのは?
転がる モノを 追いかけて
……
小径 の 先に
霧のむこうに建物が 浮かんできました。
小さな 古びた 教会?
扉が 空いているわ
入ってもいいかしら?
****
ショコラ色のファブリック
シャンパンを かけて
タックを 寄せて
光沢も 欲しいわね
木製の ラダーステップを 運びましょう
ゆっくり 気をつけて 登って
しっかり
天井から 吊るしてね....
観客は もう そろそろ 入ってくるわよ
準備を 整えて
しっかり 練習した 成果を みんなに 披露しませうね....。
森の動物たち や 精霊たち が 何やら 楽しそうに 準備しています。
****
いつの間にか すっかり 夜に なってしまった......
随分と 時間が 経ってしまったんだね。
・・・
大丈夫よ
星が 星たちが 教えてくれるから....。
ほらっ!見て。
青く 輝いて お返事してくれるわっ!!
冬の大三角
三ツ星の 下の方に
シリウス が 青く 白く 輝き
大丈夫だよと 導いてくださるから……。
****
……。
何を 見ているの?
キミの目って、 ガラスが入っているのかな?
( えっ? )
ほら キミの瞳って
ガラス玉みたいで
猫の瞳、 まるで水晶玉 みたい だ....
「 コンタクトレンズ入れてるの? 」
「 いや、コンタクト...違うな なんだろう....
コンタクトレンズの瞳では ない感じ .... 」
え、ワタシ の 目には なにも入れていないわよ。
だって 目の中に 何か ガラスを入れるなんて 怖いわっ
「 あはは、なんだろう、
なんだか ちがうんだよ。
コンタクトレンスが怖いなんて ...
君 変わってるね。怖くないよ。 」
キミの目
キミの瞳
不思議な 色、
いや、色 っていう表現じゃない... な ....
今日は また 瞳が 大きく見開いて
いつもより 煌々と 輝いている
何か 嬉しいことでも あったのかい?
そういえば、今夜の
ほら あの 月みたいに 大きく 充ち満ちて
嬉しそうに 輝いている
君の瞳 みたいだ。
あっ ...
雲が 流れていく
月が 隠れてしまう……。
だいじょうぶ 大丈夫よ。
今夜は ちがうの
月の後ろを 雲が 行くから、
月を
満ちた 月の
その 向こう側を 雲が 流れていくの......
魅入る ふたりだけの お月さま
月が 泳いでいく
白く 輝き
紫黒の夜 を 青くする
月が 泳いでいる?
雲が 動いているから
錯覚だよ.... 目の錯覚
いいえ、 月が
あの 月が 泳いでいるのよ
ぷかり ぷかり と
この 空の海 を
青い 夜の この大海原を
****
身の程知らず
そう
ある意味 では また 身のほどを知らず
こんなに 自分が 脆く 弱いなんて 知らなかった....
わたしは達は とても 小さな、小さな ちっちゃな 欠けら
弱くなる必要が あったのかもしれない……なんて
弱くなる必要なんて...なかった。
ちがっていた
弱かったことを
弱い 自分を 認める必要が あったのだと......。
やっと わかった......。
冬が 戻ってきた夜
そして、
青い 星を見つけた。
つづく....