マンゴーとブルーニット -時の長い針-
マンゴーとブルーニットのカーディガン
グラスに注がれた
濃いマンダリンオレンジの果実と
マンゴーのジュース達
少しだけ背高 の パフェグラスに 手を伸ばす
涼しげなメッシュのサマーニットの袖に
少しだけ 見とれていた?
彼女を見守る 棚の上の 本たち の 声
木枠の窓の向こう
フロントガラスから 眩しい太陽が
こちらを 睨む?
太陽は 何も 変わっていないのに……。
風が 少しだけ 吹いてくれたなら
雲たちを また動かし はじめる
とんがり屋根の上 の 守り神
灰色の 雲たちが やってきては 散っていく
回り続ける 時の針と
光と共に 大きな 音を立てて やって来た
夏の終わりを知らせる 大粒の雨の雫たち
こんなに 青空が 広がり 晴れてるのに……。
「 なぜ? 」
「 日本のある地域では "狐の嫁入り" と 言うのだよ 。」
アスファルトを濡らす 雨の匂い ベランダ越しまで 届いたなら
「こんな大粒の 狐の嫁入り は 初めてだよ。」
ボトボトと 大きな音を たてながら 大粒の雨粒が 地を潤し
西の空から射す 眩しいほどの太陽を 映し
東の空は 違う様相を 見せていた。
しばらくすると
まるで 何も なかったかのような
時 の 静寂
また、青く晴れた空が 広がって
いつもの空に……。
とんがり 屋根の 守り神
気になる 天気予報
夏のおわり を 知らせる 蝉の 亡骸 と
いつも 聴こえていた 声は
何処へ……。
太陽は何も 変わっていない…。
太陽は 悪くないのに……。
変わったのは 私たち 人間のする事だ。
届く祈りと
届かない 祈りが ある。
静かに
心 静かに して
ずっと
同じでは いられない。
生まれ変わる 時代 の 間に
2023 夏の終わり
top画像 / 『 鱗2 』 の ディテール
2020-2021 Bleu_trois_poisson
ご覧になって下さりありがとうございます。今後とも どうぞよろしくお願いいたします。