......さびあさぎ
みずあさぎ......
山々の陰影
朝もやと 混じり合い
浮かび上がる 錆浅葱(さびあさぎ)
浮かび上がる 甲山
雲か 山か それとも 空?
頭上を 漆黒のからす が 飛び
紅梅 あやめ 時浅葱(ときあさぎ)
文を 抱き 鳩が 羽ばたく
......さびあさぎ
みずあさぎ......
青いトンボが
飛んできた
夜が 空が 白みはじめ
笛 を 吹く 音
時が 充ちて安堵し
深い眠り から 覚めた 夜明け
魚の月が
やわらかく 口角を あげた
白い朝
バトンが 渡されていく
夕闇に見た 百日紅 より
愛らしく 濃い 桃色 の 枝 ......。
2020 / 6月 長雨のあとに……。
#詩集
#創作大賞2024